ハオルチアに水やりして3日以上経ってるのに葉が膨らまない…。もしかして根腐れ?
水やりして7日以上経ってるのに土が湿ったまま…。根腐れが疑われるけど、水を控える以外に何をどう対処すればいいわけ?
多肉植物についてまわりがちなトラブル「根腐れ」。もちろんハオルチアも例外ではありません。
とはいえ、根腐れの具体的な症状や対処法などについてはイマイチ分からない…という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ハオルチアが根腐れした時の症状から対処法、根腐れを防ぐポイントまでをお届けします。
この記事を読めば、
- ハオルチアが根腐れしたときの症状
- ハオルチアが根腐れしたときの対処法【基本の方法】
- ハオルチアが根腐れしたときの対処法【春・秋なら胴切りもおすすめ】
- ハオルチアが根腐れする原因とは?
- 根腐れ防止!ハオルチアを長く育てるコツ
が分かるよ!
ハオルチアが根腐れしたときの症状
ハオルチアが根腐れしたときの症状には以下のようなものがあります。
ハオルチアが根腐れしたときの症状①水やりして5日以上経っても葉が膨らまない
水やり後、5日以上経っても葉が膨らまなかったり、土が湿ったままだったりする場合、根が水分を吸い上げられない状況であると考えられます。
「根が水分を吸い上げられない状況」はいくつか考えられますが、そのひとつが根腐れです。
寒さ(10~15度以下)・根詰まり・光線不足・風通し不足なども、根がうまく機能しない原因になるんだ。
ハオルチアが根腐れしたときの症状②株がグラグラして不安定
ハオルチアに触れて株がぐらぐら不安定で、根がしっかりと張っている感じがしない場合、根腐れを起こしている可能性が高いです。
元気なハオルチアであれば太く頑丈な根を持つため、少し触れたくらいでぐらぐら不安定に揺れることはありません。
株が不安定にグラつく場合、根が何らかのダメージを受けていると考えられるよ。
ハオルチアが根腐れしたときの症状③葉や茎がぶよぶよ、かび臭い
根腐れはその名のとおり根が腐敗するトラブルのことです。
そして、根腐れを放置していると腐敗は根から地上部へと拡がっていきます。
葉や茎がぶよぶよと崩れ、さらに土がかび臭いという場合、根腐れがかなり進行した状況にあると考えられます。
根腐れした場合でも、まだ硬い茎や葉が残っていれば復活させることは可能だよ。早い段階で対処することで、被害を最小限に抑えられるんだ。
ハオルチアが根腐れしたときの対処法【基本の方法】
根腐れの程度や管理環境などによっても対処方法は異なりますが、基本は以下のような対処が必要になります。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順①土を乾かす
可能であれば土を乾燥させておきます。
土を乾かし気味にしておくことで、作業がスムーズになるだけでなく、根への負担も最小限に抑えることが可能です。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順②鉢から取り出す
鉢か株を取り出して根の状態を確認します。
夏ならできるだけ涼しい時間帯、冬ならできるだけ暖かい場所で作業します。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順③傷んだ根を取り除く
黒く傷んだ根があれば取り除きます。傷んだ根と健康な根の見分け方は以下の通りです。
- 健康な根っこ…白くて太く、弾力がある
- 傷んだ根っこ…黒っぽくてスカスカ、脆い、少し触れるとボロボロ落ちる
傷んだ根っこをそのままにしておくと、土の中で腐敗が拡がってしまうことが多い。悪さする前に取り除いておこう。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順④清潔な土で植え付ける
傷んだ根を取り除いたら、水はけの良い清潔な土で植え付けます。
根が少なくなった場合、これまでよりも少し小さめの鉢を使うのがおすすめです。
乾湿のメリハリがつきやすい環境を用意してね。いつまでも土が湿ったままだとまた腐ることが多い。鉢は通気性に優れる素焼き鉢やスリット鉢がおすすめ。根が生えるまではストレスを最小限に抑えよう。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順⑤発根を待つ
▲植え替え直後
直射日光を避けた明るく風通しの良い場所で発根を待ちます。
うまくいけば14日ほどで発根し、少しずつ葉にハリが戻ってきます。
▲植え替えから約8か月後
極端な暑さや寒さに晒される夏と冬は発根しにくい…。ただ、できるだけ心地よい環境(20度前後)を用意してやることで、復活の可能性もゼロではないよ!
