観葉植物を長く育てていく上で欠かせないのが鉢替えですね。今の鉢よりもひとまわり大きめの鉢植えに植え替える鉢替え。
ネットや園芸書などには、「根詰まりしたらひとまわり大きめの鉢に植え替えましょう」と記載されていることが多いです。
とはいえ、具体的に何を用意し、どんな手順で作業をすべきかイマイチ分からない…という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、観葉植物を鉢替えする方法を画像付きで分かりやすくご紹介します。
観葉植物を鉢替えする方法と手順を画像付きで分かりやすく解説!
まずは、準備するものです。
- ひとまわり大きめの鉢植え(今の鉢より直径プラス約3cmの鉢)
- 鉢底石
- 観葉植物用の土
- 使い古しの箸、割りばし等
観葉植物の鉢替え方法 手順①水やりを控えて鉢替えに備える
鉢替えの前は一週間ほど水やりを控えましょう。このようにすることで、鉢替え作業がしやすくなるだけでなく、鉢替え後の根腐れを防ぐこともできます。
また、乾燥した状態の方が鉢替えの際に根を傷めにくいです。
観葉植物を鉢替えするタイミングとは?
2年以上鉢替えをしていない場合や、鉢底から根がはみ出ている場合、土の劣化や根詰まりによって鉢内の排水性が低下していると考えられます。
▲根詰まりによって鉢底から根がはみ出ている様子
根詰まりに気付いたら、春から秋にかけての暖かい時期に鉢替えを検討しましょう。鉢替えは植物にとって大きな負担となります。
そのため、鉢替えは根に傷がついても回復が見込める生育期(春から秋にかけて)に実施します。
観葉植物の多くが熱帯原産ですね。寒さの厳しい冬場はどうしても弱りやすいです。鉢替えは植物にとって大きなストレスとなります。
冬場の鉢替えは株を弱らせる原因になりやすいため避けた方が無難でしょう。
あわせて読みたい「観葉植物の鉢替えのタイミング【根詰まりのサインとは?】」はこちら
観葉植物の鉢替え方法 手順②鉢底石を入れ、その上から用土を約1/3入れる
新しい鉢に鉢底石を入れます。鉢底穴が見えなくなる程度に敷けばokです。
鉢底穴が大きい場合は、鉢底に鉢底ネットを敷いてもよいでしょう。鉢底ネットを使用することで、虫の侵入を防ぐこともできます。
▲鉢底ネットは100円ショップでも売ってます
鉢底石を敷くことで鉢内の排水性を確保することができます。特に、水はけのよい環境を好む多くの観葉植物にとって鉢底石は必須です。
また、やや深さのある鉢の場合、鉢底石を多めに入れることで鉢内の排水性を確保することもできます。
次に、鉢底石の上から用土を入れます。鉢の深さに対して約1/3ほどまで入れておきましょう。
▲サイドに切れ込みの入った「スリット鉢」の場合は鉢底石は基本的に不要
例:サイズ(直径)は丁度いいけど少し深すぎる鉢の場合⇒鉢底石を多めに入れることでその植物に適した環境に整えることができる
何度も鉢替えするのは面倒…いきなり大きな鉢に替えてもok?
「何度も鉢替えするのは面倒…。大きめの鉢に植え替えた方がその後の手間も省けるのでは?」
このように思われる方も多いかもしれません。しかし、大きすぎる鉢に植え替えることで、水やりの管理が難しくなるのですね。
例えば水やり後、株の大きさに見合わない大きすぎる鉢の場合、根が吸いきれない程の水分が鉢内に停滞することとなります。
その結果、長い期間、鉢内の高湿状態が続くことで根が呼吸できずに傷む「根腐れ」を起こすリスクが高まるのです。
植物のスムーズな生長のためにも、鉢替えの際にはひとまわり大きめの鉢をチョイスするのが基本になります。
観葉植物の鉢替え方法 手順③鉢から株を取り出す
新しい鉢の準備ができたら、いよいよ今の鉢から観葉植物を取り出しましょう。株に負担をかけないためにも、作業は直射日光の当たらない日陰でおこないます。
鉢からなかなか植物が取り出せない時はどうすべき?
- 薄手のプラスチック鉢やビニールポットの場合…鉢の下部分を押し上げるように揉む(押す)
- 陶器鉢や素焼き鉢などの場合…鉢を横に倒し鉢の側面をこぶしで軽く叩いて振動を与える、鉢の縁を下から上に叩くようにする、鉢底から割りばし等を差し込み押し上げる、等
下写真のように鉢底から根がはみ出てなかなか取り出せない場合は、はみ出た根をカットしてもよい。
観葉植物の鉢替え方法 手順④根鉢を崩し古い土や傷んだ根を取り除く
鉢から取り出した株の根鉢を崩していきましょう。根鉢(ねばち)とは、土と根の塊のことをいいます。根鉢全体の約1/3ほぐれたらokです。
▲根鉢(ねばち)
根詰まりを起こしている観葉植物の根鉢は割りばしや使い古しのお箸などを使い、軽くつつきながらほぐしていきます。
鉢底石や鉢底ネット、古い土や傷んだ根など取り除いていきます。
根鉢はどれくらい崩せばいいの?
