形の崩れたサボテンを胴切りで仕立て直したいけど、手順やその後の管理がイマイチ分からない…。失敗を防ぐにはどうすればいいの?
サボテンを長く育てていると、根腐れや徒長などといったトラブルに遭遇しがちです。
そんな時でも、早い段階で「胴切り」すれば仕立て直すことができます。
とはいえ、サボテンを輪切りにするとなると失敗しないか心配ですよね。
そこで今回は、サボテンを胴切りで仕立て直すのに適した時期や手順、カット後の管理方法や経過などについてまとめてみました。
この記事を読めば、
- サボテンの胴切りに適した時期
- サボテンを胴切りで仕立て直す方法【手順】
- サボテンの胴切り後の管理方法
- サボテンを胴切りするのはどんな時?
- 実際にやってみた!サボテンの胴切りその後の経過レポート
が分かるよ!
サボテンの胴切りに適した時期
サボテンの胴切りに適しているのは春
サボテンの胴切りに適した時期は、生育が盛んになり始める春です。
秋でも構いませんが、春の方がより長く生育期間を設けることができます。
梅雨~夏、冬は避けて
サボテンを胴切りする際に避けるべき時期は、梅雨~夏・冬です。
サボテンは高温多湿に弱いため、梅雨~夏に胴切りした場合、そのまま弱ってしまったり、カビが生えてしまったりしやすいです。
冬は寒さによって生育が鈍るため、胴切り後の経過に不安が残ります。
地域によっても異なるけど、4月~5月くらいがおすすめ。天気予報の最低気温が15度を超えるくらいのタイミングが胴切りのベスト。
サボテンを胴切りで仕立て直す方法【手順】
準備するもの
- 殺菌剤(オーソサイド等)
- 切れ味の良い刃物
- トングや新聞紙
手順①カット
育て直したい部分をカットします。消毒した清潔な刃物を使ってください。
根腐れが疑われる場合は、茶色く腐った部分を切り落としておきます。
上写真のように断面が白っぽいのが理想。茶色く腐った部分が少しでも残っていると、そこから腐敗が拡がる恐れがあるんだ。
手順②殺菌剤の塗布
サボテンの断面に殺菌剤を塗布します。
筆や刷毛を使ってまんべんなく殺菌剤を付着させます。
手順③1か月~3か月ほど乾燥
断面は1ヵ月~3か月ほどしっかり乾燥させます。
うまくいけば2か月くらいで断面の中心あたりから根っこが出てきます。
手順④土に置く
断面が十分に乾燥したら、水はけの良い清潔な土にサボテンを乗せます。
水やりはすぐにせず、10日ほど経ってから与えます。
手順⑤10日程経ったら水やり
土に置いて10日ほど経ったら、土の約1/3が湿るくらいの量の水を与えます。
直射日光を避けた風通しの良い場所に置き、発根を待ちます。
乾燥の段階で発根が確認できれば、より失敗を少なく済ませられるよ。
サボテンの胴切り後の管理方法
切り取ったサボテン側の管理方法
- 直射日光の当たらない風通しの良い場所で乾燥させる(屋外の日陰がおススメ)
- 2か月ほど経って発根したら土に植える
切り取られたサボテン側の管理方法
- すでにブヨブヨ傷んでいるなら処分する
- 根がしっかり張って腐ったり弱ったりしていなければ殺菌剤を塗布➡乾かし気味に管理し子株が吹くのを待つ
サボテンを胴切りするのはどんな時?
根腐れしたとき
根が腐敗した場合、そのまま放置していると腐敗が地上部まで拡がり枯れてしまうことが多いです。
この場合、早めに胴切りで処置することで、再生できる可能性があります。
徒長で形が崩れたとき
光が足りずに間延びしたサボテンは、そのまま育てていても元に戻ることはありません。
形を整えたい場合、胴切りして仕立て直すことができます。
ただし、胴切り後も同じ環境で管理を続けるとまた間延びしてしまうため、置き場所の見直しも必要です。
大きくなり過ぎたとき
サボテンが大きくなり過ぎた場合、胴切りで仕立て直すことができます。
切り取った方は発根させ別の鉢に植え付け、上部を切り取られた元株の方も子株が付けばそのまま育てられます。
サボテンの胴切りでよくある質問
1か月ほど乾燥させたけど発根しない…
サボテンは成長がかなりゆっくりなため、発根までは2か月~3か月ほどかかることもあります。
根の無い状態で土に植えるより、根が出てから土に植える方がより確実で失敗が少なく済みます。
焦らずのんびり待ってみよう。
断面にカビが生えてしまった…
湿度の高すぎる場所や保水性の高すぎる土などで管理していると、断面にカビが生えてしまうことがあります。
カビの発生を防ぐためにも、胴切り後の断面には殺菌剤をまんべんなく塗っておきましょう。
殺菌剤を塗ることで切り口からの感染を抑え、カビの発生を防ぐことができるよ。
胴切り後のサボテンはどこで乾燥させるべき?
できるだけ風通しの良い場所で保管します。
直射日光の当たらない場所で、新聞紙に軽く巻いておくとよいでしょう。
通気性の良い網棚などに置き、風通し良く管理します。
筆者の場合は、屋外の半日陰に棚を置き、さらに遮光ネットを掛けた場所に胴切り後のサボテンを置いて乾燥させてるよ。
胴切り後、元株は処分するしかないの?
胴切り後でも、元株が健康であれば子株が吹いてきます。
生育期であれば複数の子株が誕生し、そのまま育てることが可能です。
実際にやってみた!サボテンの胴切りその後の経過レポート
今回、5年前にダイソーで買った100円サボテンを胴切りで仕立て直してみようと思います。
胴切り後の様子も随時更新予定。よかったら参考にしてみてね。
胴切りを実施【2024/4/11】
こちらが約5年前に購入した100均サボテンです。
ずっと屋外管理でしたが、付け根がやや間延びしてしまっているので、胴切りで仕立て直そうと思います。
トゲが鋭いので100均で見つけたミニトングで押さえつつカット。
切り口は綺麗。根腐れしている様子もありません。
殺菌剤には「オーソサイド」を使用します。刷毛で断面に塗布。
このまま屋外の日がげ(遮光ネットを張った棚の奥)に置いて乾燥させ、1か月ほど経ったら土に挿します。
中心部がしぼんできた【2024/4/18】
胴切りから1週間経過。断面が乾いてギュッとしぼんできました。下写真は元株。
こちらも断面が乾いてしぼんでます。根腐れを起こしている様子はありません。
こちらは土がカラカラに乾いてきたので、水を与えて様子を見守ります。
結論:サボテンの胴切りを成功させるには実施時期、その後の管理方法が重要!
- サボテンの胴切りに適しているのは春。秋でもいいが、春の方がより経過がスムーズで失敗が少なく済む。梅雨~夏、冬は避ける
- 清潔な刃物でカットし、断面を1か月~3か月くらいよく乾燥させることが成功のコツ
- 胴切りしたサボテンは断面をしっかり乾燥させ、乾いた土にのせて発根を待つ。10日ほど経ったら水やり
- 胴切りしたサボテン(親株)も管理を続けていれば複数の子株が出てくる
- 胴切りは、根腐れ・徒長などで株が弱ったり、形が崩れたりした時の手段として有効