「センペルビウムをもっと増やして、寄せ植えや群生を楽しみたい!」
そんな方も多いのではないでしょうか。
センペルビウムは丈夫で繁殖力のある多肉植物。コツをつかめば、初心者でも簡単に株を増やすことができます。
この記事では、センペルビウムを上手に増やす方法を、挿し木・株分けの2パターンに分けて解説します!
センペルビウムの増やし方は主に2パターン

センペルビウムの増やし方は「株分け」と「挿し木」の2パターンです。
種蒔きで増やすこともできますが初心者には管理が難しく、大きく育つまでに年数がかかります。
①株分け
センペルビウムはとっても子沢山。親株のまわりにどんどん子株を増やします。
親株のまわりに増えた株を外して分ければ、そのまま別の鉢で育てることが可能です。
②挿し木
センペルビウムは親株からランナーを伸ばして子株を増やします。
元株と子株を繋ぐランナーをカットし子株を土に挿せば、そのまま発根し育てることが可能です。

もっとも手軽なのは挿し木で増やす方法。元株のまわりにランナーが伸び、その先端に子株が付いているなら、その子株をカットして土に挿すだけで簡単に増やせるよ。
センペルビウムを増やすのに適した時期

センペルビウムを増やすのに適しているのは生育がさかんな春と秋です。
春と秋に増やすことで失敗を防ぐ
多くの多肉植物は春と秋に成長が最も活発になります。
この時期に挿し木や株分けを行うと、新しい根や葉が発生しやすくなります。
気候が穏やかな春と秋は、新たな根を形成しやすい状態です。
センペルビウムの生育が鈍る梅雨~夏、冬は避ける
高温多湿な梅雨~夏場、過度の寒さに晒される冬場は、センペルビウムを増やすのに適しません。
無理にカットしても発根しないどころか、元株まで傷めてしまう恐れもあります。

センペルビウムの挿し木・株分けを成功させるなら、適期におこなうことが最重要!
センペルビウムを挿し木で増やす方法【手順】

センペルビウムの元株からランナーが伸び子株が出ているなら、それらをカットし土に挿して発根させ育てられます。
センペルビウムを挿し木で増やす 手順①ランナーをカットし子株を取る
まず、元株から伸びたランナーの先端に付いている子株をカットします。
雑菌の侵入を防ぐためにも、切れ味の良い清潔なハサミを使いましょう。
センペルビウムを挿し木で増やす 手順②乾いた土に子株を挿す
カットしたセンペルビウムの子株は、乾いた清潔な土に挿します。この時使う土は養分を含まない土にします。
バーミキュライトや赤玉土(小粒か細粒)などの無機質な土がベストです。
センペルビウムを挿し木で増やす 手順③10日ほど経ったら水やり
10日ほど経ったら土の約1/3が湿る程度に水を与えます。
すぐに水を与えない理由は切り口が腐るのを防ぐためです。

腐敗が心配な場合は、カットした子株の切り口を1~2日ほど乾燥させてから土に挿すといい。ちなみに筆者はいつもそのまま土に挿しちゃってるけど問題無く発根してるよ。
センペルビウムを挿し木で増やす 手順④土が完全に乾いたら水やり
挿し木直後は直射日光を避けた明るく風通しの良い場所で発根を待ちます。
子株に触れて抵抗を感じるようになれば発根したサインです。
徐々に日向へ移動し、土が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えます。

しっかり根が張って新しい葉が開き始めたら養分を含む「多肉植物用の土」に植え替えよう。
センペルビウムを株分けで増やす方法【手順】

センペルビウムの元株のまわり同じくらいの大きさの子株が群生している場合、それらを外して別々の鉢で育てられます。
センペルビウムを株分けで増やす 手順①土を乾かしておく
株分け前数日は水遣りを控え、土を乾かし気味にしておきましょう。
土を乾かしておくことで株分け作業がしやすくなるだけでなく、根にかかる負担も最小限に抑えられます。
センペルビウムを株分けで増やす 手順②株を分ける
鉢からセンペルビウムを取り出します。
元株と子株のつなぎ目を指で探り、継ぎ目を引き離すように分けます。
無理に根を引っ張ると株を傷めてしまうため、その場合は切れ味の良い清潔なハサミでカットし分けます。
センペルビウムを株分けで増やす 手順③植え付け
水はけの良い清潔で養分を含まない土(目の細かな赤玉土やバーミキュライト等)を鉢に入れ、そこに先ほどカットした株を挿しこみます。
土に挿す部分の葉はあらかじめ取っておくと土に挿しやすいだけでなく、土の中で葉が腐敗するのを防ぐことができます。
センペルビウムを株分けで増やす 手順④10日ほどしたら水やり
直射日光を避けた明るく風通しの良い場所で発根を待ちます。
10日ほどしたら土の約1/3が湿る程度に水を与えます。すぐに水遣りすると切り口が腐敗する恐れがあるためです。
センペルビウムを株分けで増やす 手順⑤土が完全に乾いたら水やり
その後は、土が完全に乾いたタイミングでたっぷりと水を与えます。
株に触れて抵抗を感じるようになれば根が活着したサインです。
日向へ移動し、通常の管理に移行します。養分を含む多肉植物用の土に植え替えても構いません。

