100均のハイドロボールって、多肉植物にも使えるの?
多肉植物を育てている方の中には、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
今回は、多肉植物をハイドロボールで育てる方法と注意点などについて紹介します。
多肉植物は100均のハイドロボールでも育つ?
結論から申し上げると、多肉植物は100均のハイドロボールでも育てることが可能です。
ただ、その際は以下のポイントに注意しましょう。
窓際は避けた方が無難
多肉植物は日光を必要としますが、直射日光が当たりすぎると容器内の水温が上昇し根が傷む恐れがあります。
ハイドロカルチャーでは、室内の明るい場所や日陰が適しています。気温の変動の大きい窓際は避けるべきです。
風通しの良い場所に置くことで湿度を調整し、多肉植物の健康を保つことができます。
水やりは水位が底をついてから
ハイドロカルチャーでは、鉢の底に水を溜めて植物を育てるため、水やりのタイミングと量に注意が必要です。
水やりは容器内の水位が底をついてさらに2〜3日経ってから水を足すことで、根腐れを防ぐことができます。
多肉植物に合うハイドロカルチャー用土の種類と選び方
多肉植物をハイドロカルチャーで育てる場合、適切なハイドロカルチャー用土を選ぶことが重要です。
ここでは、多肉植物に合うとされる「ハイドロボール(小粒)」と「ウォーターサンド」というハイドロボールを紹介します。
多肉植物におすすめのハイドロカルチャー用土①ハイドロボール
多肉植物に適したハイドロカルチャー用土のひとつがハイドロボールです。
ハイドロボールは粘土をボール状に丸めて高温で焼き上げ発砲させた資材で、土ではなく人工的な石です。
- 通気性が良く、根の酸欠状態を防ぎます。
- 水はけが良いため、根腐れのリスクを低減します。
- 多肉植物が好む乾燥度を保つことができます。
ハイドロボールを使用することで、ハイドロカルチャーで多肉植物を育てる際の根腐れのリスクを低減することができます。
多肉植物におすすめのハイドロカルチャー用土②ウォーターサンド
ウォーターサンドも多肉植物に適したハイドロカルチャー用土の一つです。
ウォーターサンドはセラミックで作られた資材。多孔質なスポンジ構造なので吸水性・保水性・通気性に優れます。
- 通気性に優れ、根が酸欠状態になりにくいです。
- 水はけが良いため、根腐れの心配が少ないです。
- 軽量で持ち運びや位置の変更が簡単です。
ウォーターサンドは軽量なので、多肉植物を持ち運びたい場合や植物の位置を頻繁に変えたい場合にも便利です。
ハイドロカルチャー用土の選び方のポイント
ハイドロカルチャー用土を選ぶ際のポイントを以下にまとめます。
- 通気性: 多肉植物にとって根の通気性は重要なので、通気性の良いハイドロカルチャー用土を選びましょう。
- 水はけ: 多肉植物は水を好まないので、水はけの良いハイドロカルチャー用土を選ぶことで根腐れのリスクを低減できます。
- 耐久性: 長期間使用することを考えると、耐久性のあるハイドロカルチャー用土を選びましょう。
- 取り扱いの容易さ: ハイドロカルチャー用土の取り扱いが簡単であることも重要です。持ち運びや取り換えが簡便であれば、育てるのがより簡単になります。
おすすめはダイソーの「ハイドロボール・小粒」。小粒の方が株が安定しやすくて初心者でも扱いやすいよ(上写真)。なんといっても100円だから手軽に挑戦できるのが良い!
