「購入当初はボリュームのある姿が可愛かった多肉植物。しかし、いつの間にか茎ばかりが伸びてひょろひょろの残念な姿になってしまった…」
多肉植物を育てている方の中には上記のようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、多肉植物の茎ばかりが伸びる理由と簡単な対処法を分かりやすく解説します。
可愛かったはずの多肉植物がひょろひょろになってしまいお困りの方は、ぜひ、今回の記事をご参考にされてください。
エケベリアの茎が伸びる原因は?
まずは、多肉植物の茎ばかりが伸びる原因から見ていきましょう。
室内に置きっぱなしだとどうしても日光不足になりやすい

室内に置きっぱなしにしていた多肉植物はその多くが「徒長」を起こします。
徒長した多肉植物は茎がひょろひょろと伸びて、葉と葉の間隔が広くなりだらしのない姿になります。
茎ばかりが伸びるのを防ぐには屋外での管理が最適
多肉植物の茎ばかりが伸びるのを防ぐためには屋外に置くのが最適です。
とはいえ、せっかく購入した可愛い多肉植物を外に置くのは嫌…という方も多いでしょう。
その場合、「あくまで屋外を基本の置き場所として、ときどき室内に移動し可愛い姿を楽しむ」というスタンスでの管理がおすすめです。
また、梅雨時期や真夏・真冬は、株が弱るのを防ぐため、室内への移動が必要となる時期もあります。
さらにくわしく「伸びすぎた多肉植物はどうすべき?ひょろひょろの原因と対処法」
エケベリアが伸びたときの切り戻し方法
次に、すでに茎が伸びた状態の多肉を挿し木で仕立て直す方法をご紹介します。ご安心ください。「切って挿すだけ」のとても簡単な方法ですよ。
適期は春先
春と秋が生育期である春秋型の多肉植物にとって、挿し木に適しているのは春先または秋です。
多肉植物によっては夏が生育期の種類もあるので再確認してみましょう。
茎をカット
茎が伸びた部分を清潔なハサミでカットします。
適期であれば、1か月程すれば元株からは2つほど脇芽が出てきます。今後はできるだけ日当たりのよい場所に置きます。
ただ、今まで陰になっていた部分の葉は葉焼けを起こしやすいですいきなり直射日光には当てず、数日かけて徐々に日向へ移動させることで葉焼けを防ぎます。
葉数を調整
カットした茎は葉数を調整しましょう。土に挿す部分の葉は邪魔になるため取っておきます。
また、葉が多すぎると蒸散によって葉から水分が出ていくため、発根する前に茎がダメになることも考えられます。
乾燥による失敗を防ぐためにも葉が多すぎる場合はとっておくのがおすすめです。
ちなみに、綺麗に取れた葉は「葉挿し(はざし)」で増やすこともできます。乾いた土の上に置いておくと1か月ほどで葉から根が出てきますよ。(下写真)

