「お気に入りの七福神を自分で増やしてみたい!」と思ったことはありませんか?
花のように広がる葉が美しい多肉植物・七福神(エケベリア)は、挿し木・株分け・葉挿しなど、いくつかの方法で簡単に増やすことができます。
ただし、時期や環境を間違えると根が出なかったり、腐ってしまうことも。
この記事では、初心者でも失敗しにくい七福神の増やし方3選を画像付きでやさしく解説します!
七福神(多肉)ってどんな植物?
花のような姿が美しい「七福神」とは
七福神は、エケベリア属に分類される多肉植物の一種です。
花びらのように広がる整ったロゼット形が美しく、「多肉植物の女王」と呼ばれることも。
淡いグリーンの葉色と上品なシルエットが魅力で、寄せ植えやガーデニングでも人気があります。
肉厚な葉と整ったロゼット形が特徴
七福神の最大の特徴は、肉厚でぷっくりとした葉。葉の1枚1枚がぎゅっと詰まっており、全体が花のように広がる姿になります。
この美しい形を保つためには、十分な日当たりと風通しが欠かせません。
日照不足になると、茎が伸びてロゼットが乱れる「徒長」が起きることもあるので注意しましょう。
名前の由来は「福をもたらす縁起植物」
「七福神」という名前は、日本の福を司る神様にちなんで名付けられたといわれています。
そのため、「幸運を呼ぶ」「家に福を招く」縁起の良い植物としてプレゼントにも人気です。
海外では “Echeveria imbricata” の名前で知られ、園芸愛好家の間でも世界的に親しまれています。
七福神の増やし方を画像付きで分かりやすく解説!
七福神を挿し木で増やすのは簡単。基本は切って挿すだけ。
とはいえ、ちょっとしたコツを押さえておくことで失敗を防ぐこともできますよ。
手順①適期は春or秋
七福神の生育がさかんになるのが春と秋です。
挿し木で増やす場合、より生育がさかんな春か秋に実施することで失敗を防ぐことができます。
梅雨直前は避けた方が無難
ただし、梅雨の直前は避けた方が無難です。理由は、七福神は蒸れが苦手だから。
挿し木にしてもすぐに梅雨が到来すれば、生育が鈍って十分に発根する前に弱ってしまう恐れがあります。
手順②5cm~7cmほどカット
切れ味のよい清潔なハサミで七福神の茎をカットします。長さは約5cm~7cmほどです。
切り口を十分に乾燥させる
カットした茎は水に挿したりしないでください。切り口は十分に乾燥させます。乾いた土に挿すのもよいでしょう。
切り口が塞がっていないうちに水に晒すことで、断面から腐敗する恐れがあるからです。
手順③下葉を取り除く
土に挿す部分に葉が付いている場合、あらかじめ取り除いておきます。
下葉を取っておくことで土に挿しやすくなるだけでなく、土の中で葉が腐敗するのを防ぎます。
葉が多すぎる場合は取っておく。蒸散を抑えて発根を促す
下葉を取っておくことで過剰な蒸散を抑え、発根のためのエネルギーを確保することもできます。
取り除いた葉は「葉挿し」に使うこともできますよ。(下写真)
手順④乾いた土に挿す
下葉を取り除いた七福神の茎は乾いた土に挿します。必ず乾いた土に挿してください。水やりは10日ほどせずに発根を待ちます。
置き場所は直射日光を避けた半日陰がよいでしょう。
どんな土が適している?
挿し木で使う土に適しているのは、以下3つの条件を持つ土です。
- 水はけがよい
- 養分を含まない
- 清潔である(使い古しではない)
市販の「挿し芽・種まき用土」でok。無ければ、バーミキュライトや赤玉土(小粒)、川砂などが適しています。
手順⑤10日程経ってから水やり
土に挿して10日ほど経過したら水やりをします。
今後は土がしっかりと乾いたタイミングでの水やりを続けましょう。置き場所は日当たりの良い屋外がベストです。
株に触れて抵抗を感じるようになれは根が活着したサイン
株に触れて抵抗を感じるようになれば根が張ったサインです。
徐々に日光に慣れさせ、最終的には日向に移動します。ただし、真夏は高温により葉を傷めやすいため、半日陰か日陰へ移動してください。
七福神を株分けで増やす方法
七福神は子株がつきやすい多肉植物
七福神は生長が進むと、株元に小さな子株(こかぶ)をつけることがあります。
この子株は親株とほぼ同じ性質を持つため、株分けすれば新しい苗として育てることができます。
子株が出たら根ごと切り離す
株分けのタイミングは、子株の大きさが親株の3分の1~半分ほどになった頃が目安です。
そのままでは根が絡んでいるため、無理に引き抜かず、清潔なハサミやナイフで根元から丁寧に切り離します。で
親株と同じ土を使うと根付きやすい
切り離した子株は、乾いた清潔な土に植え付けます。
