「朝起きたら、多肉植物がしなしなに…」
そんな経験はありませんか?
冬の冷え込みや霜は、多肉植物にとって大敵。放っておくと、数日のうちに葉がどろどろになってしまうことも。
この記事では、霜や寒さでしなしなになった多肉植物の復活方法と、冬に備える霜対策をくわしく解説します。
多肉植物がしなしなになる原因は?まず確認したい3つのポイント
原因①:水切れ(乾燥しすぎ)
葉がしわしわになり、触ると軽く感じる場合は水切れのサインです。
特に真夏や暖房の効いた室内では、想像以上に土が早く乾いていることも。
鉢を持ち上げて軽いと感じたら、根まで水が届いていない可能性があります。
対処法
たっぷりと水を与え、風通しのよい日陰で回復を待ちましょう。
1〜2日ほどで葉がふっくら戻ってくることもあります。
原因②:根腐れ(過湿)
葉が柔らかく、ぶよぶよとした感触になっている場合は、根腐れが疑われます。
常に湿った状態が続くと根が酸欠になり、腐敗菌が繁殖して根が黒く変色します。
対処法
一度鉢から抜き、根の状態を確認しましょう。
黒くなった根や葉を清潔なハサミでカットし、乾燥させてから新しい土に植え替えます。
再発防止のため、排水性の良い多肉用土を使うのがポイントです。
原因③:徒長や蒸れなどの環境ストレス
風通しが悪い、日照不足、急な温度変化なども、しぼみの原因になります。
特に梅雨時期や冬の室内などは湿気がこもりやすく、蒸れによって根が傷むことも。
対処法
通風の良い明るい場所へ移動させ、置き場所を見直しましょう。
直射日光ではなく、レース越しの柔らかい光が理想的です。
また、エアコンの風が直接当たらない位置に置くことも大切です。
水やりしても復活しないときの見極め方
チェック①:茎が硬いか確認
まずは茎を軽くつまんでみましょう。
茎がまだ硬い場合は、内部の水分が保たれており復活の可能性があります。
水やり直後はすぐに変化が見えなくても、数日〜1週間ほどで徐々にハリを取り戻すこともあります。
チェック②:葉の中心や根元が黒くないか
葉の中心や根元部分が黒く変色している場合は、腐敗が進行しているサインです。
そのまま放置すると他の部分まで傷みが広がってしまうことも。
早めに黒い部分を切除し、清潔な土に植え替えましょう。
チェック③:臭いの有無を確認
株元に鼻を近づけてみて、腐ったような悪臭がする場合は根腐れが進んでいます。
この場合、残念ながら元の株は復活が難しいことも。
ただし、茎や葉の一部がまだ元気なら、挿し木や葉挿しで再生を試みることができます。
しぼんだ多肉を復活させる手順【再生方法】
ステップ①:鉢から抜いて根の状態を確認
まずは株を鉢からそっと抜き、根の状態をチェックします。
健康な根は白〜淡い黄土色、しっかりしているのが目安です。
ステップ②:腐った根・葉をカット
黒く柔らかい根や葉は腐敗が進行しているサイン。
ハサミやカッターで切り落とし、清潔な状態に整えましょう。
ステップ③:2〜3日乾かしてから植え直す
切り口を乾かすことで、腐敗防止や病気予防になります。
風通しのよい日陰で2〜3日置いて乾燥させてから、新しい土に植えます。
ステップ④:最初の水やりは植え替え後3〜5日後
植え替え直後に水を与えると、再び根腐れの原因に。
最初の水やりは3〜5日待ってから行うのが安全です。