乾いた土に挿す
葉数を調整した茎は乾いた土に挿します。これで挿し木作業は終わりです。
すぐには水は与えません。切り口から腐敗するのを防ぐためです。10日ほどしてから土が湿る程度に水を与えます。
挿し木に適した土の3条件
・肥料分を含まない
・水はけがよい
・使い古しではない(清潔な土)
さらにくわしく「多肉植物の挿し木の方法を画像付きで分かりやすく解説します」
エケベリアの茎が伸びるのを防ぐ管理のコツ
日当たりをしっかり確保する
エケベリアが茎を伸ばす一番の原因は日光不足です。
- 春〜秋は屋外の明るい場所で管理する
- 室内管理なら南向きや東向きの窓辺に置く
- 冬は窓越しの直射日光を避けつつ、できるだけ明るい環境を確保
光が足りない場合は、植物育成ライトを使うのも効果的です。
水やりは「乾かし気味」を意識する
水分が多すぎると株が軟弱になり、茎が伸びやすくなります。
- 土がしっかり乾いてから与える
- 葉にシワが寄るくらいまで乾燥させても問題ない
- 冬は休眠気味になるため、さらに水やりを控えめに
過湿を避けることで、引き締まった姿を保てます。
風通しのよい環境で管理する
風がない場所では蒸れやすく、株が弱りやすくなります。
- ベランダや庭など風通しのある場所が理想
- 室内では窓を開けて空気を循環させる
- サーキュレーターを使うのもおすすめ
適度な風があると光合成もスムーズになり、徒長防止につながります。
実際に徒長したエケベリアを切り戻して整えた体験談
購入当初のエケベリアと徒長の様子
私が育てたのは、100均で購入した小さなエケベリア。
一見、ロゼット状でとても可愛らしく見えますが、葉が間延びして、ロゼットも密度が低くイマイチ。
いわゆる「徒長」と呼ばれる状態です。
春先に切り戻して植え替え
思い切って、エケベリアを植え替え、屋外管理で育てることに。
水はけのよい土と通気性に優れる素焼き鉢を使用。まずは日光に慣れてもらうため、ベランダの軒下に配置。
直射日光を避けつつ、しっかり日光と風通しを確保できる環境で育てることにしました。
半年後にきれいなロゼットに復活!
半年ほど経つと見違えるほどきれいなロゼット状に整いました!
葉の色も鮮やかになり、形もギュッと引き締まった姿に。
やはり、エケベリアを美しく育てるには「日光と風通し」が欠かせないと実感
実際にやってみた感想
徒長したエケベリアでも、切り戻して環境を整えれば十分に元の可愛い姿を取り戻せます。
「茎が伸びちゃったからもうダメだ…」と思わず、日光・風通しを意識して仕立て直しに挑戦してみてくださいね。
よくある質問(FAQ)
Q1:茎が伸びたエケベリアはそのままでも育てられますか?
A:育てられますが、見た目が崩れるうえにさらに徒長しやすくなります。形を整えたい場合は切り戻しがおすすめです。
Q2:切った頭の部分はすぐに土に挿して大丈夫ですか?
A:切り口を1〜2日乾かしてから挿すと、腐りにくく成功率が上がります。
Q3:切り戻した下の茎や葉はどうなりますか?
A:茎や葉の付け根から新芽が出ることがあります。捨てずに様子を見てみましょう。
Q4:徒長した部分の葉は挿し木に使えますか?
A:使えます。葉挿しで増やせるので、徒長した株も無駄になりません。
Q5:徒長しやすい季節はありますか?
A:春や秋など生育期に日光不足になると特に徒長しやすいです。冬は成長が止まるので徒長しにくいです。
Q6:LEDライトだけで育てれば徒長は防げますか?
A:十分な光量の育成ライトを使えば防げます。ただし置き場所の風通しも合わせて整えることが大切です。
Q7:ベランダに出しても徒長することはありますか?
A:日当たりが悪い北向きのベランダや、隣家の影になる場所では徒長する可能性があります。
Q8:素焼き鉢とプラスチック鉢では徒長のしやすさに違いがありますか?
A:素焼き鉢は通気性が良く根が健全に育ちやすいため、株が引き締まりやすい傾向があります。
Q9:肥料をあげすぎると徒長しますか?
A:はい。特に窒素分が多いと葉や茎が軟弱に伸びやすくなるため注意が必要です。
Q10:徒長した株を放置すると枯れてしまいますか?
A:すぐには枯れませんが、重みで倒れたり蒸れやすくなって株が弱る原因になります。早めに仕立て直す方が安心です。
まとめ

今回は、多肉植物の茎ばかりが伸びる理由と簡単な対処法をご紹介しました。
「茎ばかりがひょろひょろになって可愛くなくなってしまった、もう捨ててしまおうかな…」
このように、諦めてしまうのは簡単です。しかし、茎が伸びて姿の乱れた多肉を仕立て直すのも意外と簡単なのです。
今回の記事をご参考に、茎の伸びた多肉植物の挿し木に挑戦してみてくださいね。