多肉質な葉の先端が透ける姿がまるで宝石のように美しい軟葉系ハオルチア。
「クリスタルプランツ」とも呼ばれる軟葉系ハオルチアは、見ているだけでうっとりする人気の多肉植物です。
今回、そんなハオルチアの形が乱れてしまったので、胴切りできれいな姿に仕立て直すことにしました。
この記事を読めば「形が崩れたハオルチアを胴切りで仕立て直す手順」が分かるよ!
失敗しないハオルチアの胴切り。最大のポイントは適期におこなうこと
胴切りのベストタイミングは春。4月~5月ころが失敗しにくい
春はハオルチアの成長が盛んになる時期にあたり、細胞分裂が盛んになります。
この時期に胴切りすことで切断面が早く回復し、新しい根や芽も出やすくなります。
梅雨~夏、冬直前は失敗しやすいので注意
逆に、生育が緩慢になる梅雨~夏、冬直前に胴切りすると失敗しやすいです。
極端な暑さや寒さに晒される時期は、新陳代謝が低下し、回復力も弱くなります。
そのため、胴切り後の切断面の治癒が遅れ、病気や腐敗のリスクが高まります。
ハオルチアを胴切りで仕立て直す方法
ハオルチアの胴切りにもっとも適しているのが、生育が盛んになり始める春です。
ハオルチアを用意
まずはハオルチアを用意します。
胴切り前は水やりを数日控え、土を乾かし気味にしておくと作業がスムーズです。
頂点部分を根元近くから切り離します
テグス(または糸)を株元近くにぐるっと一周させ交差させて切り取ります。
カット完了。胴切り後の元株はこんな感じです。(下写真)
元株の方は根腐れの気味なので、今回はこちらも新しい土に植え替えます。
株がぐらぐらしていて不安定ですが、白い根っこはたくさん出ています。
まだまだ復活の可能性はありありそうです。
元株を植え替えます
傷んだ根っこをそのままにしておくと、土の中で腐敗し悪さをする可能性があるため、取り除いておきます。
すでに腐っているので手で軽く触れただけでもボロボロ落ちます。
また、変色した葉もボロッと1枚取れました。よく見ると株元から小さな子株らしき脇芽が出てきています。
元株の植え替えが完了です。少し大きい鉢に植えすぎていたので今回、小さめの鉢に植え替えました。
切り口がまだ塞がっていないので、水やりは10日くらいしてからおこないます。
切り口が乾燥してかさぶたができると、細菌の侵入を防げるよ。
カットした胴は形を整えます
次に、最初にカットした頂点の部分の形を整えます。
色の悪い間延びした葉は取っておきましょう。手で左右にひねるように動かすと綺麗に取れやすいです。
葉を取った部分はまだ濡れて切り口が塞がっていません。しばらく切り口を乾燥させます。
切り口が乾燥するまで3日ほど待ちます
植え替え後の元株、カットした部分、ともに直射日光を避けた風通しのよい場所で休ませます。
胴切りした部分は切り口が乾くまで3日ほど放置し、切り口が完全に乾燥したら土に挿します。
胴切りした株を植え付ける鉢を準備します
先ほど形を整えた頂点部分を植える用の鉢を用意します。植えるのは切り口が乾燥してからなので3日ほど先です。
肥料分を含まない水はけの良い清潔な土を使います。
切り口が乾燥したら土に挿します
切り口が乾燥したので乾いた土に挿します。
乾いた土に軽く穴を開け、そこに切り口を乾燥させたハオルチアの胴を挿します。
まだ根は出ていません。水やりは10日ほどしてからおこないます。しばらくはこのまま様子見です。
直射日光を避けた半日陰に置きます。
元株の方と並べました。西日に気を付けつつ管理を続けます。
14日ほど経過したら水やり
14日ほど経ったらここではじめて水やりします。
うまくいけば、元株には切り口まわりに複数の子株が出てきます。↓↓
胴切りから半年後
胴切りから半年経過。ベランダで順調に育っているハオルチア達をご覧ください。
元株からは子株がぷくぷく出てきました。
土に挿した方の茎です。花のように開いた葉が綺麗。
胴切り後、しっかりと根を張り元株からは子株も出ています。
鉢の中が根っこでいっぱいになってきたら、春か秋にひとまわり大きめの鉢に植え替えます。
太い根っこが伸びてますね。
ハオルチアは根が深く張るので深めの鉢を準備。水はけの良い土を使って植え付け完了です。
徐々に鉢を大きくしていくことで、株を大きく成長させることができます。
胴切りから8か月後
気温が上がってきて葉の色が鮮やかになりました。葉ももりもりと育っています。
春・秋は1ヵ月に1回程度、ハイポネックスを約2000倍に水で薄めて与えていると、株がさらに充実してきます。(下写真)
使い方は簡単。水1リットルに対してキャップ約1/10を薄め、水やりとともに与えるだけです。
ただし、高温多湿の梅雨時期に差し掛かってきたら肥料は一旦ストップします。梅雨~夏にかけてはハオルチアの生育が緩慢になるからです。
ハオルチアの胴切り後の管理方法
切断面の乾燥
胴切り後の切断面は数日間乾燥させます。
切断面が完全に乾燥するまでは水やりを控え、直射日光を避けた風通しの良い場所に置きます。
切断面を十分に乾燥させることで、感染や腐敗のリスクを減らします。
挿し芽は土に挿して14日ほど経ってから水やり
植え付け後すぐには水を与えず、少なくとも1〜2週間は乾燥した状態を保ちます。
これは新しい根が出るのを促進し、腐敗を防ぐためです。
新しい根が出始めたら通常の水やりを再開しますが、土が完全に乾燥してから水を与えるようにします。
強い光を避ける
ハオルチアは明るい場所を好みますが、切断後はこれまでよりもひと段階明るさを抑えた場所に置いて休ませます。
これにより、胴切り後のハオルチアがストレスを受けずに新しい成長を始めやすくなります。
観察とケア
胴切り後はハオルチアの状態を定期的に観察し、異常がないか確認します。
葉の変色やしおれ、カビの発生などが見られた場合は、すぐに対処します。
切り口がぶよぶよになったりカビが生えたりしている場合は、早めにカットして断面を更新しておきます。
失敗しないハオルチアの胴切り方法!胴切り後の管理方法も解説【まとめ】
- ハオルチアの胴切りを失敗させないためには、適期である春におこなうことが超重要!
- ハオルチアの胴切りにはテグスがあると便利。葉の隙間にテグスを滑りこませてクロスして絞り切る
- 胴切り後は切り口をしっかり乾燥させることで、細菌の侵入を防止する
- 切り口が乾燥したら清潔な土に挿して発根を待つ。土に挿したらすぐ水やりせず、14日ほどしてから水やりする
- ハオルチアの胴切り後は、断面をしっかり乾燥させることが重要。ときどき観察して腐ったりカビが生えたりしていないかチェックしつつ見守る