復活しやすい多肉・しにくい多肉の違い
復活しやすい多肉植物
生命力が強く、多少の環境変化にも耐えられる多肉植物は、復活の可能性が高いです。
代表的な種類には以下があります:
- エケベリア系:葉が厚くぷっくりしており、茎もしっかりしている
- グラプトペタルム系:株全体が丈夫で乾燥や過湿にも比較的強い
これらは、茎や葉が硬く水分をしっかり蓄えられるため、葉がしぼんでも回復しやすいのが特徴です。
復活しにくい多肉植物
一方で、比較的生命力が弱く、環境変化に敏感な多肉もあります。
- セダム系の一部:細かい葉や茎が柔らかく、過湿に弱い品種が多い
- ハオルチアの一部:水分管理が難しく、根腐れしやすい
こうした多肉は、葉がしぼんだり根が傷むと、回復が難しくなる傾向があります。
見分け方のポイント
多肉の復活力を判断するには、茎の太さ・硬さが重要です。
- 茎が太くしっかりしている → 生命力が強く復活しやすい
- 茎が細く柔らかい → 環境変化に弱く復活しにくい
また、葉の厚みや株全体の水分保持力も参考になります。
初心者はまず、茎がしっかりしたエケベリア系やグラプトペタルム系を育てると安心です。
それでもダメなときは…葉挿し・挿し木で再生しよう
多肉植物がしぼんで元の株が復活しない場合でも、元気な葉や茎を使って新しい株を育てることができます。
これにより、大切な多肉を失うリスクを最小限に抑えられます。
葉挿しでの再生方法
- 健康な葉を選ぶ
茎や葉の中でも、ぷっくりして硬さが残っている葉を選びます。
※しわしわや柔らかすぎる葉は避ける - 葉を切り取る
根元から優しく引き抜くか、清潔なハサミでカットします。
※切り口は数時間〜1日乾かして水分を落とす - 土の上に置く
乾燥気味の土の上に葉を並べ、日陰で管理します。
※土に刺さなくても大丈夫。葉の下から根や芽が出ます - 発根・発芽を待つ
数週間〜1か月で小さな根や芽が出てきます。
※発芽後に水を少量ずつ与えながら育てる
挿し木での再生方法
- 健康な茎をカット
株元から茎を清潔にカットし、葉の一部を取り除きます - 切り口を乾かす
数時間〜1日ほど風通しの良い場所で乾燥させます - 土に挿す
乾かした茎を乾燥気味の土に挿します
※水は与えすぎず、土が乾いたタイミングで少量ずつ - 新しい根の成長を待つ
数週間〜1か月で根が伸び始めます
※根が出るまでは直射日光は避け、明るい日陰で管理
多肉植物が霜にやられたときによくある症状は?
霜や凍結は多肉植物に深刻なダメージを与え、さまざまな症状が現れます。以下に霜にあたった場合の多肉植物の症状をいくつかご紹介します。
多肉植物が霜に当たった時の症状①葉や茎がくたっとする
凍結や霜によって、多肉植物の組織が破壊されるため、葉や茎がしなしなになることがあります。
多肉植物が霜に当たった時の症状②黄色っぽくなる
凍結により多肉植物の細胞が破壊されると、栄養不足によって葉や茎が黄色くなることがあります。
多肉植物が霜に当たった時の症状③どろどろになる
凍結により多肉植物の組織が壊れ水分が漏れ出すため、どろどろになることがあります。
多肉植物が霜に当たった時の症状④葉の凹みやえぐれ
霜や霙(みぞれ)、霰(あられ)等にあたった場合、葉の形が凹んだりえぐれたようになることがあります。

