多肉植物を地植えで育てたいけど、雨ざらしでも大丈夫なのかな?
地植えに向く多肉と地植えに向かない多肉の違いが分からない…。
多肉植物はを屋外で育てる際には雨や湿気に注意が必要です。
そこで今回は、地植えでも育てやすい多肉植物と地植えは避けるべき多肉植物を紹介。
さらに、寄せ植えした多肉植物の雨対策、多肉植物を地植えで育てる際のメリットやデメリットとその注意点などをお届けします。
高温多湿、霜は多肉の大敵!多肉を地植えする(=雨ざらし)場合、その多肉が地植えの環境に耐えられるのかをあらかじめ確認しておこう。
雨ざらしでも大丈夫。地植えでも育てやすい多肉植物たち
多肉植物は高温多湿を嫌います。地域にもよりますが、日本の夏はまさに高温多湿…。
そのため、多肉植物を屋外で育てるなら基本は鉢植えで育てるのが安心です。
ただし、地植え育てられるほど丈夫な多肉植物もあります。以下では、地植えでも育てやすい多肉植物を紹介します。
センペルビウム
- 北海道の屋外でも冬越しできるほど寒さに強い
- 子株がどんどん増えるので万が一、失敗しても挿し木や株分けで復活させやすい
- ただし、高温多湿は苦手なので梅雨~夏にかけては遮光ネットをかける等して対策を
- 土は水はけの良いものをチョイス。多肉植物・サボテン用の土がおすすめ
センペルビウムはとにかく寒さに強い!一般的にはマイナス10度程度までは耐えられるといわれるよ。中にはマイナス30度まで耐えられるものも。霜や雪に晒されても春には新芽を吹きだすことが多い。
グラプトベリア
- セダム属とエケベリア属の交配種であり、地植えにも適した多肉植物
- 乾燥に強く、豪華な葉の形や色合いが特徴であり観賞価値も高い
エケベリアに比べると丈夫な種類が多い。ちなみに筆者は「朧月」と「ブロンズ姫」「姫秋麗」を育てているよ。昔からある朧月は地植えでも育てられるほど丈夫で強い。
セダム
- 乾燥に強く、寒さにも強い。マイナス5度程度までは耐えられることが多い
- ただし、高温多湿は苦手。地植えにする場合は水はけの良い土をチョイス
- 夏場の直射日光で葉が傷みやすいため様子を見て遮光ネットを使用
セダムの人気品種は「恋心」や「乙女心」「虹の玉」など。寒さに当たるとポッと赤く色づくとっても可愛い多肉だよ。
雨ざらしは避けた方が無難。地植えには不向きな多肉植物たち
葉がロゼット状に広がる多肉は葉の重なりに水分が溜まりやすく、雨ざらしだと蒸れやすい傾向にあります。
そのため、以下の多肉植物は地植えよりも鉢で育てるのがおすすめです。
エケベリア
- 葉がロゼット状に広がるためやや蒸れやすい傾向
- 幅広い種類があり、独特で美しい葉の形や色合いが特徴
- 乾燥に強く、寒さにも耐性があるが高温と蒸れに弱いため地植えには不向き
お花のように広がる葉がエレガントな多肉植物。葉の重なり部分に水分が溜まって蒸れやすいから、雨ざらしにするのは避けた方が無難。
ハオルチア
- 夏場の直射日光で葉が傷みやすい
- 乾燥に強く、日陰にも適応しやすい
- ただし高温多湿には弱いので地植えには向かない
コレクターも多いハオルチアは「クリスタルプランツ」とも呼ばれる美しい多肉植物。高温多湿と直射日光に弱いから鉢植えで育てるのがおすすめ。
クラッスラ
- 乾燥に強く、寒さにもかなり強い(品種にもよるが0度程度までは耐えられることが多い)
- 葉の形や色のバリエーションも豊富で魅力的な種類が多い
- 高温多湿に弱いので移動が可能な鉢植えで育てるのが良い
クラッスラには真っ赤に紅葉する「火祭り」や「花月錦(クリーム色の金のなる木)」「星の王子」「銀箋(ぎんぞろえ)」などがあるよ。種類豊富で見ても触れても楽しめる!
