可愛いリトープスをもっと増やしたい。
でも、他の多肉植物に比べて情報が少なく、どう増やせばいいか分からない方も多いのではないでしょうか。
筆者も実際にリトープスを育てていますが、増やすとなると少しコツが必要です。
この記事では、リトープスを株分け・種まきで増やす方法と適した時期、注意点をくわしく解説します。
リトープスを増やし方は2パターン

リトープスの増やし方は「株分け」と「種まき(実生)」の2通り。
セダムやエケベリアのように挿し芽や葉挿しでは増やせません。
| 方法 | 難易度 | 増える数 | 最適時期 | ポイント |
| 株分け | ★★☆☆☆ | 少数 | 10月頃 | 根がしっかりしてから分ける |
| 種まき | ★★★★☆ | 多い | 10月〜11月 | 湿度管理がカギ |
株分け

リトープスは約2年に1回、分頭によって株が2つに分かれます。
分頭で増えた株を分けることでどんどんと増やすことが可能です。
種蒔き

リトープスは花後、種を作ることがあります。
その種を秋頃に蒔けば発芽させ、一度の種蒔きで多くの株を増やすことが可能です。
リトープスを株分けで増やす方法
リトープスを株分けで増やす手順は以下の通りです。
リトープスを株分けで増やす 手順①鉢から株を取り出す

株分けで増やすなら時期は秋がベスト。地域にもよりますが、暑さが落ち着く10月頃が良いでしょう。
鉢からリトープスを取り出します。

分頭して1年目はまだ株分けしない方が無難。分けるなら株が十分に生長した2年目以降がおすすめ。
リトープスを株分けで増やす 手順②古い土を軽く落とす

鉢から取り出したら古い土を軽く落としておきましょう。
リトープスを株分けで増やす 手順③両方の株に根が残るようハサミで切り離す

両方の株に根が均等に残るよう切り離します。
上写真ではハサミを株の上から入れていますが、下から(根っこ側から)入れた方が根が均等に分けやすいです。
リトープスを株分けで増やす 手順④切り口を乾燥させる

株分け後は半日~1日ほどおいて、切り口を十分に乾燥させます。
リトープスを株分けで増やす 手順⑤それぞれの株を別々の鉢に植え付ける

リトープスの好む水はけの良い土を使って植え付けます。深く植えすぎると蒸れやすいので気を付けてください。
リトープスを株分けで増やす 手順⑥根が張るまでは直射日光を避ける

植え付け後は土の約1/3が湿るくらいの量の水を与えます。
直射日光を避けた明るく風通しの良い場所で根が張るのを待ちましょう。

その後、土が乾いたら水を足すを繰り返し発根を促していくよ。土が乾いている時と湿っている時のメリハリが大事。株に触れて抵抗を感じるようになったらより明るい場所へ。ただし、夏の直射日光は避けて。
リトープスを種蒔きで増やす方法
リトープスを種蒔きで増やす手順は以下の通りです。
リトープスを種蒔きで増やす 手順①養分を含まない粒子の細かな土を用意
リトープスを種から増やすなら、時期は暑さが落ち着く10月頃がベストです。

リトープスの種はびっくりするほど小さく細かいため、使用する土は目の細かなものにしましょう。
バーミキュライトや赤玉土(細粒)、市販の種まき用土で構いません。清潔で養分を含まないものにします。
リトープスを種蒔きで増やす 手順②土はあらかじめ湿らせておく

種を蒔く前にあらかじめ土に水を含ませておきましょう。
リトープスの種は鼻息で飛んでしまうほど小さいため、種を蒔いた後に水を与えると種が水と一緒に流れてしまう恐れがあるからです。
リトープスを種蒔きで増やす 手順③種を蒔く

種を指に少量取り、土の上にまんべんなく蒔きます。
余裕があればピンセットを使ってより丁寧に蒔いても構いません。
リトープスを種蒔きで増やす 手順④土は被せない

種蒔き後は土を被せなくてok。リトープスの種は好光性のため、発芽するには光が必要です。
※ちなみに上画像の土だと粒子が粗すぎます。
リトープスを種蒔きで増やす 手順⑤湿度を保つ

