多肉植物はその可愛らしい姿から根強いファンが多く、
とはいえ、長く育てているうちに葉の色が薄くなる…といった症状にお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、多肉植物の葉の色が薄くなる原因とその対処法について詳し
多肉植物の色が薄くなるのはなぜ?

色が薄くなる主な原因は「日光不足」「根詰まり」「栄養不足」の3つ
多肉植物の葉の色が薄くなってしまう主な原因は、「日光不足」「根詰まり」「栄養不足」の3つです。
これらの要因によって、葉の中の色素(クロロフィルやアントシアニンなど)が十分に作られず、
本来の鮮やかな色合いが失われてしまいます。
特に多いのは「日光不足」
多肉植物の色が抜けて緑っぽくなってしまう原因の中でも、最も多いのが日照不足です。
日光が足りない環境では、葉が光を求めて徒長し、さらに色素が生成されにくくなってしまいます。
「紅葉していたのに、いつの間にか緑に戻ってしまった」というケースの多くは、日光不足が原因です。
適切な管理をすれば数週間〜1か月で発色が戻る
安心してください。
一度色が薄くなってしまっても、適切な管理をすれば再び色は戻ります。
日当たりを見直し、根詰まりを解消し、必要に応じて栄養を補ってあげれば、早ければ2〜3週間、遅くても1か月ほどで発色が改善します。
焦らずゆっくりと、植物が環境に慣れるのを待ちましょう。
多肉植物の色が薄くなる主な原因5つ

① 日光不足(最も多い原因)
多肉植物の色が薄くなる原因として、最も多いのが日光不足です。
特に室内や窓辺で管理している場合、見た目以上に光量が足りていないことがあります。
日光が不足すると、葉の中で色素(アントシアニンやカロテノイド)が生成されにくくなり、
本来の赤やピンクの発色が失われて緑っぽく・淡い色になってしまいます。
また、光を求めて茎が間延びする「徒長」も起こりやすく、形が崩れる原因にも。
対処法
- 気温が安定している時期は屋外で日光に慣らす(半日陰からスタート)
- 室内管理なら植物育成ライトで補光するのもおすすめです。
少しずつ明るい環境に慣らせば、2〜3週間ほどで発色が戻りはじめます。
② 根詰まり(酸欠で吸収不良)
鉢の中で根がいっぱいになっていると、水分や養分をうまく吸収できなくなります。
この状態を「根詰まり」といい、根が呼吸できず酸欠状態になることで、
葉が黄色っぽく・色が抜けたように見えることがあります。
特に長く植え替えをしていない株ほど、根がぎっしり詰まって通気性が悪くなりがちです。
対処法
- 目安は2年に1回の植え替え
- 根を1/3ほど整理し、通気性の良い新しい土に植え替える
- 鉢底石を敷いて水はけを確保する
植え替え後は直射日光を避け、1週間ほど休ませてから通常管理に戻しましょう。
③ 栄養・肥料不足
多肉植物は肥料が少なくても育ちますが、長期間まったく与えないと栄養不足になります。
特に、発色を支える鉄・マグネシウムなどの微量元素が不足すると、
葉が淡くなり、緑色の中に黄色みが混ざることがあります。
対処法
- 春・秋の生育期に緩効性肥料を少量与える
- 即効性を求めるなら薄めた液肥(2〜3倍希釈)を月1回程度
- 肥料焼けを防ぐため、乾いた土に施肥する
過剰な肥料は逆効果なので、控えめを意識しましょう。
④ 土質が合っていない
意外と見落としがちなのが、土の性質が合っていないことです。
保水性が高すぎる一般的な園芸用培養土を使っていると、根が常に湿って酸欠状態に。
結果、根の活動が低下して葉の色が薄くなったり、根腐れを起こすこともあります。
対処法
- 市販の多肉植物専用培養土を使用する
- 自作する場合は、赤玉土:鹿沼土:パーライト=4:3:3の割合が目安
- 水はけを良くするため、鉢底に軽石を敷く
適した土に替えるだけで、根の活性が上がり、葉色も鮮やかさを取り戻します。
⑤ 季節変化・紅葉戻り
冬に赤く染まっていた多肉植物が、春〜夏にかけて緑色に戻るのは自然な現象です。
これは「紅葉戻り」と呼ばれ、気温の上昇や日差しの変化によって、葉の中のアントシアニン(赤色素)が減少するために起こります。
決して弱っているわけではないので、焦る必要はありません。
対処法
- 春〜夏は発色より健康管理を優先
- 秋〜冬の気温低下とともに再び色づく
- 通年で楽しみたい場合は、日照時間を安定させる
自然のサイクルを理解しておくと、季節ごとの色変化も楽しめるようになります。
多肉植物の葉が白っぽくなる場合の原因と見分け方

