多くの多肉植物は春と秋に生育が旺盛となる生育期を迎えますね。そして、意外と油断しがちなのが真夏のお手入れです。
「せっかく冬越しできたのに夏場に多肉植物をだめにしてしまった…」
このような方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、多肉植物の夏場のお手入れ方法についてくわしくご紹介します。
多肉植物 夏の管理はどうすべき?【水やりや置き場所など】
では、多肉植物の夏場の管理方法について詳しく見ていきましょう。今回は、水やりや置き場所を中心に解説します。
夏の多肉植物【水やり】
多くの多肉植物は春と秋に生育が旺盛になる生育期を迎えます。そのため、30度以上になる真夏は生長が緩慢になる休眠期です。
生育がほぼ止まるため、春と同じように水を与えていると、吸いきれずに残った水分が鉢内に長期間留まることとなります。
多肉植物は高温多湿によって大きなダメージを受けやすいです。高温多湿となる時期の水のやり過ぎは根腐れを招きます。(下写真)
夏場の水やりは極力控え、ほぼ断水気味に管理することで株を丈夫に保つことができます。
夏場の水やり【目安】
・気温が30度以上
⇒土がしっかりと乾いて3~4日経過してから土の表面が湿る程度に水を与える。
葉に水がかかる場合は底面吸水がよい。水を張った容器に鉢を沈め、鉢底から水分を吸収させることで、葉が水分で傷むのを防ぐ。
夏の多肉植物【置き場所】
夏場は高温となるため日光によって葉が焼ける「葉焼け」を起こしやすい時期です。
真夏だけは、直射日光を避け、できるだけ風通しのよい半日陰で管理します。30度以上になる時期は室内へ取り込むことも検討します。
高温期は直射日光によって葉焼けしやすいため気を付けましょう。(下写真)
葉焼けした部分は元に戻りません。葉焼けは見た目を悪くするだけでなく、葉焼けした箇所が増えることで株自体が弱って枯れてしまうこともあります。
葉焼けした部分は光合成ができなくなるからです。葉の異変に気付いたら早目に移動することで、葉焼けによる被害を最小限に抑えられます。
多肉植物 夏(約30度以上)の置き場所【目安】
・半日陰、あかるい日陰、日向のすぐ隣の日陰
・レースカーテン越しの日光
・こもれび(日光が当たったり当たっていなかったりする場所)
・移動が困難な場合は、遮光ネットや寒冷紗を使用する
・屋外が30~35度以上になる場合は室内への移動も検討(できるだけ明るく風通しのよい場所)
夏の多肉植物【肥料】
夏場は生育がほぼ止まる休眠期のため、基本的に肥料は不要です。
元気がないからといって、必要以上の水分や養分を与えていると、根を傷めて根腐れを招く原因に発展することもあります。
夏の多肉植物【植え替え】
夏場の植え替えはできるだけ避けます。株自体が高温と多湿によってストレスを受けているため、株の負担となる植え替えは適しません。
株が弱っている状態で植え替えると、葉が落ちてしまったり、根が張らずにそのまま枯れてしまったりする原因になります。
気温が落ち着く秋口まではできるだけ植え替えは控えます。
夏の多肉植物【挿し木、葉挿しなど】
夏場の多肉植物は生育が緩慢になっているため、挿し木や葉挿しが失敗しやすい傾向です。
下写真は真夏に挿し木で増やした多肉植物(エケベリア)です。一旦は発根したものの、真夏の高温多湿によるストレスで枯れてしまいました。
このように、梅雨時期や真夏は挿し木や挿し芽がうまく進みにくいです。このような事態を防ぐためにも、お気に入りの多肉植物を挿し木で増やすなら秋口まで待ちましょう。
あわせて読みたい「多肉植物の挿し木の方法を画像付きで分かりやすく解説します」はこちら
夏の多肉植物【注意すべき病害虫】
夏場は風通しが悪くなりやすいため病害虫に気を付けます。
多肉植物に付きやすい害虫は、カイガラムシ・アブラムシなどです。できるだけ風通しのよい場所で管理することで防ぐことが出来ます。
見つけたら早目に取り除いて駆除しましょう。
黒斑病が発生することもあります。黒斑病は葉に黒い斑点模様が出現する病気でカビの一種です。高温多湿となる時期に発生しやすい病気で、他の植物に移る可能性もあります。
まとめ
今回は、夏の多肉植物に関する管理方法をくわしくご紹介しました。
多肉植物は「暑いのが好きそう」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実は、冬以上に気を付けなければならないのが夏場です。
筆者自身も、冬よりも梅雨時期や真夏に多肉植物をだめにしてしまった経験が多くあります。
「できるだけ風通しのよい場所」「半日陰程度の柔らかい光が当たる場所」「ほぼ断水」
これらが多肉植物を丈夫に夏越しさせるポイントでしょう。特に、葉が重なってロゼット状に広がるエケベリアの仲間は根腐れを起こしやすい印象です。
今回の記事をご参考に、多肉植物を元気に夏越しさせてあげてください。
夏場の多肉植物【管理方法】
・水やり
⇒ほぼ断水
・置き場所
⇒直射日光を避けた半日陰。30~35度以上なら屋内への移動も検討。雨の当たらない風通しのよい場所。
・植え替え
⇒株への大きな負担となるため避ける
・挿し木、葉挿しなど
⇒根が張りにくく失敗しやすいため避ける
・気を付けるべき病害虫
⇒カイガラムシやアブラムシなどに注意。風通しよく管理することで防ぐ。
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