肉厚の葉が可愛い多肉植物は癒し効果の高い人気のグリーンです。
そして、多肉植物の人気の秘密はその可愛らしい見た目はもちろんですが、「挿し木で簡単に増やすことができる」というのもポイントです。
そこで今回は、多肉植物を挿し木で簡単に増やす方法を画像付きで分かりやすくご紹介します。
「多肉植物を挿し木で増やしてみたいけど、イマイチやり方が分からない…」という方は、ぜひ、今回の記事をご参考に挿し木に挑戦してみてくださいね。
多肉植物の挿し木のやり方を画像付きで分かりやすく解説!
では、さっそく多肉植物の挿し木のやり方をみていきましょう。今回はダイソーで購入した多肉植物を使って挿し木してみましょう。
特別な道具は不要です。基本は切って挿すだけ。とっても簡単な上、失敗もしにくいですよ。
多肉植物の挿し木 手順①適期は春先or秋
多肉植物の挿し木には適している (失敗しにくい) 時期があります。それが、春先または秋です。
理由は、生長期の手前のタイミングだからです。種類にもよりますが、多くの多肉植物は春と秋に生長が盛んになります。
そのため、生長が旺盛になる時期の少し手前に挿し木することで、発根しやすくその後の経過も順調に進みやすいです。
今回は上写真の多肉植物を挿し木で増やしてみましょう。3月中旬頃にホームセンターで購入した多肉植物「恋心」です。
多肉植物の挿し木 手順②葉の付いた茎をカットする
根元の葉を数枚残し、葉の付いた上部の茎を思い切ってカットします。ハサミは清潔な物を使いましょう。
この茎を「挿し穂(さしほ)」とよびます。採取した挿し穂を発根させ親株と同じ性質をもつ株を増やす元祖クローン技術ともいえるのが「挿し木」という方法になります。
多肉植物の挿し木 手順③下葉を取って土に挿しやすくする
挿し穂の下半分についた葉は指で軽くひねりながら取り除きます。取りにくい場合はハサミでカットしても構いません。
下葉を取ることで、土に挿しやすくするだけでなく、葉からの蒸散を抑えて発根を促します。
葉が多いままだと葉から水分が蒸発するため、乾燥によって枯死する可能性があります。乾燥による挿し木の失敗を防ぐためにも葉数が多い場合は減らしておくのがおすすめです。
上写真のように、葉が付け根から綺麗に取れた場合は「葉挿し(はざし)」として利用することもできます。
葉挿しは、葉の根元から発根させ株を増やす方法です。しかし、多肉植物の種類によっては葉挿しが向かないものもあります。
多肉植物の挿し木 手順④乾いた土に挿し穂を差す
葉数を調整した挿し穂を乾いた土に挿し込みます。水は与えません。
理由は、切り口からの細菌浸入による腐敗を防ぐためです。心配な場合は、挿し穂の切り口を数日乾燥させてから土に挿しても構いません。
これで挿し木作業は完了です。直射日光を避けた半日陰に置き、できるだけ風通しのよい場所で管理します。
10日程経ったら水を与え、その後は土が乾いてから水を与えます。
うまくいけば2週間ほどで発根し、挿し穂に触れると少しずつ抵抗を感じるようになります。
多肉植物の挿し木 手順⑤1か月後、8か月後
手順ではありませんが、挿し木から8か月ほど経過した様子もあわせてご覧ください。
挿し木から1か月経過
まずは、挿し木を実施してから約1か月経過した様子を見ていきましょう。
下写真は元株から切り取った挿し穂を土に挿したものです。触れると抵抗を感じるようになりました。根が活着した証拠ですね。
挿し木直後よりもやや茎が伸びてきました。
そして、元株は下写真です。1か月程して脇芽が2つ出てきました。
このように、挿し木は適期におこなえばその後の経過も順調に進みやすいです。
そして、挿し穂からはずした葉からも発根が確認できました。(下写真)
こちらは乾いた土の上や新聞紙の上に転がしておいただけです。発根後はそのまま土に置いておくと少しずつ根を地中に張り、小さな子株が生まれます。
葉挿しの場合、挿し木とは違い大きく生長するまで時間がかかります。しかし、一気に多くの個体を増やすことができるのがメリットです。
挿し木から8か月経過
春先に挿し木してから約8か月が経ちました。
その後、秋にも伸びた部分をカットし挿し木したため、株は3つまで増えています。
寒さで葉先がほんのり赤く染まっています。
こんな感じで、挿し木ならお気に入りの多肉植物を「カットして土に挿す」だけで簡単に増やすことができます。
多肉植物の挿し木から一年後までの経過は?