ハオルチアが根腐れしたときの対処法【春・秋なら胴切りもおすすめ】
ハオルチアの根腐れに気付いたのが春・秋の場合、胴切りで仕立て直すのもおすすめの方法です。
胴切りとはその名のとおり、胴部分を切り取って発根し新たに育て直す方法なんだ。株に大きな負担がかかるから、やるなら生育がさかんな春・秋が適しているよ。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順①土を乾かしておく
胴切り前数日は水遣りを控え、土を乾かし気味にしておきます。
葉がパンパンに膨らんでいると胴切りの際、作業がしにくくなるからです。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順②テグスを滑り込ませる
元株の葉を3~4枚ほど残し、葉の隙間にテグスを滑り込ませるようにして巻き付けます。
テグスがなければミシン糸でも構いません。切れ味が良く、清潔であることがポイントです。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順③クロスさせ切り取る
滑り込ませたテグスは手元でクロスさせ、そのまま絞り切るようにして茎をカットします。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順④断面が黒い場合は切り取っておく
切り取ったハオルチアの茎の断面を確認し、黒っぽくなっている場合は刃物を使って取り除いておきます。
このとき使う刃物は火にあぶって殺菌しておきます。
すこしずつスライスするように切り取って、黒く傷んだ部分を取り除いておこう。傷んだ部分を残してしまうと、そこからまた腐敗が拡がることも多いんだ。怪我には十分気を付けてね。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順⑤清潔な土に挿す
切り取ったハオルチアは乾いた土に挿して発根を待ちます。
水やりは10日ほど経ってからにしましょう。すぐに水遣りすると切り口が腐ってしまう恐れがあるためです。
ハオルチアが根腐れした時の対処法 手順⑥直射日光を避けた明るい場所で管理
うまくいけば14日ほどで発根します。株に触れて抵抗を感じるようになれば発根したサインです。
ちなみに、元株は鉢から取り出し傷んだ根を取り除いてから清潔な土に植え替えます。
うまく根付けば複数の子株が出てきますよ。(下写真)
茎を挿す土は清潔で水はけのよい、養分を含まないものを使ってね。市販品だと「種蒔き・挿し木の土」。なければ、バーミキュライトや赤玉土でもok。十分に発根したら多肉植物用の土に植え替えよう。ハオルチアは直根性植物だから、鉢は深さのある細長いフォルムのものを。
ハオルチアが根腐れする原因とは?
ハオルチアが根腐れを起こす原因には以下のようなものがあります。
ハオルチアが根腐れする原因①水のやりすぎ
ハオルチアの水やりは、土が乾いたらおこなうのが基本です。
ハオルチアは多肉質な葉に沢山の水分を蓄えています。そのため、高温多湿が苦手です。
水やりは「〇日に1回」などと決めず、土の乾き具合を見てタイミングを決めましょう。
ただし、水やりのタイミングは時期によっても微妙に異なるよ。ハオルチアの水やりについては以下記事も参考にしてみてね。
ハオルチアが根腐れする原因②高温
ハオルチアの生育適温は15度~20度ほどです。極端な暑さに晒される夏は生育が鈍ります。
また、土が沢山の水分を含んだ状態で高温に晒されると鉢内が煮え、根がダメージを受けて腐ってしまう恐れもあります。
夏は直射日光と高温に注意。水やり後の鉢を熱くなった床面に直接置くのも避けて。
ハオルチアが根腐れする原因③寒さ(10度以下)
ハオルチアはエケベリアやセダムなどに比べると寒さに強くありません。
耐えられる寒さは5度程度までですが、10度以下の寒さに当たり続けていると徐々に根が傷み、根腐れを起こすリスクが高まります。
寒くなってきたら根が水分を吸い上げる力も弱くなるよ。暖かい時期と同じような水やりをしていると根腐れを起こしやすいから、季節の変わり目は注意。
ハオルチアが根腐れする原因④根詰まり、土の劣化
ハオルチアを2年以上植え替えていない場合、鉢の中が根でぎゅうぎゅう詰めになって水はけが悪くなっていることがあります。
また、土は経年によって粒が崩れ団子状に固まります。水はけが悪くなった土は蒸れやすく、根腐れを引き起こす原因にもなります。
根腐れを防ぐためにも、ハオルチアには1年~2年に1回の植え替えが必要なんだね。植え替えの適期は春。水はけの良い清潔な土を使おう。
ハオルチアが根腐れする原因⑤蒸れ