発芽までは湿度を保ちます。種蒔きから1ヶ月ほどは土が乾き過ぎないよう気を付けましょう。
ただし、土の上から水遣りすると種が水とともに流れてしまう恐れがあるため、しばらくは底面給水にします。
※底面給水(ていめんきゅうすい)…鉢の底から水分を与えること。水を張った容器に鉢を1~2cmほど浸けて土に水分を補給する
リトープスを種蒔きで増やす 手順⑥発芽後、2か月ほどは底面から給水で水遣り
▲種まきから約3か月後。小さくても形は立派なリトープス!
早ければ3日~10日ほどで発芽します。
2か月ほど待っても発芽しない場合は蒔き直した方がよいでしょう。
発芽してからも約1ヶ月ほどは土が乾き過ぎないよう気を付けて管理を続けます。
1年ほど経ったら多肉植物用の土に植えつけましょう。
リトープスを増やすのに適した時期

リトープスは秋~春にかけて生育が盛んになります。
ただ、株分け・種蒔きともに10月~11月頃におこなう方がうまくいきやすいです。
株分け後、発芽後の経過をスムーズに進めるためにも10月~11月頃がベスト

リトープスは株分け後、発根するまでに時間がかかります。種蒔き後は発芽してからの管理が難しいです。
これらのことを考慮すれば、極端な寒さに晒される冬に株分けや種蒔きで増やすのは避けた方が無難です。

夏の暑さが落ち着く10月頃、遅くても11月までには済ませておくべき。
リトープスを増やすときの注意点3つ

リトープスは繊細な多肉植物のため、繁殖の際はいくつか注意が必要です。失敗を防ぐために、次の3点を意識しましょう。
分頭したばかりの株は株分けしない
分頭直後の株はまだ未熟で根が安定していません。無理に分けると弱ってしまうため、翌年以降に行いましょう。
種まき後に上から水をかけない
発芽前の種は非常に軽く、上からの水で流れてしまうことがあります。霧吹きでやさしく湿らせるのがコツです。
真夏・真冬の繁殖は避ける
高温多湿の夏や寒さの厳しい冬は、根腐れや凍結で枯れるリスクが高まります。春・秋の安定した気候を選びましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1:リトープスは葉挿しできますか?
A:できません。リトープスは葉や茎から新芽が出ないタイプの多肉植物です。株分けまたは種まきでのみ増やせます。
Q2:分頭したらすぐ株分けしていい?
A:分頭直後はNGです。株がまだ未熟なため、根が安定する2年目以降に行うのが理想です。
Q3:株分け後にすぐ水やりしていい?
A:切り口が乾いてから行いましょう。乾燥が不十分だと腐るリスクが高まります。
Q4:種まきの発芽率はどのくらい?
A:環境が整っていれば60〜80%ほどです。湿度不足や高温で失敗しやすくなります。
Q5:増やした株はいつから屋外に出していい?
A:発根・発芽が安定してから少しずつ慣らします。いきなり直射日光に当てるのは避けましょう。
Q6:株分けのタイミングはどう見極める?
A:親株と子株の境目にしっかり根が伸びているかが目安。軽く引っ張ってもぐらつかない状態ならOKです。
Q7:株分けに使う道具は?
A:清潔なピンセットやカッターを使用しましょう。使用前後にアルコール消毒しておくと病気予防になります。
Q8:種はどこで手に入る?
A:ネット通販(メルカリや園芸ショップなど)で入手可能です。自家採取する場合は、花が咲いた後の種さやを乾燥させて採ります。
Q9:種まき後はどのくらいで発芽する?
A:条件が合えば1〜2週間ほどで発芽します。温度は20℃前後、湿度はやや高めをキープしましょう。
Q10:増やしたリトープスの管理は親株と同じでいい?
A:基本は同じですが、発根・発芽後1〜2か月は半日陰で管理すると安定します。急な日差しや水やり過多は避けてください。
まとめ
- リトープスを増やす方法は「株分け」「種蒔き」の2種類
- リトープスは挿し芽や葉挿しでは増やせない
- リトープスを増やすのに適しているのは秋、地域にもよるが10月頃が最適
リトープスに関する記事はこちら