メセン(リトープス、コノフィツムなど)
- 多肉植物の中では珍しく冬に生育がさかんになる冬型種がメセンだが、寒さに強いというわけではない。雪や霜に当たると傷みやすい
- 耐えられる寒さは5度程度まで。極端な暑さにはかなり弱い
- 移動が可能な鉢植えで育てるのが基本
コロンとした見た目が可愛いリトープス。高温多湿にはかなり弱いから地植えは避けて。
セネシオ(グリーンネックレスなど)
- 直射日光に当たると葉焼けを起こしやすいため、移動できる鉢で育てるのが基本
- 蒸れに弱いので地植えで雨ざらしだと根が傷みやすい
ネックレス状に垂れ下がる粒が可愛いグリネは人気の多肉植物。通気性に優れる素焼き鉢で育てると管理しやすいよ。土は水はけと保水性のバランスが取れたものがおすすめ。多肉植物では珍しく、比較的水を好む傾向あり。ただし蒸れ過ぎるのは×。
多肉植物を地植え・雨ざらしで育てるときの注意点
多肉植物を地植えで育てる際には、いくつかの注意点と管理方法を押さえる必要があります。
以下に、地植えで多肉植物を育てる際の注意点と管理方法をまとめました。
基本は雨だけで十分
- 基本は雨だけで十分
- 生育期、土が乾燥していて葉にシワが寄っている場合は水やりを行う
- 休眠期には過剰な水やりをせず、月に1回程度の水やりで十分
- 注意点として、水を与え過ぎると根腐れの原因になるので基本は放置
肥料は植え付け時の元肥のみでok
- 地植えの多肉植物は乾燥地帯での生育に適しているため多くの肥料は不要
- 植え付け時に少量の肥料を混ぜる程度で基本的には追肥は不要
葉が混みあってきたらカットして風通しを良くする
- 地植えで育てる多肉植物は根を広く広げるため、大きく成長させることが可能
- 定期的な剪定によって風通しをよくし、見た目も美しく整える
多肉植物を地植えで育てるときの注意点
- 土の排水性が良いことが重要。市販の多肉植物専用の培養土がおすすめ
- 地植えの場所は風通しの良い場所を選ぶ。土が長時間湿ったままになると根が傷む
- 日照時間が4〜5時間確保できる日当たりの良い場所を選ぶ
- 梅雨~夏にかけては降雨後の直射日光に注意。蒸れそうなら遮光ネットを使用して強光を避ける
地植えにすることで根がどんどん広がって株が充実していくよ。より自然に近い姿を楽しむことができる!
多肉植物を地植え・雨ざらしで育てるメリット・デメリット
地植えで多肉植物を育てることには、いくつかのメリットとデメリットがあります。以下に解説します。
多肉植物を地植えにするメリット
地植えで多肉植物を育てると、次のようなメリットがあります。
- 株が充実する: 地植えにすることで、多肉植物の根の成長が促進されます。根が広く深く伸びることで植物はよりしっかりとした根元を形成し、株がどんどん充実していきます。
- 水やりの手間が少なく済む: 多肉植物は水を蓄える能力がありますので、地植えでは水やりの頻度が少なくて済みます。地中から吸収する水分によって、植物は十分な水分を摂取し、根の健康を保つことができます。
- より自然でのびのびとした姿を楽しめる: 地植えにすることで、多肉植物が自然の中でのびのびと成長する様子を楽しむことができます。庭やガーデンで他の植物と組み合わせて植えることで、美しい景観を作り出すこともできます。
多肉植物を地植えにするデメリット
地植えで育てる多肉植物には、以下のようなデメリットもあります。
- 葉焼けのリスク: 多肉植物は日光に強いですが、直射日光に晒されると葉が焼けやすいです。特に夏場や猛暑の日は、日陰になるような工夫をする必要があります。
- 梅雨時の根腐れ: 多肉植物は乾燥を好むため、梅雨時の高温多湿な環境では根腐れのリスクが出てしまいます。水はけの良い土を選び、過剰な水やりを避けることが大切です。
- 土壌の改良: 地植えにするためには、適切な土壌の準備が必要です。水はけの良い土壌を確保するために、砂や赤玉土を混ぜ合わせるなどの改良が必要です。
長雨が続く梅雨は要注意。水はけの良い土を使うことで根腐れを回避しよう。また、土が湿った状態で真夏の直射日光に当たると根が煮えて傷みやすいから気を付けて。
多肉植物を地植え・雨ざらしで育てる時に押さえておくべきポイント4つ