次に、実際に筆者が多肉植物を挿し木で増やした際の経過をご紹介します。
多肉植物を購入【2021/3/19】
ダイソーで多肉植物「カネノナルキ(花月)」を100円で購入。挿し木でどんどん増やしていきます。
とはいえ、まだ小さすぎて茎をカットするとちょっと可哀想です。もう少し生長してから挿し木することにしました。
基本、ベランダに置きっぱなしで管理します。同じくダイソーで購入した素焼き鉢に植え替えました。
寒さで紅葉していますね。葉がほんのり赤味がかってパープルっぽい色をしています。
挿し木を実施【2021/6/3】
あっという間に3か月経過。生長期を迎えた多肉植物は青々とした姿になりました。茎も伸びましたね。適期が過ぎてしまう前に駆け込みで挿し木を実施することにしました。
根元の葉を数枚残しつつ、上の茎を清潔なハサミを使ってカットします。
カット後の元株です。(下写真)
寂しくなってしまいましたが、うまくいけばここから枝分かれしてボリュームが出ます。
そして、カットした茎が下写真です。
すぐに土に挿そうと思いましたが準備が悪く、挿せそうなサイズの鉢が無かったためしばらく切り口を乾燥させることにしました。
プラスチック製のスノコに挿し穂を浮かせるように乗せ、切り口が乾燥するのを待ちます。
しばらくすると切り口から小さな根っこが出てきます。写真を撮り忘れてしまいましたが、発根した茎は元々の株の空いているスペースに差し込み植え付けました。
かなり雑ですが、こんな感じでもうまくいけばどんどん根付いてくれるので経過をみていきましょう。
挿し木から約3か月経過【2021/9/1】
挿し木から3か月ほど経ちました。挿し木した茎もしっかりと根付いて元気に育っています。
しかし、真夏の強光によって葉焼けしている部分もありますね。葉が黒っぽく焼け焦げている部分が分かりますか?(下写真)
元株からは枝分かれするように新しい葉が展開しています。真夏は多肉植物にとって試練の季節です。
ただ、秋になれば一年でもっとも生長が盛んになる時期を迎えます。さらに、気温が下がってくると紅葉する姿も楽しめるのが多肉植物です。
挿し木から約10か月経過【2021/12/13】
冬の寒さでほぼ生長が止まり、真っ赤に紅葉しました。やはり、日当たりの良い場所に置くのが綺麗に紅葉させるコツですね。
元株はもちろん、挿し木で増やした茎もしっかりと根付いて紅葉しています。なんとか冬を越して春にはまた生長が旺盛になる生長期を迎えます。
「伸びたら切って挿す」を繰り返すだけで、簡単に増やすことができるのが多肉植物の魅力ですね。
まとめ
今回は、多肉植物の挿し木方法を画像付きでくわしくご紹介しました。
適期さえ間違わなければ想像以上に簡単に挿し木で増やすことができる多肉植物。今回の記事を参考に、ぜひ、多肉植物を挿し木で増やして楽しんでみてくださいね。
多肉植物の挿し木【手順】 1.適期は春先or秋 2.葉付きの茎をカット 3.下葉を取って土に挿しやすく調整 4.乾いた土に挿し穂を差す⇒腐敗の原因になるためすぐに水を与えない 5.差して10日ほど経過したら水を与える