サボテンの調子が何となく良くない。水やりしても回復の兆しが見えないし。もしかして、根腐れ起こしてる…!?
サボテンを長く育てていると一度は経験するトラブルが「根腐れ(根の腐敗)」です。
根腐れを起こしたサボテンは水分や養分を吸収できず、根から地上部へ腐敗が拡がり最終的には枯れて(腐って)しまいます。
ただ、早めに根腐れに気付いて早めに対処すれば、復活の可能性もゼロではありません!
そこで今回は、サボテンが根腐れした時のサインや症状、根腐れの原因や復活方法などをまとめて紹介します。
この記事を読めば、
- サボテンが根腐れする原因
- サボテンが根腐れした時のサイン、症状
- 根腐れしたサボテンを復活させる方法
- 根腐れ回避!サボテンを健康に育てるコツ3つ
が分かるよ!
サボテンが根腐れした時のサイン、症状
根腐れの症状①株元がぐらぐら不安定、ぶよぶよ
根腐れを起こしたサボテンは株元が茶色っぽく変色し、触れるとぐらぐら不安定になります。
根が腐ると徐々に腐敗が地上部にも拡がっていくため、株の下部がぶよぶよと傷んでくることが多いです。
経験上、サボテンは梅雨~真夏に根腐れを起こすことが多いよ。
根腐れの症状②水やり後、7日以上経ってもシワが取れない
水やり後、7日以上経っても土が湿りっぱなしの場合は、根が水分を吸えなくなっている可能性が高いです。
根が水分を吸えない原因には、根腐れ、寒さ(10度以下)、暑さ(30度以上)などがあります。
サボテンの生育適温は20度~30度くらい。春と秋が一番よく育つ時期なんだ。冬は15度以下、夏は30度以上になると、徐々に根が水分を吸い上げる力が弱くなるよ。
根腐れの症状③茶色や黄色に変色
サボテンが茶色や黄色に変色し、色が悪くなっている場合も根腐れを起こしていることがあります。
根が腐ることで水分や養分を吸収できず、株元から徐々に変色して腐っていくことが多いです。
ちなみに赤黒く変色する場合は、寒さや暑さなどのストレスに耐えている状態のことが多い。「ストレスカラー」とも呼ばれているよ。ピンセットや棒で軽くつついて、柔らかくなっている場合は根腐れの可能性が高い。
サボテンが根腐れする原因とは?
サボテンが根腐れを起こす原因には、「水の遣りすぎ」「高温多湿」「根詰まり、土の劣化」「通気性の悪い鉢」などがあります。
根腐れの原因①水の遣りすぎ
サボテンは全体の8割~9割が水分で出来ているため、土が乾ききらなうちに次から次へと水を与えると根から腐敗します。
サボテンは乾燥に強いですが、水の遣りすぎによる蒸れにはかなり弱いです。
サボテンは基本、枯れることはない。初心者がよくやりがちなのは、「枯らす」ではなく「腐らせる」ことなんだ。
根腐れの原因②高温多湿
サボテンは土が湿った状態で真夏の直射日光や高温に晒されると、根や地上部が傷んで根腐れを起こすことがあります。
サボテンの生育適温は20度~30度。日本の夏はサボテンにとってかなりのストレスです。
梅雨~夏にかけては、水遣りの頻度を下げて土を乾かし気味にしてね。春や秋と同じように、土が乾いたタイミングですぐ水遣りしていると、土が常に湿った状態になることで、根腐れを起こしやすくなるから注意。
根腐れの原因③根詰まり、土の劣化
▲土は古くなると粒が崩れて団子状に固まりやすくなる
鉢植えでサボテンを育てている場合、2年以上植え替えないままだと根詰まりや土の劣化によって、鉢内が蒸れやすくなります。
結果、根が蒸れて根腐れを起こすリスクが高まります。
鉢の中が根っこでいっぱいになると、根がスムーズに水分を取り込めなくなるよ。また、土は経年によって粒が崩れ、カチコチに固まってくる。サボテンは水はけの良い土を好むから、土が蒸れると根が傷みやすくなっちゃうんだ。
根腐れの原因④通気性の悪い鉢、鉢が大きすぎる
鉢が大きすぎたり、底穴の無い鉢にサボテンを植えていると、根が蒸れて腐りやすくなります。
サボテンを長く育てるなら、通気性の良い鉢と丁度良い大きさの鉢が必須です。
鉢が大きすぎると株に対して土の量が多すぎることになる。土が多いとそれだけ沢山の水分を貯め込むことになるから、吸いきれずに残った水分が長く停滞することで、根が傷みやすくなるんだ。