多肉植物の葉が「白っぽく見える」とき、実は色が薄くなる場合とは原因が異なることが多いです。
ここでは、代表的な3つの原因と見分け方を簡潔にまとめます。
① ブルーム(果粉)によるもの【自然な現象】
葉の表面に白く粉をふいたように見える場合、それは「ブルーム(果粉)」と呼ばれる天然の保護膜です。
ブルームは、強い日差しや乾燥から葉を守るために多肉植物が自ら作るもの。
異常ではなく健康なサインなので、触ったり拭いたりせず、そのままにしておきましょう。
指でこすると簡単に落ちてしまい、再生には時間がかかるため注意が必要です。
② 葉焼けによる白っぽさ【直射日光の当たりすぎ】
強い直射日光を急に当てると、葉の表面がダメージを受けて白っぽく変色します。
これは「葉焼け」と呼ばれる症状で、特に春先や梅雨明けなど、
光量が急に増える時期に起こりやすいです。
症状としては、
- 葉の一部が白く・茶色く変色
- 表面がザラつく・乾いたようになる
などが見られます。
対処法
- 明るい半日陰で管理し、少しずつ日光に慣らす
- 日中の直射日光は避け、遮光ネットやレースカーテンで調整
③ 白カビ・害虫による白っぽさ【注意が必要】
葉や茎の根元に綿のような白いものがついている場合、
それは「コナカイガラムシ」などの害虫、もしくは白カビの可能性があります。
いずれも放置すると繁殖し、株全体が弱ってしまうことも。
見分けのポイント
- ふわふわ・綿状でベタつく → 害虫(カイガラムシ類)
- 土や茎にも白いモヤ → カビの可能性
対処法
- ティッシュで拭き取り、アルコールで除去
- 被害が広い場合は殺虫剤(オルトランDXなど)を使用
- 湿度を下げ、風通しの良い環境を保つ
多肉植物の色を元に戻すための具体的なコツ5選

色が薄くなった多肉植物も、環境を整えれば再び鮮やかな発色を取り戻せます。
ここでは、初心者でもすぐ実践できる5つの具体的なコツを紹介します。
① 日当たりを確保する(屋外 or LEDライト)
多肉植物の発色に最も大きく影響するのは日光量です。
日光をたっぷり浴びることで、葉の中でアントシアニンなどの色素が生成され、本来の赤・ピンク・オレンジといった鮮やかな色が出やすくなります。
ただし、急に強い日光に当てると葉焼けを起こすため、数日かけて少しずつ屋外環境に慣らすのがポイント。
- 春・秋:午前中~昼前のやわらかい日光に当てる
- 夏:明るい半日陰(遮光ネットが◎)
- 室内:植物育成ライトで1日8時間程度補光
特に室内栽培の場合、LEDライトの補光だけで発色が戻るケースも多いです。
② 水やりを控えめにして徒長を防ぐ
水を与えすぎると、根が常に湿った状態になり、多肉植物は光を求めて徒長(ひょろ長く伸びる)しやすくなります。
徒長すると色が薄れ、形も崩れてしまいます。
対処法
- 土が完全に乾いてから水を与える
- 受け皿にたまった水はすぐ捨てる
- 成長期以外(冬・真夏)は水やり頻度を減らす
メリハリのある水管理で、葉が締まり、発色も良くなります。
③ 鉢と土を見直す(排水性重視)
鉢や土の状態が悪いと、根が呼吸できずに弱ってしまい、結果として葉色も冴えなくなります。
見直しポイント
- 鉢底穴があるものを使用
- 通気性・排水性の良い土を選ぶ(多肉植物用培養土がおすすめ)
- 水はけを高めたい場合は、軽石やパーライトを2〜3割混ぜる
特に「見た目重視の鉢」を使っている場合、排水が悪いことがあるので注意。
健康な根を維持することで、色ツヤの良い葉を保てます。
④ 成長期に少量の肥料を与える
多肉植物は肥料を多く必要としませんが、長期間肥料なしだと栄養不足になり、発色が鈍くなります。
ポイント
- 春・秋(生育期)に緩効性肥料を少量与える
- 液体肥料を使う場合は2〜3倍に薄めて月1回程度
- 肥料焼け防止のため、乾いた土に与える
また、微量要素(鉄・マグネシウム)を含む肥料を選ぶと、葉の色つやが良くなりやすいです。
⑤ 風通しを良くして根腐れを防ぐ
風通しの悪い環境では、湿気がこもりやすく根腐れやカビの原因になります。
根が弱ると養分が吸収できなくなり、結果として葉の色がくすんでしまいます。
改善方法
- 鉢と鉢の間を2〜3cmあける
- 室内ならサーキュレーターで空気を循環させる
- 長雨時期は屋外でも軒下に移動
風通しがよくなるだけで、多肉植物は驚くほど元気を取り戻します。健康な根と新陳代謝の良い環境が、鮮やかな色を保つ秘訣です。
季節ごとの注意ポイント

