ハオルチアの葉がしわしわになってしぼんでいる。水やりしても戻らない…どうすればいいの?
ぷりぷりの葉と窓(透明の部分)が美しいハオルチアですが、葉にシワが寄ってお困りの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ハオルチアがしわしわにしぼむ時に考えられる原因と対処法、しぼんだハオルチアの復活方法を紹介します。
ハオルチアは葉が柔らかくて窓のある「軟葉」と、葉が硬くて窓の無い「硬葉」に分かれる。今回は、軟葉タイプのハオルチアに焦点を当てて解説していくよ!
ハオルチアがしわしわになってしぼむ時の原因
ハオルチアの葉がしわしわとしぼむようになる時に考えられる原因は、以下のようなものがあります。
ハオルチアがしわしわにしぼむ原因①水不足
ハオルチアの柔葉系(オブツーサなど透明窓を持つもの)は、他の多肉に比べると水を好む傾向です。
水不足によって傷んだ根は水分を吸い上げられないため、いくら水を与えても葉にハリは戻りません。
ハオルチアの水やり頻度【目安】
タイミング | 頻度の目安 | 時間帯 | |
春・秋 | 土が乾いたタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与える | 月3~4回ほど。土の乾き具合を見て | 午前中がベスト |
夏・冬 | 土が乾いてさらに3日ほど経ってから土の約1/3が湿る程度の量で与える。 | 月1回程度。土の乾き具合と日当たり、気温などを考慮 | 夏は早朝や日暮れ後、冬は暖かい日の午前中が良い |
「〇日に1回」などと決めず、土の乾き具合を見て水やりしてね。土が乾きにくくなる夏と冬は、水を張った容器に鉢を1/3ほど浸けて鉢底から給水させると根腐れを起こしにくくなるよ。
ハオルチアがしわしわになる原因②根腐れ、頻繁な植え替えで根がダメージを受けている
ハオルチアは直根性の植物です。一般的に、直根性植物は植え替えを好みません。
あまりにも頻繁に植え替えていると根がダメージを受け、うまく水分や養分を取り込めなくなる恐れがあります。
もちろん、水の与え過ぎによる蒸れも根を腐らせる原因です。
ハオルチアの植え替え頻度【目安】
- 1~2年に1回程度、春か秋の暖かい時期に済ませる
ハオルチアは根が真下に伸びていくよ。鉢は、直径よりも深さのあるものを選ぶと根を傷めにくくなるんだ。
ハオルチアがしわしわにしぼむ原因③鉢が合っていない(浅い)
ハオルチアは根が真下に向かって垂直に伸びていく直根性の植物です。
そのため、浅すぎる鉢に植えていると根がすぐに詰まってしまい、うまく水分を取り込めずに弱ってしまいます。
ハオルチアに適した鉢
直根性植物は大根やゴボウのように根が途中で枝分かれせず、下に向かって真っすぐ伸びていきます。
そのため、ハオルチアを長く育てたいなら根がすっぽり納まる深さの鉢を選ぶ必要があります。
株の大きさによっても異なりますが、最低でも深さ10cmは必要となることが多いよ。ハオルチアに適した鉢は以下の記事を参考にしてみてね。リトープスもハオルチアと同じ直根性植物なんだ。
ハオルチアがしわしわにしぼむ原因④寒さ
ハオルチアはセダムやエケベリアなどの多肉植物に比べると、それほど寒さに強くありません。
耐えられる寒さは5度程度までです。10度を下回ると徐々に生育が鈍り、水分を吸い上げる力も弱まります。
ハオルチア 冬の置き場所
- 5度以下になりそうなら室内の窓際へ移動
- 日当たりが悪いと徒長を起こしやすい。南向きの窓際に置くのがベスト
ハオルチアがしわしわにしぼむ原因⑤光線不足
ハオルチアは直射日光を嫌いますが、あまりにも日当たりが悪いと葉にハリがなくなり、色も悪くなってきます。
光線不足が続くと葉が光を求めて間延びし、だらしのない見た目になります。
室内なら南向きの窓際に置くか育成ライトを使用
気温が許す限りは屋外で管理するのが理想的です。
室内で管理する場合は南向きの窓際に置くのが最低条件となります。
日当たりの良い場所が見つからない場合は、植物育成LEDライトを使うのも良いでしょう。
ハオルチアがしわしわにしぼむ原因⑥高温多湿、蒸れ(風通しが悪い)
ハオルチアは風通しが悪いと株が蒸れ、根が腐敗したりカビが生えたりしやすいです。
ハオルチアを室内に置くなら南向きの窓際に置くことが最低条件です。
ハオルチア 夏の置き場所
- 直射日光の当たらない風通しの良い場所、遮光ネットを使うのがおすすめ
- 熱くなった床に直接鉢を置くのは避ける
- 熱帯夜が続く時期は夜のみエアコンの効いた室内で休ませても良い
夕方の強烈な西日に当たると葉が傷んで弱ってしまうから気を付けて!遮光ネットを使うのが安心だよ。
しわしわのハオルチアを復活させる方法
すでに根が傷んでいると、いくら水やりしても葉のしわしわが取れません。土が湿り続けることで腐敗を招く恐れもあります。
このような場合は「胴切り」で仕立て直すのがおすすめです。
