リトープスの夏越しは難しい?【結論まとめ】
- リトープスは夏の高温多湿が最大の弱点
- 正しく管理すれば休眠中も枯れずに秋に復活
- 夏越し成功のカギは「断水」「遮光」「通気」「温度管理」
この記事では、実際の失敗例も交えて「枯らさずに夏を乗り切る方法」をわかりやすく解説します。
リトープスが夏に弱い理由
原産地は南アフリカの乾燥地帯
リトープスは南アフリカの乾燥〜半乾燥地帯が原産で、日中は暑くても夜は冷える環境に適応しています。
雨季と乾季がはっきりしており、短期間しか水を吸わない性質があるため、日本の長く蒸し暑い夏には馴染みにくいです。原産環境を意識すると「断水して風を通す」管理が腑に落ちます。
日本の「高温+湿度」で根腐れ・蒸れを起こしやすい
日本の夏は夜間も気温が高く、湿度が高いのが特徴。鉢内の水分が抜けにくくなると根が酸欠になり、カビ・ぬめり・根腐れを招きます。
特に保水性の高い土やプラスチック鉢だと危険度が増すので、通気性の良い鉢や水はけ重視の用土に替えるのが効果的です。
夏は休眠期のため、水を吸収せず腐敗しやすい
リトープスは夏に休眠(生育停止)する種類が多く、その間は根がほとんど水を吸いません。
見かけ上「しわしわ」になっても水を吸わないため、水を与えると吸収されず鉢内に停滞→根腐れに直結します。休眠中は断水を基本に、株の硬さや色、匂いで異常を見分けましょう。
夏越しの基本環境チェックリスト
項目 | 理想条件 | NG例 |
温度 | 25〜30℃前後 | 35℃以上の室内放置 |
日差し | 明るい日陰(遮光30〜50%) | 直射日光・西日 |
水やり | ほぼ断水(1ヶ月以上OK) | 乾かぬうちに再給水 |
通気 | 風通しの良い棚上やベランダ | 密閉ケース・屋内窓辺 |
夏の高温対策は「夜の冷却」がカギ
昼間に熱をため込んだ鉢は、夜になっても内部温度が下がりにくいです。
夜はエアコンの効いた室内や玄関に移動させ、鉢をしっかり冷やしてあげましょう。根のダメージを軽減できます。
風通しを作るだけで根腐れリスクが激減
サーキュレーターや小型扇風機を使って風を循環させると、鉢内の温度と湿度が安定し、蒸れによる根腐れを防げます。
特に室内管理の場合は、風が1方向に偏らないように当てるのがポイントです。
リトープスの夏越しでよくあるトラブルと対処法
葉がしわしわになった
夏の断水による休眠中の自然な反応です。
無理に水を与えると根腐れの原因になるため、そのまま放置でOK。気温が下がる秋に再びふっくらしてきます。
茶色く変色・ドロドロに溶ける
高温多湿や水の与えすぎによる根腐れ・蒸れが原因です。
早めに腐った部分を取り除き、乾いた新しい土に植え替えましょう。風通しの良い涼しい場所で管理します。
カビやコバエが発生した
湿度が高く通気が悪い証拠です。鉢の周囲に風を通し、土の表面をしっかり乾燥させましょう。
必要に応じて殺虫スプレーやトップドレッシング(化粧砂)で予防も有効です。
夏越し後の管理|秋の水やり再開タイミング
夜間の気温が20〜25℃以下になったら水やり再開OK
秋になって夜の気温が下がり始めたら、リトープスが再び活動を始めます。
目安は夜間の気温が20〜25℃を下回った頃。まだ暑さが残るうちは焦らず待ちましょう。
最初は霧吹きで様子を見る
いきなりたっぷり水を与えると、弱った根が傷むおそれがあります。
最初の1〜2週間は霧吹きで表面を軽く湿らせる程度にして、株の反応を見ます。
ふっくら戻ってきたら通常の水やりへ
葉がしっかり硬くなり、しわが目立たなくなってきたら通常の水やりに切り替えます。
鉢底から水が流れ出るまで与え、その後は完全に乾いてから次の水やりを。
リトープスの夏越しで気を付けるべきポイント4つ
湿度が高く35度を超える日も多い日本の夏。
夜になっても気温が下がらず熱帯夜になりがちな日本の夏は、高温多湿を嫌うリトープスにとってかなり過酷な環境です。
リトープスを夏越しさせるためには、以下3つのポイントを押さえておく必要があります。
リトープスの夏越し ポイント①水遣りは土が乾いてさらに3~4日ほど経ってから
梅雨に入ってからは徐々に水遣りを控え目にシフトします。
土がカラカラに乾いて3~4日してからで構いません。与える水の量は土の約1/3が湿る程度でok。
鉢底から水が流れ出るくらいだと多すぎます。目安は土に1回程度です。
リトープスの夏越し ポイント②直射日光に晒さない(夕方の西日に要注意)
日光を好むリトープスですが、真夏の直射日光は大きな負担となります。
屋外の場合は直射日光を避けた日陰~半日陰、心配な場合は遮光ネットを使うのがおすすめです。

