日光不足が続くことで起こる「徒長(とちょう)」。徒長した多肉植物は茎ばかりが縦にひょろひょろと伸びてだらしない見た目になってしまいます。
すでに徒長し間延びした姿の多肉植物を元に戻すことはできません。
しかし、徒長した多肉植物を簡単に仕立て直す方法があります。
今回は、徒長してだらしなくなった多肉植物を仕立て直す簡単な方法を分かりやすく解説します。
徒長して見た目が乱れた多肉植物にお困りの方。多肉は基本、切って挿すだけで簡単に仕立て直せるよ。ぜひ試してみて。
徒長した多肉植物は、切り戻し+挿し木で仕立て直すのが簡単でおすすめ
多肉植物が徒長したら、「切り戻し+挿し木」で仕立て直すのが簡単+手っ取り早いです。
間延びした部分をカットするだけなので簡単な上、カットした茎を挿し木で育てることもできます。
切り戻しで仕立て直す方法⇐簡単でおすすめ!
茎が細くて長く伸びてしまった多肉植物には、茎の一部を切り戻すことが有効です。
- 茎が伸びすぎた部分を約3〜5センチ程度切り取ります。
- 切り取った部分よりも下に位置する健康な茎部分を残すことで、健康的な成長を促します。
- 主にセダムやクラッスラなど、茎が長い品種に対して有効な方法です。
切り取った茎を土に挿して発根させ、そのまま新たに育てることもできるよ。
挿し木で仕立て直す方法⇐簡単でおすすめ!
茎を切り取った多肉植物は、挿し木によって新たな植物を増やすことができます。具体的な手順は以下の通りです。
- 茎を切断した後、下部の葉を2〜3枚取り除きます。これによって土に埋もれた葉が腐ることを防ぎます。
- 茎を風通しの良い場所で約3日間乾燥させ、傷口を保護しながら発根を促します。茎を寝かせると変形しやすいため、ペットボトルなどを使用して立てた状態で乾燥させることをおすすめします。
- 茎が発根したら、新しい鉢に植え替えて成長させます。
胴切りで仕立て直す方法
茎が太い多肉植物に対しては、茎の健康な部分を残して胴切りを行います。具体的な手順は以下の通りです。
- 胴切りを行う前に、茎の切りやすさのために葉を取り除きます。取り除いた葉は、葉挿しで新しい植物を作ることもできます。
- 主にエケベリアやセンペルビウムなど、茎が太い品種に対して有効な方法です。
葉挿しで仕立て直す方法
茎だけでなく、下葉のみを使用して多肉植物を増やすことも可能です。ただし、葉挿しで育てる場合は大きくなるまで時間がかかります。
- 取り除いた下葉をよく乾燥させ、土の上に置いておくと、葉の付け根から発根します。
- 注意点として、葉を傷つけないように慎重に取り扱いましょう。葉を傷つけると成長が妨げられたり、腐ってしまう可能性があります。
茎や葉を活用した増やし方を組み合わせることで、効果的に多肉植物を増やすことができるよ。仕立て直しの過程で切り取った茎や葉を挿し木や葉挿しに利用して、新しい植物を増やすこともおすすめ。
徒長した多肉植物の仕立て直し方【手順】
それでは、すでに徒長した多肉植物を仕立て直す方法をご紹介します。
下写真は「恋心」という多肉植物です。葉と葉の間隔がのびて徒長気味ですね。
徒長しているためか、ホームセンターで半額で売られていました。
今回は、この恋心を「切り戻し」と「挿し木」で仕立て直していきましょう。
徒長した多肉植物の仕立て直し 手順①適期は春先か秋口
多肉植物の種類によっても異なりますが、切り戻しや挿し木で仕立て直すのに適しているのは春先or秋口です。
多くの多肉植物にとって、春と秋は生長が旺盛になります。
生長が盛んになる時期の少し手間に切り戻すことで、新しい葉が展開しやすくその後の生長も順調に進みます。
徒長した多肉植物の仕立て直し 手順②間延びしている部分をカット
徒長によって間延びした部分を清潔なハサミを使い、思い切ってカットします。
カットした茎を挿し木で発根させ仕立て直します。また、元株の方からもうまくいけば新芽が2つ出てきます。
徒長した多肉植物の仕立て直し 手順③下葉を取る
カットした茎は乾いた土に挿して発根させます。土に挿すときに邪魔になる下葉は指で軽くねじるようにするとポロっと取れます。
