観葉植物や多肉植物を育てていると悩まされることの多い害虫被害。
見るのも気持ち悪いし、大事な植物が枯らされてしまってはたまりません。
そして、観葉植物の害虫対策として効果的なのが「オルトランDX」です。
ただ、「名前は聞いたことあるけど農薬ってハードル高いし、使い方がイマイチ分からない…」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、大切な植物たちを害虫から守るためにできる、オルトランDXの簡単な使い方を写真つきで分かりやすく解説します。
多肉植物を害虫から守る!オルトランDXの使い方【簡単】
まずはじめに、すでに害虫が付いた状態ではオルトランの効果は期待できません。オルトランはあくまで「予防」としての薬剤です。
作業は屋外でおこなう

オルトランDXを使うときは、マスクと手袋を装着し屋外で作業しましょう。特に、臭いに敏感な方は独特の香りがあるため吸い込まないようにします。
春から秋の暖かい時期に使う
オルトランDXを使うのは多くの観葉植物の生育期である春から秋が適しています。
この時期は根から水分を吸い上げる力も強いため、効率的にオルトラン成分を吸収させることができます。
株元に撒くor植え替え時に土に混ぜ込む
観葉植物1株に対してオルトラン約1~2gを使用します。(下写真)

ボトルタイプのオルトランDXなら、容器を上下に軽く4~5回振るだけで、容器の入口部分に約1~2g取り出すことができます。
手を汚すこともなく量を計る必要もありません。とても便利ですね。
取り出した薬剤を観葉植物の株元まわりにサッと撒きます。これで完了です。
ニオイが気になる方は土に混ぜ込むのがおすすめ
ちなみに、どうしても臭いが気になるという方は植え替えの際に土に混ぜ込むのがおすすめです。
上写真のように植え替え時に土にオルトランをサッとまき、その上から植物を植え付けます。

あとは鉢と株の隙間に残りの用土を詰め込むだけです。
たっぷりと水を与える
最後に、水をたっぷりと与えて作業は終わりです。

水やりの度にオルトランDXの成分が水に溶けだし、根から吸収されます。
オルトランDX使用から約半年経過
オルトランDXを使用して約半年経過した観葉植物(パキラ)です。生育にも影響なく春から秋にかけて大きく育ちました。
もちろん、今のところ害虫被害もありません。そして、オルトランDXの1株に対しての年間の総使用回数は4回です。
一度の使用で約1か月効果が持続するので、春から秋にかけての生育期には1~2か月に1回程の使用が望ましいでしょう。
使用回数と用法・容量を守って正しく使用し害虫から観葉植物を守りましょう。

そもそも、オルトランってなに?
オルトランは浸透移行性の殺虫剤です。オルトラン成分が植物に取り込まれることで、植物全体を害虫から守ることができるんですね。
たとえば万が一、害虫が観葉植物に付いたとしても、植物に取り込まれたオルトランの殺虫成分によって植物全体が殺虫効果を発揮し、害虫被害を最小限に抑えられるのです。
しかも、使い方の基本は観葉植物を植え付けている土の上に撒くだけ。オルトランは、虫が苦手な方は絶対に持っておくべきアイテムといえます。

オルトランとオルトランDXがあるけどどちらがいいの?
オルトランは「アセフェート」という農薬・殺虫成分になります。商品名はオルトランです。
対してオルトランDXは、アセフェートに「クロニアチジン」という殺虫成分を追加したものになります。
クロニアチジンは、「アブラムシやカイガラムシなど観葉植物に付きやすい小型の吸汁系害虫に効果が長く効く」という特徴があります。
そのため、観葉植物や多肉植物に使う場合、2種類の殺虫成分を含むオルトランDXが特におすすめです。
オルトランDXに関するよくある質問(FAQ)
Q1:室内でオルトランDXを撒いても大丈夫ですか?
A:基本的に屋外での作業が推奨されています。独特のにおいがあるため、室内で使用すると部屋にこもって不快に感じることがあります。必ずベランダや庭など風通しのよい場所で作業しましょう。
Q2:犬や猫などペットがいる家でも使えますか?
A:オルトランDXは農薬に分類されるため、誤食は危険です。使用後はペットが土を掘り返したり舐めたりしないように注意してください。心配な場合は鉢の上に化粧石を敷くと安心です。
Q3:食べられる植物(野菜やハーブ)にも使えますか?
A:オルトランDXは観葉植物や花向けです。食用植物には「適用作物」が定められており、対象外のものに使うのは避けましょう。家庭菜園には専用の殺虫剤を使うのが安心です。
Q4:一度にたくさん撒いた方が効果は高くなりますか?
A:いいえ。多すぎると植物が薬害を受けて弱る原因になります。使用量は必ず守り、1株につき約1〜2gを目安にしてください。
Q5:オルトランDXはどの害虫に効きますか?
A:アブラムシ、カイガラムシ、コナジラミ、アザミウマなど吸汁系害虫に特に効果があります。チョウやガの幼虫(青虫など)には効果が薄いため、その場合は他の薬剤と併用がおすすめです。
Q6:オルトランDXを使えばカビやコバエも防げますか?
A:カビやキノコバエには効果がありません。カビは湿度管理や風通しの改善、コバエは用土の乾燥管理や表土を清潔に保つことで予防しましょう。
Q7:オルトランDXを使ったら葉が黄色くなったのですが?
A:通常の使用量なら薬害はほとんどありません。葉が黄色くなるのは水やりや環境の問題の可能性が高いです。多量に使った場合は薬害の恐れがあるので注意してください。
Q8:効果が出るまでどれくらいかかりますか?
A:オルトラン成分が根から吸収され、植物全体に行き渡るまでに数日〜1週間程度かかります。すでに害虫が大量発生している場合は即効性がないため、別の対処が必要です。
Q9:冬の休眠期にも使った方がいいですか?
A:冬は根の吸水が弱まり、オルトランの吸収も効率が下がります。基本的に春〜秋の生育期に使うのがベストです。
Q10:使用期限や保管方法はありますか?
A:未開封なら数年は使用可能ですが、湿気に弱いため密閉して涼しく乾燥した場所で保管してください。開封後は1〜2年を目安に使い切るのがおすすめです。
多肉植物を害虫から守る!オルトランDXの使い方【まとめ】
今回は、観葉植物を害虫から守るオルトランDXの使い方をご紹介しました。
虫が苦手な方は害虫を見るのも嫌という方も多いでしょう。さらに、観葉植物に付いた害虫を物理的に取り除くなんて考えられない…という方がほとんどではないでしょうか。(筆者もそうです)
そんな方にこそおすすめしたいのがオルトランDXによる害虫予防です。
使い方も簡単なので、今回の記事をご参考にぜひ試してみてくださいね。
オルトランとは? ⇒浸透移行性の殺虫剤。植物に吸収させることで植物全体が殺虫効果を発揮する。 オルトランとオルトランDXの違いは? ⇒オルトランにもうひとつの殺虫成分を加えたのがオルトランDX 観葉植物におすすめのオルトランは? ⇒観葉植物に付きやすいアブラムシやカイガラムシなど小型の吸汁系害虫に効果が長く効くオルトランDXがおすすめ。
オルトランDXの使い方【手順】
1.作業は屋外でおこなう
2.春から秋にかけての生育期に使う
3.株元に撒くor植え替え時に土に混ぜる
4.たっぷりと水を与える
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