特に気を付けたいのが夕方の強烈な西日。高温状態で直射日光に晒されると葉や根が傷み弱ってしまう…。
リトープスの夏越し ポイント③風通しを確保(室内の場合は蒸れやすい)
高温多湿を嫌うリトープスにとって、梅雨~夏にかけては蒸れに注意しなくてはなりません。
屋外の場合は気にする必要は殆どありませんが、室内に置いている場合は要注意。
特に窓を閉め切る時期はサーキュレーターをフル活用し、湿気が一か所に溜まるのを防ぎます。

室内はただでさえ土が乾きにくい。筆者の場合はほぼ一年中サーキュレーターを回しているよ。通気性に優れる素焼き鉢を使うのもおすすめ。
☆★サーキュレーターがおすすめな理由、置き方についてはこちら↓↓

リトープスの夏越し ポイント④夜になったら室内で冷やす
25度以上の熱帯夜が続く時期は、夜になったらエアコンの効いた室内へ避難させ株を冷やすのもおすすめです。
根が高温に晒され続けることでどうしても株が弱ってしまいます。

リトープスにとってはかなり過酷な日本の夏。ちょっと甘やかすくらいが丁度いいかも。
夏にシワの寄ったリトープスは放置で大丈夫?
夏は断水気味に管理することで蒸れや暑さからリトープスを守ることができます。
ただ、乾かし気味に管理する夏は葉にシワが寄ることも多いです。
とはいえ、焦って水遣りを繰り返すと一気に弱って溶けてしまいます。
夏はシワが寄ってもグッと我慢。涼しくなるまで待とう
乾かし気味に管理する以上、どうしても葉にはシワが寄ってくるでしょう。
断水気味に管理することで樹液濃度が高まり、暑さから株を守ることができます。
可哀そうに感じるかもしれませんが、夏の暑さからリトープスを守るためです。
夏、焦って水や肥料を与え過ぎるのは逆効果
シワの寄ったリトープスを目の当たりにして、焦って水や肥料を与えすぎるのは逆効果になります。
梅雨~夏のリトープスは湿気と暑さで生育が緩慢です。
そんな夏に吸いきれない程の水分や養分を与えた場合、吸収しきれなかった水分や養分が鉢内に停滞し続けます。
結果、根を腐らせてしまうことに繋がります。