これらの症状が現れた場合、多肉植物を元の状態に戻すのは困難。そのため、事前の予防や霜対策が非常に重要だよ!冬の寒さ対策については以下記事も参考にしてみてね。

霜から多肉植物を守れ!霜対策の準備と方法
冬の到来に備えて、多肉植物を霜から守るための対策を準備しましょう。以下に、冬越しの準備と方法をご紹介します。
霜対策の準備
まずは、霜から多肉植物を守るための準備を行いましょう。
- 簡易温室の用意: 多肉植物を屋外で管理する場合は簡易温室が役立ちます。園芸用の簡易温室を購入するか、自作することも可能です。
- 棚の設置: 簡易温室内に棚を設置することで、多肉植物を効果的に配置することができます。スペースに合わせて適切な棚を用意しましょう。
簡易温室への配置
簡易温室に設置した棚に多肉植物を配置しましょう。換気の確保も忘れずに。
簡易温室内は高温多湿になりやすいため、換気を十分に行いましょう。
地面よりも高い位置に設置し冷気を防ぐ
霜や冷気から多肉植物を守るためには、地面よりも高い位置に多肉植物を配置することで、冷気の影響を緩和させることができます。
霜の心配がある日の夜は軒下へ移動しておく
軒下は霜が降りにくい場所です。霜の心配がある場合は多肉植物を軒下に移動させましょう。
不織布を被せておくのも良い
不織布をかぶせて冷気から多肉植物を保護しましょう。
不織布は蒸れにくく換気も可能なので便利です。
朝晩の冷え込みがきつくなりそうなら夜間のうちに玄関や土間へ避難させておく
冷え込みが厳しい夜間や明け方に多肉植物を一時的に玄関や土間に避難させましょう。
また、寒さ対策が難しい場合や特に寒冷地の場合は、一部の多肉植物を室内に避難させることも考えましょう。

寒くなりそうな日の前は水遣りを控えて土を乾かしておこう。葉にシワが寄っても大丈夫。多肉は水の遣り忘れよりやり過ぎの方がマズイ。特に冬はそれが顕著。
☆★ちなみに多肉植物の紅葉については以下記事を参考にしてみてください。↓↓

FAQ:しぼんだ多肉植物によくある質問
Q1. 水やりしてからどれくらいで葉が戻りますか?
A1. 早ければ1〜2日、遅くても1週間ほどで変化が見られます。ただし、株の状態や環境によって回復速度は異なります。
Q2. ぶよぶよしている葉は復活しますか?
A2. 残念ながら復活しません。腐敗が進む前にカットして、再発を防ぐことが大切です。
Q3. 夏と冬でしぼむ原因は違う?
A3. はい。夏は蒸れや高温による水分不足、冬は寒さや水のやりすぎによる根腐れが主な原因です。
Q4. どのくらい乾いたら水やりすればいい?
A4. 鉢底まで土が完全に乾いたら水やりのタイミングです。表面だけ乾いても水分が残っていることがあります。
Q5. 枯れた葉はどうすればいい?
A5. 放置せず取り除くと通気性が良くなり、カビや病気の予防になります。
Q6. 多肉が日光不足でしぼむことはありますか?
A6. はい。日光不足により光合成がうまくできず、葉がしわしわになったり徒長したりします。明るい場所へ移動させましょう。
Q7. 根腐れしているかどうかの見分け方は?
A7. 茎や根が柔らかく黒ずんでいる、悪臭がある場合は根腐れの可能性があります。
Q8. しぼんだ多肉を復活させる水やりのコツは?
A8. たっぷり水やりをしたあと、日陰で回復を待ちます。焦って何度も水を与えないことがポイントです。
Q9. 葉挿しや挿し木で復活できますか?
A9. はい。株自体が復活できなくても、元気な葉や茎を使って新しい株を育てることが可能です。
Q10. 冬でも水やりは必要ですか?
A10. 冬は成長が止まるため、水やりは控えめでOKです。断水気味に管理すると根腐れや凍結のリスクを減らせます。
まとめ
多肉植物は寒さに弱いと言われますが、特に霜や凍結は致命傷となります。
霜にさらされた多肉植物は葉や茎がくたっとしなしたり、黄色く変色したりするなど、さまざまな症状が現れます。
また、霜にあたってしまった多肉植物を元の健康な状態に戻すためには、適切な処置が必要ですが、すでに傷んでからでは手遅れになることも多いです。
寒さに強い多肉植物の品種もあるものの、やはり霜に当たってしまえば復活は難しくなります。

多肉を冬越しさせるなら霜対策は必須!