根腐れの原因⑤保水性の高すぎる土
草花用の土や野菜用の土、観葉植物用の土などは保水性が高すぎるため、サボテン向きではありません。
サボテンを植えるなら水はけに優れる土を選びます。
土は長く湿り続けることで根腐れのリスクが高くなるよ。特に、サボテンは夏と冬に生育が鈍る。土が湿った状態で寒さにあたると凍結、暑さに晒されると煮えて根が傷みやすい。
根腐れの原因⑥肥料の遣りすぎ
サボテンに肥料を与えすぎると、吸いきれずに残った肥料分が鉢内に長く停滞することで、根に深刻なダメージを与えることがあります。
サボテンは肥料なしでも問題なく育つことがほとんどですが、肥料を与える場合は春か秋が適しています。
ただし、根詰まりを起こした状態の時や、株が明らかに弱っている時などは肥料を控えてね。吸いきれない程の肥料は毒になってしまう。いわゆる「肥料焼け」。
根腐れしたサボテンを復活させる方法
手順①腐った部分を切り落とす
まずはぶよぶよに腐った部分をカットします。
根腐れの場合、株元付近が茶色く腐っていることが多いです。
▲断面に茶色い腐敗部分が残らないようにする
断面に茶色い腐敗部分が無くなるまでカットしてね。このとき、余った部分(断面が白い部分)が短すぎると復活は難しいかも。
手順②切り口に殺菌剤を塗布
殺菌剤(オーソサイド等)を断面にまんべんなく付着させましょう。
殺菌剤は腐敗を食い止め、二次感染を防ぐために必要です。
手順③30日ほど乾燥させる
殺菌剤を塗布したらすぐ土に植えず、そのまま1ヶ月ほど切り口を乾燥させます。
うまくいけば乾燥から2か月~3か月くらいで断面から根っこが出てくるはずです。
手順④発根後、土に植えつける
切り口を1ヶ月ほど乾燥させたら、水はけの良い清潔な土に植えつけます。
できれば2~3か月くらい経って、切り口から根が出てきてから土に植えつけた方が安心です。
しっかり根が張るまでは直射日光を避けて。1ヶ月ほどして十分に根が張ったら通常の管理へ移行しよう。
根腐れ回避!サボテンを健康に育てるコツ3つ
根腐れ回避のコツ①梅雨~夏と冬は乾かし気味にする
生育が鈍る梅雨~真夏・冬は、土が乾いてさらに5日くらい経ってから、土の約1/3が湿るくらいの量で水を与えることで根腐れを回避できます。
生育が鈍ると同時に弱まるのが、根が水分を吸い上げる力です。
生育が盛んな春・秋は、土がしっかり乾いたタイミングで水を与えてok。ただ、基本は乾燥に強いから、水の遣り忘れよりは遣りすぎによるリスクの方が高いよ。
根腐れ回避のコツ②室内なら南~東向きの窓際に置く
▲ちなみに筆者は気温が許す限り(0度くらいまで)は屋外管理してます。
サボテンを室内で育てるなら、明るく風通しの良い南~東向きの窓際に置くのが最低条件です。
サボテンは観葉植物と違って耐陰性がほとんどないため、日当たりが悪いと徐々に弱ってしまいます。
ひょろひょろと細長く伸びるのは、光線不足による「徒長(とちょう)」の代表的な症状なんだ。すでに徒長した部分を元に戻すことはできない。仕立て直すなら春に「胴切り」するのが効果的。徒長したサボテンは、ちょっとしたストレスでもダメージを受けやすくなってしまうよ。
根腐れ回避のコツ③水はけの良い土と鉢をチョイス
サボテンの土は水はけの良い「多肉植物・サボテン用土」を使います。
また、鉢は通気性に優れる素焼き鉢やスリット鉢がおすすめです。
どんなに管理を気を付けていても、肝心の鉢と土がサボテンに合っていなければ、根腐れを起こすリスクは高いままだよ。
まとめ
- サボテンが根腐れした時の症状には、「株元がしぼむ、ぐらぐら、ぶよぶよ」「土が7日以上湿りっぱなし」「茶色や黄色に変色」などがある
- サボテンが根腐れする原因には、「水の遣りすぎ」「高温多湿」「根詰まり、土の劣化」「通気性の悪い土、鉢」「保水性の高すぎる土」「肥料の遣りすぎ」などがある
- 根腐れしたサボテンを復活させるには「胴切り」が効果的。腐った部分を切り取って発根させる方法
- サボテンの根腐れを回避するためには、「梅雨~夏・冬は土が乾いてさらに5日くらい経ってから水遣りする」「室内なら南~東向きの窓際に置く」「水はけの良い土と鉢をチョイス」の3つが重要