「大切に育てていた多肉植物が、気づいたらぶよぶよに…」
そんなショックな経験をした方は少なくないでしょう。
多肉植物がぶよぶよになる原因は、水やりや気温など身近な管理の仕方にあります。
まだ茎や一部の葉が元気なら、復活できる可能性も十分にありますよ。
この記事では、ぶよぶよになってしまったときの原因と復活方法を詳しくご紹介します!
ぶよぶよになった多肉植物は復活できる?
多肉植物がぶよぶよになると「もうダメかも…」と心配になりますが、状態によっては復活できるケースもあります。
復活できるケース
- 茎や根元がまだ硬くしっかりしている
- ぶよぶよの葉が一部のみで、他は健康そう
- 葉の付け根や上部にまだ硬い葉が残っている
- 腐敗が株全体に広がっていない
復活が難しいケース
- 株全体が黄色や茶色に変色している
- 葉も茎も触れると崩れるほどぶよぶよ
- 根元から腐敗している
- ほとんどの葉が落ちて再生できる部分がない
多肉植物がぶよぶよになる原因と対処法とは?

まずは、多肉植物がぶよぶよになってしまう主な原因から見ていきましょう。
多肉植物がぶよぶよになる原因①水や肥料のやり過ぎによる根腐れ
多肉植物はその多肉質な葉や茎に多くの水分を蓄えています。その理由は、多肉植物の多くが砂漠や海岸などの乾燥地帯を原産とする植物だからです。
そのため、多肉植物は乾燥状態には非常に強く、その反面、多湿状態ではダメージを受けやすくなります。
土が乾ききらないうちに次から次へと水を与えていると、徐々に葉がぶよぶよになりそのまま根腐れしてしまいます。
また、必要以上の施肥も根腐れの原因になるため気をつけなければなりません。多肉植物は基本的にあまり多くの肥料を必要としないことが多いです。

多肉植物(春・秋型の場合)は、生育が緩慢になる夏・冬の肥料は基本要らないよ。
※春・秋型とは?…春と秋に生育が旺盛になる生育期を迎える多肉植物のこと。多くの多肉植物はこの春・秋型ですが、種類によっては生育期が異なるため再度確認してみてください。
多肉植物(春・秋型)の水やり【目安】 ・生育期である春、秋 ⇒土が乾いてからたっぷりと与える ・休眠期である夏、冬(梅雨時期も多湿に注意) ⇒断水気味に管理。土が乾いて3~4日ほどしてから表面が湿る程度に与える。
多肉植物がぶよぶよになる原因②高温多湿(梅雨時期や夏場)
「土がしっかりと乾いてから水やりしていたのに多肉植物がぶよぶよになってしまった…」
このような場合、考えられるのは「空気中の湿度」や「強光」「30度以上の高温」による影響です。
特に、多肉植物がぶよぶよになった時期が梅雨時期や夏場の場合、風通しが悪いことや湿気がこもったことで根腐れを引き起こすことも多いです。
下写真は梅雨時期~夏場の間にだめになった多肉植物です。

葉はぶよぶよに傷んで少し触れただけでほぼすべての葉が落ちてしまいました。すでに根腐れに発展しており、この後、慌てて室内へ取り込み乾燥気味に管理しましたが枯れてしまいました。
このように、多肉植物にとって高温多湿となる日本の初夏~真夏は株が弱りやすく注意が必要な時期です。
特に、葉が重なり合い花びらのようにぎゅっと締まっている多肉植物(エケベリア)は、湿気が株にこもりやすいためか、梅雨時期や夏場に蒸れて傷むことがよくあります。(下写真)

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多肉植物がぶよぶよになる原因③霜に当たった(冬場)
多肉植物は寒さに強く、0度くらいまでなら耐えられるものが多いです。しかし、中には寒さが苦手な多肉植物も存在します。
下写真はアロマティカスという多肉質な葉が特徴のハーブです。ふわふわで肉厚な葉が特徴のアロマティカスは寒さが大の苦手。
うっかり朝晩の冷え込みに当ててしまうと下写真のように株全体がぶよぶよになって傷んでしまいます。

また、朝晩が5度以下になる日の夜間は水やりを控えます。吸いきれずに鉢内に残った水分が朝晩の冷え込みで凍り付き、多肉植物の根を傷めるのを防ぐためです。
そもそも、「霜」ってなに?
多肉植物を育てる上で「霜に当てない」という言葉をよく目にしますね。しかし、そもそも霜とは何かご存じですか?
霜は、空気中に存在する水蒸気が朝晩の冷え込みなどで凍り付き、地面や植物などに付着したもののことをいいます。
また、地中に溜まった水分が凍り付いて生じるのは「霜柱」です。
多肉植物はただでさえ葉や茎に多くの水分を蓄積しているため、霜に当たると大きなダメージを受けやすいです。そのため、冬場の冷え込みには気を付けなければなりません。

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多肉植物がぶよぶよになる原因④病害虫やカビなど
多湿状態が続くことで、多肉植物はさまざまな病害虫による被害を受けやすくなります。害虫であればカイガラムシやナメクジ、ハダニなどです。
これらは放置することで吸汁によって株を弱らせ枯らせます。見つけたら早目に取り除き駆除しましょう。特にカイガラムシは非常に小さく、葉の付け根や裏などに隠れるように潜んでいます。

また、湿気がこもる時期に気を付けたいのがカビや細菌による被害です。これらは放置することで徐々に広がります。
葉がぶよぶよになって黄色く変色していたり、黒く枯れている場合は、傷んだ箇所をピンセットを使って早めに取り除き、ダメージが広がるのを防ぎます。
多肉植物がぶよぶよになったときの対処法は?