多肉植物のハイドロボールへの植え替え方法と準備するもの
多肉植物をハイドロカルチャー用土に植え替える際には、準備するものや手順に注意が必要です。
以下に、多肉植物をハイドロボールに植え替える方法と必要な準備を詳しく説明します。
準備するもの
多肉植物をハイドロボールに植え替える際には次のものを準備しましょう。
- 多肉植物の株(カットした茎を挿す場合は春または秋に実施)
- 多肉植物を植える容器(透明のものがベスト)
- ハイドロカルチャー用土
- あれば根腐れ防止剤(ミリオンAやゼオライトなど)
容器には透明でガラス製などを選ぶと、水の量を視覚的に確認しやすく、インテリアとしても素敵です。
また、ハイドロボール以外にも人工石(ゼオライトなど)を根腐れ防止剤として使用することがあります。
多肉植物をハイドロカルチャーへ植え替える 手順①ハイドロボールの洗浄
事前にハイドロボールをバケツなどに入れて洗います。汚れが付着している場合もあるため、洗浄が必要です。
多肉植物をハイドロカルチャーへ植え替える 手順②土を落す
多肉植物の株を取り出します。根付きがある場合は、バケツに入れて土を洗い流します。
多肉植物をハイドロカルチャーへ植え替える 手順③根腐れ防止剤を入れる
容器の底が見えなくなる程度まで、根腐れ防止剤を入れます。
多肉植物をハイドロカルチャーへ植え替える 手順④ハイドロボールを入れる
容器の1/3程度までハイドロボールを入れます。
多肉植物をハイドロカルチャーへ植え替える 手順⑤植え付ける
多肉植物の株を容器に植え、ハイドロボールを縁まで入れます。
ピンセットなどを使い、押しながら慎重に行うと良いでしょう。
多肉植物をハイドロカルチャーへ植え替える 手順⑥水を足す
容器の高さに対して、1/5程度の水を注ぎます。容器に入れる水の量は高さに対して1/5程度にすることが重要です。
多肉植物をハイドロカルチャーへ植え替える 手順⑦直射日光を避けた明るい場所で管理
以上が、多肉植物をハイドロボールに植え替える際の準備するものや手順です。
これらの手順を守りながら、多肉植物をハイドロボールに植え替えましょう。
100均のハイドロボールで多肉植物を育てるメリット
ハイドロカルチャーで多肉植物を育てることには、以下のようなメリットがあります。
清潔さと見た目の美しさ
多肉植物をハイドロカルチャーで育てると、土を使わないため、虫が寄りにくく、臭いも気になりません。
また、ハイドロボールなどの人工石を使用することで、デザイン性の高い鉢や容器で多肉植物を楽しむことができます。
手入れのしやすさ
ハイドロカルチャーで多肉植物を育てる場合、水やりは必要最低限で済ませられます。
生育がゆっくりなため、水遣りは容器内の水位が底を付いてさらに2~3日経ってからでok。
室内でも清潔に多肉植物を育てることができます。
100均のハイドロボールで多肉植物を育てるデメリット
ハイドロカルチャーは多くのメリットがありますがデメリットも存在します。
ただ、デメリットは適切な対策を講じることでリスクを最小限に抑えることができます。
多肉植物の成長が制限されるデメリット
ハイドロカルチャー用土と水で多肉植物を育てると、土で育てた場合よりも養分が少なくなり、どうしても成長が制限されるというデメリットがあります。
また、観葉植物と違い多肉植物は耐陰性が殆どありません。つまり、多肉植物は日光が不足すると徒長を起こしやすいです。
多肉植物にとって決して最適な栽培環境とは言えないのがハイドロカルチャー。
ハイドロカルチャーで多肉植物を栽培するデメリットを軽減する有効な方法は?
正直、デメリットを解消する有効な方法はありません。
ハイドロカルチャーで多肉植物を長く丈夫に育て続けることは非常に難しいです。
「短期間でも室内で清潔に多肉植物を楽しむ」と割り切る必要もあります。
ただ、根腐れ防止剤を使用することで根の腐敗を防いで長持ちさせることはできます。
多肉植物に限らずハイドロカルチャーで株を充実させるのは難しい…。どうしても弱々しい姿になってしまう。肥料を与えたとしても土での栽培のようにはなかなかうまくいかない。ただ、衛生面には優れているよ。見た目も涼し気で綺麗。
根腐れ防止剤とは?