しわしわのハオルチアを復活させる 手順①株元の葉を数枚残してカット
ハオルチアを胴切りで復活させるのに適した時期は春と秋です。
葉の隙間にテグス(なければ糸でok)を滑り込ませ、クロスするように引っ張って茎を切り取ります。
筆者の経験上、元株の葉はすべて切り取らず数枚残るようにすると子株が出やすくなるよ。
しわしわのハオルチアを復活させる 手順②土に挿す部分の葉を取る
切り取った茎は土に挿す部分の葉をあらかじめ取っておきます。
葉がしぼんでいる場合、2~3日水を吸わせてから土に挿すと良いでしょう。
上写真のハオルチアは葉がしおれ気味だったから、3日ほど茎の切り口を水に浸けて吸水させたよ。
しわしわのハオルチアを復活させる 手順③茎は乾いた土に植える
水はけの良い清潔な土に茎を挿し、発根するのを待ちます。
水は10日ほど経ってから与えます。すぐに水を与えると、切り口が腐敗する恐れがあるためです。
しわしわのハオルチアを復活させる 手順④元株は傷んだ根を取っておく
元株の方は根腐れしていないか、鉢のサイズが合っているか再確認してみましょう。
今回は鉢から取り出してみました。案の定、根が黒く傷んですでに腐敗していました。
新しい土に植えつけたら、直射日光を避けた明るい場所で発根を待ちます。
3か月ほど経過した様子がこちらです。↓↓
元株からはいくつかの子株が出てきました。鉢から取り出して見ると…
白い元気な根が出ています。鉢の深さが足りなそうだったので、やや深さのある鉢に植え替えました。
しわしわのハオルチアを復活させる 手順⑤徐々に明るい場所へ移動
胴切りから8か月年ほど経ったハオルチアがこちらです。(下写真)
元株、胴切りした株ともに葉にハリが戻り葉数も増え、鮮やかな緑色に復活しました。
ハオルチアはとっても丈夫。うまくいけばこんな感じでモリモリ復活してくれる。しわしわになって根腐れを起こしても諦めないでね。
よくある質問
しわしわのハオルチアに水を与えたけど葉が膨らまない。どうすればいい?
水を与えても葉にハリが戻らない場合、根が機能していないと思われます。
根が機能していない理由は「根腐れ」「寒さ」等が考えられます。
- 根腐れが疑われる場合の対処法…春~秋に一旦、土から出して根を確認。黒く傷んだ脆い根ばかりなら根腐れしている。腐った根を取り除き、水はけのよい清潔な土に植えつけて様子をみる。直射日光を避けた明るく風通しの良い場所で管理。
- 寒さが疑われる場合の対処法…5度以下の寒さに晒されると株によっては生長がほぼ止まる。この時期は水を与えてもなかなか吸わない。土が湿り続けると根腐れを招くこともあるため、水やりは控え目にして暖かくなるのを待つ
ハオルチアが夏にしわしわになるのはなぜ?対処法は?
高温多湿に晒される夏は、強光や高温によって株が弱りやすくなる時期です。
また、高温に晒されることで生育が緩慢になる時期でもあります。
水やりは土が乾いてさらに3日ほど経ってから、土の約1/3が湿る程度の量でおこないます。
生育が緩慢になる時期は水の遣り過ぎに注意。7日以上土が湿っていると根腐れを起こしやすくなるよ。心配な場合はそっと鉢から株を取り出し、腐った根がないか確認してみて。黒く腐敗した根は取り除き、水はけの良い清潔な土で育て直そう。
土の表面に根が出てきて株が浮いたようになってしまう
鉢の中で根が詰まったり、水分が足りない状態が続いたりすると、上写真のように根が表面に出てくることがあります。
上写真の場合は土の乾燥と根詰まりの両方を起こしていました。
春か秋の回復力の高い時期に鉢から取り出し、傷んだ根を取り除いて十分な深さのある鉢に植え替えてやると良いでしょう。
ちなみに、上写真のハオルチアは屋外管理+素焼き鉢だったので土が乾燥しやすい状態でした。
鉢から取り出して傷んだ根を取り除いた後、プラスチック鉢に植え付けて半年ほどで子株が吹き出しました。(下写真)
ハオルチアの場合、他の多肉と同じような頻度で水やりしていると水不足に陥ることがよくある。
まとめ
- ハオルチアがしわしわとしぼむ原因には「水不足(根が傷んで水を吸い上げられなくなっている)」「寒さ」「根へのダメージ」「根詰まり(鉢が合っていない)」「光線不足」「高温多湿、蒸れ(風通しが悪い)」などがある
- 水を与えてもしわしわのままである場合、すでに根が傷んでいる可能性が高い➡春か秋(おすすめは春)に胴切りで仕立て直すと復活することがある
- 極端な暑さや寒さに晒されている場合、生育が緩慢になることで水を吸う力が弱まっている➡水の遣り過ぎに注意し適期を待つ
- 葉にハリが戻らないからといって水やりを繰り返していると、根腐れやカビを発生させる恐れがあるため注意
ハオルチアには「硬葉系」と「軟葉系」という2つの種類があるよ。硬葉系は硬くとがった葉が特徴。軟葉系はみずみずしく柔らかい葉が特徴。どちらも室内で育てることができ、光に対する要求も比較的低い。特に軟葉系の「オブツーサ」は透明の窓が美しく「クリスタルプランツ」とも呼ばれるよ。