では、すでにぶよぶよになった多肉植物はどうすべきなのでしょうか。対処法を見ていきましょう。
ぶよぶよになった葉を元通りにすることはほぼ不可能
多肉植物がぶよぶよになり、すでに水分がにじみ出て触れるだけで葉がボロボロと落ちる場合は根腐れに発展しています。
根腐れに発展した段階では復活がほぼ不可能です。
かろうじてまだ茎が硬い場合は、水やりを控えて乾燥気味に管理し様子を見ます。
腐敗した箇所は取り除き水やりを控えて乾燥気味に管理する
ぶよぶよになっている箇所はすでに腐敗が進んでいます。まわりに腐敗が広がるのを防ぐためにも、ぶよぶよになっている部分はピンセットを使って取り除きましょう。
その後、まだ茎が硬いようなら水を控えて乾燥気味に管理します。風通しをよくして直射日光は避けた半日陰で様子をみましょう。
ぶよぶよにならずに済んている箇所は挿し木や葉挿しで育て直すこともできる
ぶよぶよになった箇所が部分的な場合、それ以外の場所はまだ復活の可能性があります。
また、根元からぶよぶよになっている場合でも、別の箇所にまだ硬い部分があれば葉挿しや挿し木で育て直すこともできます。
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全体的にぶよぶよになって黄色く変色している場合はすでに根腐れしていると考えられます。残念ですが、復活は難しいでしょう。
多肉植物の根腐れを防ぐためには「乾燥気味に管理すること」が一番です。
そして、「一年を通して風通しのよい場所に置くこと」「30度以上の高温期は直射日光を避ける」「水やり後や梅雨時期は特に風通しを意識してあげる」などを気を付けなければなりません。
あまもりにも雨が続いたり暑さの厳しい時期は室内へ移動し、株へのダメージを防ぐことも大切でしょう。

室内の場合は扇風機やサーキュレーターを活用し空気の流れを作ります。
よくある質問(FAQ)
Q1:多肉植物がぶよぶよになるのは水不足ですか?
A:水不足ではなく、ほとんどの場合は「水の与えすぎ=根腐れ」が原因です。水不足のときは葉がしわしわになります。
Q2:ぶよぶよの葉は元に戻りますか?
A:一度ぶよぶよになった葉は元通りにはなりません。取り除いて、健康な部分を守ることが大切です。
Q3:ぶよぶよになったら植え替えたほうがいいですか?
A:腐敗が進んでいなければ植え替えも有効です。新しい乾燥した土に植え替えて、根の様子を確認しましょう。
Q4:夏と冬でぶよぶよの原因は違いますか?
A:はい。夏は「高温多湿・蒸れ」、冬は「霜や低温」が主な原因になります。
Q5:葉が透明になってぶよぶよするのは?
A:根腐れや凍結などで細胞が壊れているサインです。透明部分は復活しません。
Q6:ぶよぶよになった株はすぐ捨てるべきですか?
A:部分的に健康な部分が残っていれば捨てずに「挿し木・葉挿し」で再生可能です。
Q7:水やりはどのくらい控えればいいですか?
A:土が完全に乾いてから数日おいて与えるくらいが目安です。復活待ちの株は断水気味に管理します。
Q8:肥料をやりすぎてもぶよぶよになりますか?
A:はい。肥料過多は根を傷めて結果的にぶよぶよ化の原因になります。基本的に肥料は控えめで十分です。
Q9:風通しが悪いとぶよぶよになりますか?
A:なりやすいです。特に梅雨や真夏は蒸れやすいため、サーキュレーターなどで風を通してあげましょう。
Q10:復活させた株はまた弱りやすいですか?
A:はい。一度弱った株は回復に時間がかかり、再発しやすいです。しばらくは直射日光を避け、乾燥気味で管理してください。
多肉植物がぶよぶよになったときの原因と対処法【まとめ】

今回は、多肉植物がぶよぶよになる主な原因と対処法をご紹介しました。
基本は「水をやり過ぎないこと」です。そして、気を付けたいのが梅雨時期や真夏の高温期でしょう。
この時期は湿気が株にこもりやすいため、いつもと同じように管理していても葉がぶよぶよになってしまうことも多いからです。
多肉植物は十分な日光と風に当たることで株が充実します。そのため、多肉植物は屋外で管理している方も多いでしょう。
多肉植物を屋外に置いている場合、梅雨時期と真夏は室内へ一時的に避難させることもご検討ください。
多肉植物がぶよぶよになる主な原因4つ 1.水や肥料の与えすぎによる根腐れ ⇒基本、乾燥気味に管理する 2.高温多湿によるダメージ ⇒特に梅雨時期や夏場は要注意 3.霜に当たった ⇒霜が当たると株が弱るため室内へ取り込むor新聞紙や段ボールで囲うなどの養生を施す 4.病害虫やカビなどによる被害 ⇒特に、高湿状態が続いて株が弱っていると被害にあいやすい
多肉植物がぶよぶよになった時の対処法
・すでにぶよぶよになった部分は腐敗しているため元通りにできない
・まだ硬い部分があれば挿し木や葉挿しで育て直すこともできる
・茎が硬ければ、ぶよぶよになった部分を取り除いた上で乾燥気味にし様子をみる(直射日光を避けた風通しのよい場所に置く、肥料は与えない)
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