多肉植物は乾燥には比較的強いですが、湿気に弱い品種も多く存在します。
以下に、雨ざらしの多肉植物を適切に管理するための具体的なアイデアを紹介します。
ビニールシートやビニール傘で雨を避ける
多湿を嫌う多肉植物にとって長雨は根を傷める原因になります。
ビニールシートやビニール傘を使って多肉植物を覆うことで、雨から保護することができます。
屋根付きの雨よけ棚を作る
波板や他の素材を使用して、屋根のある雨よけ棚を作ることも一つの方法です。
これにより、多肉植物を雨から守りながら屋外での育成を楽しむことができます。
虫カゴを利用する
多肉植物の上に虫の飼育ケースをかぶせることで、雨水の直撃を防ぎつつ通気性を確保することができます。
地植えにしている以上、完全に雨を防ぐことはできない。雨に濡れた場合は、直射日光を避け、風通しのよい場所に移動させて早く乾燥させるようにしよう。
寄せ植えした多肉植物の雨対策
寄せ植えでは、異なる種類の多肉植物を同じ鉢に植えることが一般的です。
しかし、多肉植物は品種によって性質が微妙に異なります。雨ざらしで寄せ植えした多肉植物には注意が必要です。
1. 混みあった葉が定期的にカット: 多肉植物を寄せ植えすると、葉が密集することで葉と葉の間に水滴がたまりやすくなります。混みあった葉は定期的にカットして風通し良くしておきます
2. 濡れた状態で高温に晒さない: もし多肉植物が雨に濡れてしまった場合は、高温に晒さないことが大事です。特に夏場は水温の上昇によって根が煮えて傷みやすいです。遮光ネットを使って土が乾くまでは強い日差しに気を付けましょう。
3. 種類ごとの注意点: 多肉植物の中には雨に弱い種類も存在します。特にエケベリアなどの葉がロゼット状に並んでいる種類は、水滴が葉の間にたまりやすいです。濡れてしまった場合は、水滴を飛ばしたりすることで葉と葉の間の湿気を除去しましょう。
多肉植物を寄せ植えするなら、同じ性質を持つ品種ごとに植えることで管理しやすくなるよ。寒さに超強いセンペルビウム以外は、霜・雪に当てないよう注意してね。
多肉植物の地植えに関するよくある質問
Q1. 多肉植物を屋外で育てる際、梅雨時期はどう対策すべき?
A1. 多肉植物を地植えで育てる際は、ビニールシートやビニール傘で覆ったりすることで長雨に対処できます。屋根付きの雨よけ棚を作ったり、虫の飼育ケースを利用したりする方法もあります。
Q2. 寄せ植えした多肉植物の雨対策は何がありますか?
A2. 寄せ植えした多肉植物の雨対策としては、鉢内に水を溜めないように注意したり、濡れた場合は早く乾かすようにしたりすることが重要です。特にエケベリアなどの葉がロゼット状に並んでいる種類は水滴がたまりやすいため注意が必要です。
Q3. 地植えで育てる多肉植物のメリットは何ですか?
A3. 地植えで育てる多肉植物のメリットとして、根の伸びや水やりの頻度の軽減、自然の中での成長を楽しめることが挙げられます。
Q4. 地植えで育てる際の注意点はありますか?
A4. 地植えで育てる際には、水やりのポイントや肥料の与え方、剪定の重要性などに注意が必要です。また、土壌の排水性や日当たりの良い場所の選定も重要です。夏場は土が湿った状態で強い日光に当たらないよう気を付けてください。特に夕方の強烈な西日には要注意です。遮光ネットや日よけなどを使って対策しましょう。
土が湿った状態で高温に晒されると、土に含まれる水分の温度が急上昇して根が傷んでしまう。逆に、土が湿った状態で寒さに晒されると根が冷えたり凍結したりして一気に弱ってしまうよ。極端な暑さや寒さに晒される時期は、土を乾かし気味にしておこう。
多肉植物は雨ざらしで大丈夫?地植え向きの多肉と不向きな多肉【まとめ】
- 多肉植物を地植え(雨ざらし)で育てるなら土選びと品種選び、長雨対策が重要
- 地植えしても大丈夫なほど強健な多肉には、センペルビウムやセダム、グラプトペタルムなどがある
- 地植えに向かない多肉には、エケベリアやハオルチア、リトープスやグリーンネックレスなどがある
- 多肉植物を地植えにする場合、梅雨~夏の高温多湿に要注意
- 水はけの良い土に植えつけること、土が湿った状態で過度の暑さ・寒さに晒さないことで根を守る
- 葉が混みあってきたら定期的にカットして風通しを確保することも大事