ぷくぷくとしたフォルムが可愛い多肉植物「コノフィツム」。
多くの多肉植物が春と秋に生育が盛んになるのに対し、コノフィツムは冬に生育が盛んになる珍しい植物です。
そこで今回は、コノフィツムが枯れる主な原因や管理の注意点、時期別の水やり方法や難しい夏越しについて紹介します。
この記事を読めば、
- コノフィツムが枯れる原因は?高温多湿に弱いコノフィツムは夏越しに注意
- コノフィツムの水やり頻度、タイミング、量【時期別】
- コノフィツムが枯れるリスク高!梅雨~夏のお手入れ方法
- コノフィツムのよくある質問【Q&A】
が分かるよ!
コノフィツムが枯れる原因は?高温多湿に弱いコノフィツムは夏越しに注意
コノフィツムの主な自生地は南アフリカの岩場です。夏は最高気温30度弱、最低気温15度程度、湿度は日本に比べると低く過ごしやすい気候です。
コノフィツムは乾燥には強いですが、高温多湿には弱いという特徴を持ちます。
コノフィツムが枯れる原因①水の遣り過ぎ
コノフィツムはぷくぷくとした葉に沢山の水分を蓄えています。そのため、乾燥には非常に強いのが特徴です。
土が湿っているうちに次から次へと水を与えていると根が蒸れ、あっという間に溶けるようにして枯れてしまいます。
コノフィツムが枯れると「溶ける」「ジュレる」など表現されることが多い。
コノフィツムが枯れる原因②光線不足
コノフィツムは観葉植物と違い耐陰性がほとんどありません。
そのため、日当たりがイマイチだとあっという間に徒長を起こして弱ってしまいます。
光線不足が続くことで株が細長く間延びし、ちょっとした環境の変化で調子を崩しやすくなるのです。
コノフィツムを室内で管理するなら南向きの窓際に置くことが最低条件だね。
コノフィツムが枯れる原因③風通しが悪い
コノフィツムを長く育てていく上で日光と同じくらい欠かせないのが風通しです。
たとえば窓を閉め切った室内で管理していると土がなかなか乾きません。
土が湿り続けることで根が傷み、根腐れやカビの発生リスクも高まります。
根が傷むと水分を吸い上げられない。結果、そのまま枯れてしまう。コノフィツムは葉挿しや挿し木で発根させられないから根腐れを起こすとそのままダメになってしまうんだ。
コノフィツムが枯れる原因④土の保水性が高すぎる
コノフィツムは水はけの良い土を好みます。
例えば、観葉植物用土や草花用土だと保水性が高すぎるので管理が難しくなります。
水はけが悪いと株回りも蒸れやすく、特に梅雨~夏に枯れるリスクが高いです。
コノフィツムに適しているのは多肉植物やサボテン用の土だよ。肥料はほとんど不要。逆に肥料分の多すぎる土だと根が傷みやすい。
コノフィツムが枯れる原因⑤0度~5度以下の寒さ
冬型種に分類されるコノフィツムですが、寒さに強いというわけではありません。
5度以下の寒さに当たると細胞が壊されてしぼむようにして枯れることがあります。
コノフィツムは霜や凍結は避けるべきです。
ちなみに筆者は近畿地方在住。翌朝、0度以下になりそうな夜のみ室内に避難させてそれ以外は屋外で管理してるよ。
コノフィツムの水やり頻度とタイミング、量【時期別】
コノフィツムは時期によって水やりの頻度やタイミング、与える水量が微妙に異なります。コノフィツムの水やり方法を時期別で紹介します。
コノフィツムの水やり頻度、タイミング、量【秋】
- 土がしっかり乾いたタイミングでたっぷりと与える
秋はコノフィツムの生育が盛んになる時期。明るく風通しの良い場所に置くと株がどんどん充実するよ。
コノフィツムの水やり頻度、タイミング、量【冬】
- 土がしっかり乾いてさらに2~3日ほど経ってから土の約1/3が湿る程度の量で与える
- できるだけ天気の良い日が続く日に済ませること
- 夜間の水やりは根を冷やすため避ける。暖かい日中までに済ませるのが理想的
冬型種に分類されるコノフィツムだけど極端な寒さは苦手。様子を見ながら水量を調節して。この時期に日光不足に陥ると徒長しやすい。日照時間が短くなる冬は徒長に注意。
コノフィツムの水やり頻度、タイミング、量【春】
- 土がしっかり乾いたタイミングでたっぷりと水やり
- 春の終わり頃、葉にシワが寄り始めて脱皮の前兆が見られ始めたら水やりの間隔を徐々に空ける