このとき、親株と同じ配合の土(たとえば多肉植物用培養土や赤玉土+鹿沼土のブレンド)を使うと、環境が変わらず根付きやすくなります。
植え替え後は1週間ほど水を控える
株分け後すぐに水を与えると、切り口から腐敗するおそれがあります。
植え替えたあとは1週間ほど乾いたままにして休ませましょう。
その後、土がしっかり乾いたタイミングで軽く水を与えます。
七福神を葉挿しで増やすコツ
健康な葉を選んで根元から丁寧に外す
葉挿しを成功させるコツは、まず健康で厚みのある葉を選ぶことです。
しおれた葉や傷んだ葉は発根しにくいため避けましょう。
葉を取るときは、ねじるようにしながら根元からきれいに外すのがポイント。
直射日光を避けた明るい場所で乾燥させる
取り外した葉はすぐに土に挿さず、2〜3日ほど乾燥させて切り口を保護します。
直射日光を避けた風通しの良い明るい場所で乾かしましょう。
乾いた土の上に置き、発根・発芽を待つ
切り口が乾いたら、湿らせていない乾いた土の上に葉をそっと置きます。
挿し込む必要はありません。土は通気性と水はけの良い多肉植物用培養土やバーミキュライトが最適です。
数週間で子株と根が出ることも
環境が合えば、2〜4週間ほどで葉の根元から小さな子株や根が出てきます。子
株がある程度大きくなったら、葉から切り離して植え替えましょう。
焦らず見守ることが大切です。うまくいけば、1枚の葉から新しい七福神が誕生します🌱
失敗しないための管理ポイント
日当たりは明るく風通しのよい屋外がおすすめ
七福神は日光を好むため、半日以上明るい日差しが当たる場所で育てると、葉の色が締まり、株全体が引き締まります。
室内の場合は窓際の明るい場所に置き、風通しを意識すると徒長を防げます。
水やりは土が完全に乾いてから
多肉植物は乾燥に強く湿気に弱い性質があります。
土が完全に乾いたタイミングで水を与え、受け皿に水をためないようにすることで、根腐れを防ぐことができます。
温度管理は冬も10℃以上をキープ
七福神は寒さに弱いため、冬場は室内で10℃以上を保つことが大切です。
霜や冷たい風に当たると葉が傷むため、屋外管理の場合は寒冷紗やビニールで保護しましょう。
蒸れやすい梅雨~夏は風通しを重視
高温多湿の時期は、風通しの悪い場所だとカビや根腐れの原因になります。
風が抜ける場所に置くか、時々葉を乾かすように置き場所を調整すると健康に育ちます。
よくある質問(FAQ)
Q1:挿し木後、水やりはいつから始めればいい?
A1: 切り口が乾燥してから10日〜1週間ほど経ってからが目安です。
まだ根が出ていない段階で水を与えると腐敗の原因になるため、土は乾いたまま置きましょう。
Q2:切った茎が腐ってしまった場合は?
A2: 腐った部分はすぐに取り除き、清潔なハサミで健康な部分をカットし直します。
切り口を数日乾かしてから再度挿し木すると発根しやすくなります。
Q3:葉挿しで根が出ないのはなぜ?
A3: 葉が傷んでいたり、水分が多すぎると発根しにくくなります。
健康な葉を選び、直射日光を避けた明るい場所で乾燥させることがポイントです。
Q4:親株が伸びすぎた場合はどうする?
A4: 茎が長く徒長した場合は、挿し木や株分けで仕立て直すのがおすすめです。
残った親株は日当たりの良い場所で管理すると再び締まったロゼットになります。
Q5:挿し木した苗を屋外に出すタイミングは?
A5: 根が土にしっかり張り、株に軽く触れて抵抗を感じるようになったら屋外に出せます。
最初は直射日光を避け、徐々に日光に慣らすのがコツです。
Q6:株分けした後、すぐ水をあげていい?
A6: 植え付け直後は1週間ほど水やりを控え、切り口を休ませてから与えると腐敗を防げます。
Q7:葉挿しの子株はどのくらいで植え替えられる?
A7: 根や葉の付け根から小さな子株が出て、葉が1〜2cmほどになったら植え替え可能です。
Q8:七福神に最適な土は?
A8: 水はけがよく、養分控えめで清潔な土がおすすめです。
市販の「多肉植物用培養土」や、赤玉土+バーミキュライトのブレンドが使いやすいです。
Q9:挿し木や葉挿しの適期はいつ?
A9: 生育が活発な春(3月中旬〜4月)が最適です。夏や冬は発根しにくく、失敗のリスクが高まります。
Q10:七福神の増やし方で失敗しやすいポイントは?
A10: 過剰な水やり、直射日光や湿気の多い場所、切り口の乾燥不足が原因です。
季節や環境に合わせて管理し、乾燥・日当たり・風通しを意識すると成功率が高まります。
まとめ
- 七福神は挿し木・株分け・葉挿しの3通りで簡単に増やせる。
- ポイントは「乾かしてから挿す」「季節を選ぶ」「風通しを確保」。
- 自分で増やした七福神が育つ喜びは格別!ぜひ挑戦してみてください🌿