ハオルチアは蒸れに弱い植物です。そのため、株回りが蒸れやすい梅雨時期は要注意。
根腐れのリスクが高まります。できるだけ風通しの良い場所で管理することが大事です。
風通しが悪いと株回りが蒸れやすくなるよ。室内ならサーキュレーターをまわして空気の流れを作りだそう。ちなみに筆者宅では、ほぼ一年中サーキュレーターを回しっぱなし!根腐れはもちろん、害虫やカビ予防にも効果的だよ。
根腐れ防止!ハオルチアを長く育てるポイント
ハオルチアを長く育てたいなら以下のポイントを押さえておきましょう。
長生きのポイント①室内なら南~東向きの窓際に置く
ハオルチアを室内で育てるなら、日当たり・風通しを確保できる南~東向きの窓際に置くのが基本です。
同じ室内であっても壁際や部屋の隅、陰になる場所にハオルチアを置いているとアッという間に徒長し、株が弱って根腐れのリスクも高まります。
長生きのポイント②水遣りは土が乾いたタイミングでおこなうのが基本
ハオルチアの水やりは土が乾いてから行うのが基本です。
大事に思うあまり、毎日水やりしているとあっという間に根が傷んで根腐れを起こします。
地上部と同じように根も呼吸しているため、土が湿ったままでは窒息してしまうのです。
長生きのポイント③1~2年に1回の植え替えで土を更新
ハオルチアを長生きさせたいなら、1年~2年に1回は植え替えをしましょう。
植え替えは根詰まりを解消するためだけのものではありません。
古くなって粒が崩れた土は水はけが悪くなります。水はけの悪い土は根を傷めます。
長生きのポイント④室内ならサーキュレーター必須
屋外に比べると室内はほぼ無風。窓を閉め切る時期は絶望的です。
サーキュレーターを使うことで空気循環を良くし、根腐れを防ぐとともに光合成もサポートします。
1日に1回は窓を開けて空気の入れ替えをすることも忘れずに。
よくある質問
ハオルチアはハイドロカルチャーで育てられる?
育てられないことはないですが、個人的にはおすすめしません。
ハオルチアを長く育てていくなら、鉢底穴が開いた容器で排水性・保水性に優れる団粒構造の用土で育てるのがおすすめです。
また、水耕栽培の場合、どうしても日照の面で制限がかかります。ハオルチアの場合、窓から離れた場所だとどうしても徒長を起こしやすいです。
筆者は以前、ハオルチアの水耕栽培に挑戦したことがあるよ。結果は、徒長しまくってうまくいかなかった…。無理ではないと思うけど、多肉植物をハイドロカルチャーで育てるのはかなり難しいよ。
ゼオライトは用土として使ってもいいの?
ゼオライトはあくまで根腐れ防止剤として、土に混ぜ込むようにして使うのがおすすめです。
もちろん、ハイドロカルチャー用土としてゼオライトのみで植え付けられたものも存在します。
ただ、個人的にはゼオライトのみでハオルチアを育てるのはおすすめしません。長く育てていきたいならなおさらです。
根が張らないときはどうすればいい?
根が張らない原因はいくつかあります。
- 寒すぎる、暑すぎる
- 株自体が弱っている
- 土が硬い
株の状態をよく観察し、適切な時期に適切に対処することが大事です。
水を与えて5日以上経っても葉が膨らまない…
寒すぎるか根腐れが疑われます。しばらくは水遣りを控え、明るく風通しの良い場所で様子を見守りましょう。
7日以上経っても土が湿ったままなら鉢から取り出し、根の状態を確認します。
黒く傷んだ根があれば取り除き、少し小さめの鉢に植え付けて新しい根が出るのを待ちます。
水はけの良い清潔な土、かつ養分を含まない無機質な土を使ってね。バーミキュライトや赤玉土(小粒)なんかがおすすめ。
冬に根腐れを起こしたらどうすればいい?
冬は寒さや水のやりすぎ、日照時間の減少などによって根腐れを起こしやすい時期です。
根腐れが疑われる場合は、できるだけ暖かい場所で腐った根を取り除きます。
その後は新しい根が張るまで、できるだけ暖かい環境を用意して管理を続けます。
ハオルチアを元気に保つなら、冬でも最低10度は保つこと。理想は15度以下にならないようにすること!
まとめ
- ハオルチアが根腐れしたときによくある症状は「水やり後、5日以上経っても葉が膨らまない」「株がぐらぐらして不安定」「かび臭い、ぶよぶよする」などがある
- ハオルチアが根腐れしたときの対処法には「腐った根を取り除く」「胴切りで仕立て直す」などがある
- ハオルチアが根腐れする原因は多湿、寒さ、高温、蒸れ、土の劣化・根詰まりなどがある
水やりのタイミングは時期や日照条件、風通し、気温、湿度、使っている土や鉢の素材などによっても異なるよ。もちろん、室内か屋外かでも大きく異なる。室内に比べて屋外は風通し・日当たりが良く、土が乾く速度も速い傾向。