鉢替え適期(春から秋の暖かい時期が基本)であれば、できる限り古い土を取り除いておきます。
▲黒く傷んだ根っこ
また、見るからに黒く傷んだ根は清潔なハサミでカットしておきましょう。(上写真)
上写真のように根鉢がカチコチに固まっている場合、根鉢上部の肩土を軽くほぐしておくと新しい土に馴染みやすくなります。
▲肩土は根鉢の上部分をさす
この時に気を付けたいのが、手で根を無理に引っ張るのではなく、根鉢を「もむ」ようにして「ほぐす」ということ。無理に引っ張ると根を傷め過ぎてしまうからです。
さらに、できれば根鉢の下部分(底部分)もほぐしておきます。カチコチでほぐせない場合は、根鉢の底を清潔な剪定はさみで深さ1cmほど十字に切れ込みを入れ、やさしくほぐすようにします。
観葉植物の鉢替え方法 手順⑤新しい鉢に株を配置、高さと位置を調整
根鉢が1/3程度ほぐれたら新しい鉢へ配置し、株の位置と高さを調整します。底に敷いた土の量を調節しつつ、植え付ける位置を決めましょう。
ウォータースペースを確保しよう
土は鉢の縁から下2~3cm程度まで入れます。鉢スレスレまで土を入れてしまうと、水やりの際に土が鉢から流出してしまうからです。
このスペースのことを「ウォータースペース」といいます。
観葉植物の鉢替え方法 手順⑥残りの用土を入れる
鉢と株の隙間に残りの用土を入れ込みます。鉢内に余計な空間ができると根がしっかりと生長できません。
そのため、割りばし等で軽くつつきながら用土がしっかりと行き渡るようにして作業を進めます。
ときどき鉢を持ち上げて、床にトントンと叩きつけるのもよいでしょう。このようにすることで、振動で用土を鉢内に行き渡らせることができます。
室内管理がメインとなる観葉植物には室内向けの土もおすすめ
観葉植物の多くが熱帯地方が原産のため寒さが苦手です。そのため、秋から冬にかけては室内での管理がメインとなります。
もちろん、一年をとおして室内管理が中心という方も多いでしょう。
その場合におすすめなのが「室内向けの土」です。この土はコバエやキノコの原因のひとつとされる堆肥(たいひ)を使用していないため、室内でも清潔に植物を管理することができます。
ホームセンターや園芸店などで購入できるので、気になる方はぜひ探してみてくださいね。
観葉植物の鉢替え方法 手順⑦たっぷりと水を与える
最後にたっぷりと水を与えましょう。土全体に水を行き渡らせることで、根がしっかりと張ることができます。
できれば鉢底から出てくる水が透明近くなるまで与えるのがよいでしょう。
たっぷりと水を与える理由は?
水が透明近くなるまで与える理由は、あらかじめ、土の汚れを流しておくことで、水やりの度に受け皿が汚れるのを防ぐことができるからです。
観葉植物の鉢替え方法 手順⑧直射日光をさけた半日陰に置いて養生
鉢替え後の観葉植物は、人間でいうと手術直後のような状態です。
いきなり直射日光に当てることは、手術後に即・肉体労働をさせるようなものです。そのため、少なくとも5日程度は強光を避けた半日陰で休ませましょう。
できるだけ風通しのよい場所に置いて養生させます。
植え替えから約1か月経過した様子
株に触れて抵抗を感じるようになればしっかりと新しい土に根付いた証拠です。徐々に通常の管理に移行しましょう。
鉢替えの失敗を防ぐ最大のポイントは「適期におこなう」ことです。気温が低い時期の鉢替えは、株を弱らせてしまうことにもつながります。それでは元も子もありませんね。
それぞれの観葉植物に応じた鉢替えの適期を再確認した上で実施しましょう。
あわせて読みたい「100均の観葉植物を大きく育てる方法を徹底解説します!」はこちら
まとめ
今回は、観葉植物の鉢替え方法を画像付きでくわしくご紹介しました。
鉢替えの失敗を防ぐコツは「適期におこなうこと」「いきなり大きすぎる鉢に植え替えないこと」「鉢替え後は十分に休ませること」などです。
これらのポイントを抑え、観葉植物の鉢替えにチャレンジしてみてくださいね。
観葉植物の鉢替え方法【手順】
- 水やりを控えて鉢替えに備える
- 鉢底石、用土を1/3ほどまで入れる
- 鉢から株を取り出す
- 根鉢を崩し、古い土や傷んだ根を取り除く
- 新しい鉢に株を配置、位置と高さを調整
- 残りの用土を入れる
- たっぷりと水やり
- 直射日光を避けた半日陰で休ませる
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