多肉植物の色や健康状態は、季節によって管理ポイントが変わります。
春・秋(生育期)
多肉植物の多くは春と秋が生育期です。この時期は日光をしっかり当て、風通しのよい環境で育てましょう。
新しい葉が増えるため、少量の肥料を与えると発色が良くなります。
ただし、肥料の与えすぎは逆効果なので、月1回程度の薄めた液体肥料で十分です。
夏
真夏は直射日光が強すぎると葉焼けを起こし、白っぽく変色することがあります。
遮光ネットやカーテン越しの光で半日陰管理に切り替えるのが安心です。
水やりは朝か夕方の涼しい時間帯に控えめに行いましょう。特に夜間の蒸れに注意が必要です。
冬
冬は霜や凍結で株が傷むことがあるため、屋外での管理は避け、室内の明るい窓辺へ移動します。
日照が少なくなるため、LEDライトを補助的に使うのも効果的です。
水やりはさらに控え、土が完全に乾いてから与えるようにしましょう。
室内で色が薄くなる場合のポイント|10年の経験から

私自身、10年以上多肉植物を育てていますが、室内で葉の色が薄くなる原因の多くは日光不足です。
特に、窓から遠く離れた場所や北向きの部屋に置いている株は、ほぼ確実に光不足に陥り、葉が弱ってしまいます。
多肉植物は観葉植物と違い、光が少ない環境では長く生きられない種類がほとんどです。
発色を取り戻すには

- 気温が許す限りは屋外で育てるのがベスト
- 暑さや寒さが極端な時期のみ、室内の南向き窓際に置く
- 形が崩れた株は春先に切り戻すと、形が復活しやすい
この管理を意識するだけで、葉の色艶と株姿の両方を取り戻しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 多肉植物の色が薄くなっても復活しますか?
A1. 原因を改善すれば、2〜3週間で徐々に色づきが戻ります。日光不足や水やり管理の見直しがポイントです。
Q2. 色が薄いのは肥料不足ですか?
A2. 肥料不足も一因ですが、多くの場合は日光不足や徒長による影響が大きいです。
Q3. 夏に色が抜けたのは枯れる前兆ですか?
A3. 高温期の退色は自然現象で、問題ありません。秋になると再び発色することが多いです。
Q4. 室内でも発色させるには?
A4. 植物育成ライトを使うと効果的です。1日8時間前後の補光が目安です。
Q5. 色が戻らない場合はどうすれば?
A5. 根詰まり・古い土・通風不良をチェックし、必要に応じて植え替えや鉢の見直しを行いましょう。
Q6. 葉が白っぽくなったのは色が薄くなったのと同じですか?
A6. 似て見えますが別現象です。ブルーム(果粉)、葉焼け、白カビや害虫などが原因の場合があります。
Q7. 徒長した多肉は色が戻りますか?

A7. 日光量と水やり管理を改善すれば多少発色は戻りますが、形の改善も同時に行う必要があります。
Q8. 冬でも発色させたい場合はどうする?
A8. 室内の明るい窓辺やLEDライトで光量を確保し、水やりは控えめにすると冬でも色を保ちやすくなります。
Q9. 多肉植物の色を長持ちさせるコツは?
A9. 日光・水・肥料・風通しのバランスを整えることが基本です。季節ごとに管理を調整することも重要です。
Q10. 肥料を与えすぎるとどうなる?
A10. 過剰な肥料は徒長や葉焼けの原因になります。特に生育期以外は控えめに与えることが大切です。
まとめ|環境を見直せば多肉植物の色は戻る!
多肉植物の色が薄くなる主な原因は、日光不足・根詰まり・栄養不足の3つです。
これらの原因を改善し、適した光・土・水やりを整えることで、葉の発色は自然に復活します。
また、季節変化による退色は自然現象のため、特に心配はいりません。
正しい管理を行えば、ぷっくりとした葉と鮮やかな色を長く楽しむことができます。