夏のリトープスは断水して大丈夫?
冬型のリトープスは夏に生育が緩慢になります。そのため、夏は断水気味に管理することで暑さから株を守ることができます。
生育が緩慢になる夏に水を遣り過ぎるとあっという間に溶ける
梅雨~夏にかけては水遣りの回数、水遣りの量ともに控え目にシフトしましょう。
気温が20度を超えてきたら徐々に水遣りを控えて乾かし気味にします。
夏は土を乾かし気味に管理。水を遣りは土が乾いてさらに3~4日ほど経ってから
土が乾いたタイミングだと早すぎます。土が乾いてさらに3~4日ほど経ってからが良いでしょう。
水の量は鉢底から流れ出るくらいだと多いので、土の約1/3が湿る程度で与えます。
水遣りは天気の良い日をチョイス。明るく風通しの良い場所に置くこと
水を与えるのはできるだけ天気の良い日を選びましょう。
水やり後、雨続きだと湿度によってどうしても土が乾きにくくなります。
根腐れのリスクを減らすためにも、水やり後は7日以内に土が乾くことを意識します。

土が7日以上湿り続けていることのないようにしてね。室内ならサーキュレーターを回して風通し良く管理しよう。
私のリトープス夏越し体験談と管理ポイント
日本の夏はリトープスにとって過酷
私もリトープスを育てていますが、夏越しは特に難しいと感じます。
暑すぎると株が弱り、逆に日光不足や風通しが悪いと蒸れや徒長が起こってしまいます。
日本の高温多湿な夏は、リトープスにとって大きなストレスです。
一年を通した安定環境が株を元気に
経験上、できるだけ気温の変動が少ない場所に置くと株の元気が長持ちします。
夏だけでなく、一年を通して安定した環境で管理することが大切です。
夏の水やりは“完全断水”より控えめが安全
夏は断水しがちですが、完全に水を断つと根が傷みやすくなります。
私の場合は月に1回、土の1/3が湿るくらいに水やりしています。
最低気温が20℃以下になってきたら、少しずつ水やりを再開するようにしています。
水やり後の直射日光は株に危険
水やり後の土が湿った状態で直射日光に当てると、根が煮えて傷みやすく、株がジュレ化することがあります。
私も何度かこの失敗で株を溶かしてしまいました。
ジュレになる前兆として、株の色がいつもと違う感じになることがあるので注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 夏でもリトープスを外に出していいの?
→ 直射日光と高温を避ければOKです。遮光ネットを使い、風通しの良い半日陰がベストです。
Q2. エアコンの風が直接当たっても大丈夫?
→ 直接風が当たると乾燥しすぎるためNG。部屋全体の空気を循環させるようにしましょう。
Q3. 夏の夜に結露する窓辺に置いてもいい?
→ 結露による湿気で根腐れを起こすことがあります。窓辺は避けて通気性の良い棚上などに移動を。
Q4. 夏でも肥料を与えていい?
→ 休眠期のため不要です。肥料は秋の生育再開後、薄めた液肥を月1回程度が目安です。
Q5. 夏に脱皮が始まったらどうする?
→ 水は与えずそのまま様子を見ましょう。無理に古皮を剥がすと株が傷みます。
Q6. 夏場に分頭(株が増える)したけど大丈夫?
→ 弱った株が無理に分頭すると負担になります。秋以降に様子を見ながら植え替えを検討しましょう。
Q7. 夏越し中にシワがひどくなったけど復活する?
→ 涼しくなってから水やりを再開すれば徐々に戻ります。硬さが残っていれば生きています。
Q8. 扇風機でもサーキュレーターの代わりになる?
→ 代用可能ですが、風が一点に当たらないよう首振り機能を使うのがおすすめです。
Q9. 夏に土の表面がカビたらどうすればいい?
→ 表面を削って乾いた新しい土を足します。重曹スプレーを軽く吹くのも有効です。
Q10. 夏越し後、植え替えはいつがベスト?
→ 秋の水やり再開後、気温が20℃前後の頃が最適。根の動きが活発になり、定着しやすいです。
まとめ
日本の夏は高温多湿で、乾燥地帯原産のリトープスにとって過酷な季節です。
夏越しのポイントは「断水気味に管理」「直射日光を避ける」「風通しを確保」の3つ。乾燥によるシワは自然現象なので焦らず放置を。
夜の冷却やサーキュレーターを活用して蒸れを防ぎ、秋に気温が下がったら霧吹きから水やりを再開しましょう。