コノフィツムは梅雨に向かって徐々に脱皮の準備を始めるよ。葉にシワが寄り始めたら徐々に水やりの回数を減らして脱皮に備えよう。脱皮が始めると古い葉から新しい葉に水分を移行するから、水やり頻度を減らす必要があるんだ。
コノフィツムの水やり頻度、タイミング、量【梅雨~夏】
- 土が乾いてさらに3~4日ほど経ってから土の約1/3が湿る程度に水やり
- 涼しい時間帯(早朝か日暮れ後)に済ませること
- 蒸れやすいため風通しを良く管理することが大事
水やり後は強い光に晒さないこと。熱くなった床に直接鉢を置くのも×。鉢内の水温が上昇して根が煮えてしまう。夏は直射日光の当たらない半日陰か遮光ネットを使おう。
コノフィツムが枯れるリスクの高い梅雨~夏のお手入れ方法
コノフィツムを育てる上で高い壁となるのが、高温多湿に晒される梅雨~夏場です。
この時期のお手入れ方法は以下のポイントに注意してみてください。
夏は直射日光にあてないこと
コノフィツムにとって日本の夏は暑すぎます。
主な自生地である南アフリカ・ケープ州の夏は、日本の夏に比べると湿度が低く過ごしやすいです。
高温状態で直射日光に当たると株に大きなダメージを与えてしまいます。
屋外で管理している場合、夏は半日陰へ移動するか遮光ネットを使おう。
完全断水は根が枯死するリスクがあるため避けた方が無難
夏は高温により生育が緩慢になるコノフィツムですが、完全に生長が止まるわけではありません。
完全断水にしてしまうと根が傷んで秋まで持たないことも多いです。
夏の水やりはときどき根を濡らしてやる程度に水やりするのがおすすめです。
夏は土が乾いてさらに3~4日ほど経ってから、土の約1/3が湿る程度に水を足して根に刺激を与えてみて。明るく風通しの良い場所に置いて土が乾きやすい環境にしておこう。
熱帯夜が続く夏場は夜間のみ涼しい場所で休ませる
主な自生地である南アフリカ・ケープ州の夏は、日中は30度弱くらいまで気温が上がりますが、夜は15度程度まで下がります。
対して日本の夏は夜になっても30度近い気温のままの熱帯夜が何日も続きます。
これではさすがのコノフィツムも体力が消耗し弱ってしまいます。
暑さが落ち着くまでは夜間のみ、エアコンの効いた涼しい室内にコノフィツムを移動して休ませてやると良いでしょう。
人間も熱帯夜が続くと体力を消耗して体調を崩しやすくなる。コノフィツムも同じなんだね。
よくある質問【Q&A】
コノフィツムを育てているときに抱きがちな疑問を集めてみました。
コノフィツムの花が咲かないのはなぜ?
コノフィツムの開花時期は9月~12月ころです。
開花時期を迎えてもコノフィツムの花が咲かない場合、考えられる理由は以下の通りです。
- 株が弱っている(日光不足や風通し不足、根詰まりなど)
- 株が充実していない(幼株)
花が咲かないからといって枯れているわけでは無いよ。コノフィツムは生長がとってもゆっくり。株元が腐ったりしていないならのんびり見守ろう。
コノフィツムは気持ち悪い見た目だけどなんで人気なの?
コノフィツムは爬虫類のように脱皮しながら少しずつ大きくなっていく不思議な多肉植物です。
特に脱皮中の姿はインパクト大。気持ち悪いと感じる人がいるのも頷けます。
とはいえ、その生態を知れば知るほど沼にハマっていく人が多いのも事実。
筆者も最初は「なにこれキモ…」と思ってた。でも知れば知るほど面白さと絶妙な気持ち悪さ(=可愛さ)に沼っていくんだ。リトープスやコノフィツムはコレクターも多い。一度沼ると抜け出せない危険な多肉!
唇のように見えるコノフィツムはなんていう品種?
まるでピンクのリップを塗った唇のようなコノフィツムは「パゲアエ」という品種です。和名は「小姓(こしょう)」といいます。
小ぶりなコノフィツムで生長とともに群生する姿が可愛い人気の品種です。
まとめ
- コノフィツムが枯れる主な原因は「水の遣り過ぎ」「光線不足」「風通しの悪さ」「土の保水性が高すぎる」「0度~5度の寒さ(霜、凍結)」
- 高温多湿が続く梅雨~夏にかけてはコノフィツムが枯れるリスクが高まる
- コノフィツムの水やり頻度、タイミング、量や時間帯は時期によって変える必要がある
- 高温多湿に晒される夏は直射日光に当てないこと。枯れない程度に水を足すことも大事
- 熱帯夜が続く時期は夜間のみエアコンの効いた室内で休ませることも必要