ちなみに、取り除いた葉は「葉挿し」で増やすこともできますよ。2週間ほどすれば葉の付け根から根っこが出てきます。
徒長した多肉植物の仕立て直し 手順④乾いた土に挿す
下葉を取り除いた茎を乾いた土に挿します。水はしばらく与えません。腐敗を防ぐためです。
多肉植物は葉に多くの水分を蓄えています。水は茎を土に挿して10日ほどしてから与えます。
徒長した多肉植物の仕立て直し 手順⑤4週間後
4週間程すると元株から脇芽が出てきます。できるだけ日当たりよく風通しのよい場所に置いて育てます。
水やりは土がしっかりと乾いてからです。
挿し木にした茎も4週間ほどすると発根し、触れると抵抗を感じるようになってきます。(下写真)
さらに、茎から取り除いた下葉からも発根します。こちらは乾いた土に置いておくとそのまま根付いて子株が出てきます。ただ、大きく生長するまでは1~2年はかかることが多いです。
徒長した多肉植物の仕立て直し 手順⑥半年後
手順ではありませんが、仕立て直してから約半年経過した姿が下写真です。茎が伸びるたびに切り戻して挿し木し、株が3つに増えました。
冬場のため、寒さで葉先が赤味がかっていますね。ポッと赤らむ姿が可愛い多肉植物です。
このように、徒長した多肉植物でも切って挿すだけで簡単に仕立て直すことが可能です。
増やすのも簡単な多肉植物。見るだけでなく、増やしながら仕立て直す楽しみもあるよ。
多肉植物が間延びする「徒長」とは?
多肉植物の徒長とは、茎が細く伸びて見た目が間延びした状態になる現象です。
徒長の主な原因は日照不足にあり
多肉植物が徒長する主な原因は日照不足になります。
十分な明るさがない環境では茎が光を求めて縦方向にばかり伸びてしまうのです。
また、過剰な水やりや肥料過多も徒長を引き起こす原因になります。特に過剰な水やりは茎を脆くし、徒長を引き起こすことがあります。
徒長を防ぐための対策
徒長を防ぐためには、以下の対策を行うことが重要です。
- 十分な光を確保する:多肉植物は明るい場所で育つため、日光の当たる場所に置くか、人工的な光源を利用します。
- 適切な水やりを行う:過剰な水やりは徒長を引き起こすので、土の表面が乾いてから水を与えます。
- 適度な肥料を与える:肥料は必要ですが、適量を守って与えることがポイントです。夏季に栄養補給を行い、冬季は控えめにします。
- 温度変化を避ける:多肉植物は温度変化に敏感ですので、安定した温度の環境を保つようにします。
よくある質問
Q1. 多肉植物の徒長を防ぐためには何をすればいいですか?
A1. 多肉植物の徒長を防ぐためには、十分な光を確保し、適切な水やりと肥料の管理を行うことが重要です。
Q2. 茎が長くなった多肉植物を元の形に戻す方法はありますか?
A2. 茎が長くなった多肉植物を元の形に戻すためには、茎の切り戻しや胴切りという方法を試すことができます。
Q3. 切断した多肉植物を挿し木にして増やす方法を教えてください。
A3. 切断した多肉植物を挿し木にするためには、茎や葉を乾燥させた後、乾いた土に挿し込んで発根させることがポイントです。
Q4. 多肉植物の徒長を防ぐためには光の明るさが重要ですか?
A4. はい、多肉植物の徒長を防ぐためには十分な明るさが重要です。光が不足する環境では茎が伸びる可能性があります。
多肉植物は観葉植物と違って、耐陰性がほとんど無い。だから室内に置きっぱなしだとどうしても徒長しやすくなる。室内管理なら南向きの窓際に置くことが最低条件。
まとめ
今回は、徒長した多肉植物の簡単な仕立て直し方をご紹介しました。
ひょろひょろになった多肉植物をみて諦めてしまう方も多いでしょう。しかし、寒さや乾燥に強く増やすのも簡単な多肉植物は、切り戻しや挿し木で簡単に仕立て直すことができます。
今回の記事を参考に、徒長してだらしなくなった多肉植物を切り戻しや挿し木で仕立て直してみてくださいね。
徒長した多肉植物の仕立て直し方【手順】
1.適期は春先か秋口
2.間延びした部分はカット
3.下葉を取る
4.カットした茎は乾いた土に挿す
5.直射日光を避けた半日陰で管理(徒長を防ぐためにも基本は屋外に置く)