根腐れ防止剤は、容器内の不純物を吸いつけて水を清潔に保ち、根腐れを防いでくれる資材です。
根腐れ防止剤には「ミリオンA」「ゼオライト」などがありますが、筆者のおすすめは「ミリオンA」。
あらかじめ容器の底に敷いておくことで根腐れを防ぎ、同時にミネラル補給もしてくれます。
すでに植えこまれている場合は株元に撒くだけでも構いません。
花瓶の底に入れて置けば水も切り口も腐りにくくなり、切り花を長持ちさせることができます。
ハイドロカルチャー用の鉢の選び方のポイント
ハイドロカルチャーを行う際には適切な鉢の選び方が重要です。以下にハイドロカルチャー用の鉢を選ぶ際のポイントをまとめました。
- 底穴がない鉢を選びましょう。ハイドロカルチャーは水耕栽培なので、底穴のない鉢を使用します。
- 透明な鉢を選びましょう。透明な鉢を使用することで、水の管理や根の状態を視覚的に確認することができます。
- 中身が見えない鉢の場合は、水位計の設置をおすすめします。水位計を利用することで、適切な水やりのタイミングを把握することができます。
多肉植物のハイドロカルチャー育成の注意点
多肉植物をハイドロカルチャーで育てる場合には、以下の注意点に留意する必要があります。
- 適切な水やりと肥料の与え方を把握しましょう。水分管理と栄養補給が重要です。水を足すのは水位が底を付いてからが基本です。
- 風通しの良い明るい場所での育成が好ましいです。直射日光を避け、水温の上昇にも注意が必要なので、窓際よりは窓から1~2m離れた明るい場所が最適です。
- 定期的な水の交換を行いましょう。これにより菌の繁殖を防ぐことができます。根腐れ防止剤を容器の底に敷いておくことで水をきれいに保つことも可能です。
これらのポイントに留意しながら、ハイドロカルチャーで多肉植物を育てる際のデメリットを最小限に抑えることができます。
デメリットを解消する対策を講じながら、多肉植物を健康に育てましょう。
多肉植物とハイドロボールについてよくある質問
多肉植物をハイドロカルチャーで栽培する際によくある質問をまとめてみました。
Q1: ハイドロカルチャーで多肉植物を育てる際に注意すべき点はありますか?
A1: 水やりのタイミングと量に注意しましょう。鉢の水がなくなってから2〜3日経過後に水を与え、水の量は鉢の底から約1cmまで注ぎます。
Q2: ハイドロカルチャーに適した肥料はどのようなものですか?
A2: 生育期には希釈した液体肥料を1ヶ月に1度程度与えるのがよいでしょう。休眠期には肥料は不要です。ただ、個人的にはハイドロカルチャーへの肥料はあまりおすすめしません。なぜなら、肥料を欲するほど光合成がさかんにできる環境にないからです。どうしても与えたいなら、水耕栽培用の活力剤を利用してみるのがおすすめです。
Q3: 多肉植物をハイドロボールに植え替える際、どのような準備が必要ですか?
A3: 植え替えには多肉植物の株、ハイドロボール、根腐れ防止剤、容器などが必要です。また、バケツやピンセットがあると作業がスムーズに進められます。
Q4: 多肉植物をハイドロカルチャーで育てる際、置き場所には何を考慮すべきですか?
A4: 多肉植物は日光を必要としますが、直射日光が当たりすぎると容器内の水温が上昇し根を傷めやすいです。窓際を避けた明るく風通しの良い場所が適しています。ちなみに筆者の場合は窓から1.5mほど離れた食卓テーブルの上に置いていることが多いです。土を使わないハイドロカルチャーなら室内でも清潔に楽しめます。
多肉植物は100均のハイドロボールでも育つ?【まとめ】
ハイドロカルチャーは観葉植物を育てる方法として知られていますが、工夫次第で多肉植物を育てることも可能です。
ハイドロカルチャーなら清潔さと見た目の美しさ、手入れのしやすさが得られます。
もちろんデメリットも存在しますが、適切な対策を取ることでリスクを最小限に抑えることもできます。
ハイドロカルチャーで多肉植物を育てる際には、今回ご紹介したポイントを意識して管理してみてください。