こんな感じで、センペルビウムは基本切って挿すだけで簡単に増やせるよ。梅雨時期や真夏、真冬は失敗しやすいから避けてね。
センペルビウムを増やすときに失敗しない3つのポイント

センペルビウムは丈夫な多肉植物ですが、増やすときの環境やタイミングを間違えると失敗することもあります。
以下の3つを意識すると、成功率がぐっと高まります。
春または秋に行う
気温15〜25℃の穏やかな時期が最適。真夏や真冬は根が動きにくく、株が傷みやすいです。
切り口をしっかり乾かす
挿し木や株分け後は、すぐに土へ植えず、半日〜1日ほど乾燥させてから植え付けます。
この「癒合期間」をとることで、腐敗を防げます。
直射日光と多湿を避ける
発根までは明るい日陰で管理を。強い日差しや蒸れは失敗のもとです。
風通しをよくすると、根の出がスムーズになります。
初心者でも失敗しにくくて可愛い!センペルビウムの人気品種
センペルビウムは始めての方でも失敗しにくくて丈夫、可愛い品種を厳選して3つ集めてみました。
初心者でも育てやすい!人気のセンペルビウム①アラフキューベンセ
子株が良く増え簡単に増やすことができる育てやすいセンペルビウム。
寒さに強く、関東より以西では屋外で冬越しできることも多いです。

親株を囲むように並ぶ子株たちがめっちゃキュート♡
初心者でも育てやすい!人気のセンペルビウム②ティヒ
ほんのり赤らんだ葉先がキュートなセンペルビウム「ティヒ」。
鮮やかなライムグリーンの葉が美しい人気の品種です。

寒さに当たると葉先が赤くなるのが良い!綺麗に紅葉させるためには春~秋にしっかり日に当てること。ただし夏は半日陰へ移動してね。
初心者でも育てやすい!人気のセンペルビウム③ゴールドナゲット
黄色が鮮やかな美しい葉を持つゴールドナゲットは、センペルビウムの中でも特に高い人気を誇ります。
他のセンペルビウムに比べると生長速度はややゆっくりめ。雨ざらしにならない軒下に置いて育てます。

黄金色の葉が眩しい人気のセンペルビウム。黄色に色づくのは秋~冬にかけて。イエローとレッドのコントラストが見惚れるほど綺麗!
実際に育てて分かった!センペルビウムが増えるタイミングとコツ

私は実際にセンペルビウムを育てていますが、基本的にセンペルビウムはとても増えやすい植物です。
時間が経てば勝手に子株が増えることが多い
親株のまわりに次々と新しい株をつけていくので、時間が経てば自然と株が増えていきます。
ただし、群生して鉢の中がぎゅうぎゅうになってきたときや、別の鉢にも株を移したいときは、ランナーを切り離して増やす方法が有効です。
カットの目安は子株が直径1cmくらいになったら

子株が直径1センチくらいに育ったタイミングが、カットの目安。
ランナーを清潔なハサミでカットし、乾いた土を入れた鉢に挿しておくだけでOKです。
▶センペルビウムの子株の外し方!増やし方のコツと植え替え後の管理方法
14日ほどで発根することが多い

環境が合えば、約14日ほどで根が張り、しっかり定着します。
私の経験では、発根が確認できるまではほとんど放置でも大丈夫でした。
センペルビウムは意外とタフで、乾燥には強いんです。
ただし、梅雨〜真夏、真冬は失敗しやすい
気温や湿度の影響で根が腐ったり、蒸れてしまうことがあります。
いちばんおすすめなのは、春先(4〜5月頃)。気温が安定していて、発根もスムーズです。
🌱筆者メモ
私の環境では、春先に挿した株が秋にはもうしっかり大きくなり、
翌年にはさらにその株から新しい芽が出てきました。
センペルビウムは、コツをつかめば本当にどんどん増えてくれる植物です。
よくある質問(FAQ)
Q1. いつ増やすのがいちばん成功しやすいですか?
A. 春(4〜6月)と秋(9〜10月)がベストです。
この時期は気温が穏やかで株の生長が活発なので、新しく植え替えたり分割したりすると根が出やすく成功率が高まります。真夏の高温多湿や真冬の極端な低温は、発根不良や腐敗の原因になるため避けてください。
Q2. どのくらいの大きさになったら分けてよいですか?
A. 直径が約1cm以上になり、独立できそうな形ができていれば分けても大丈夫です。
小さすぎると乾燥や衰弱で枯れる可能性があるため、極端に小さいものはもう少し育ててから取り分けると安全です。
Q3. 分割や切り離した後、すぐに土に植えていいですか?
A. 切り口を半日〜2日ほど乾かしてから植え付けるのがおすすめです。
切り口を短時間でも乾かす(「癒合期間」)ことで細菌や真菌による腐敗を防げます。天候が悪い場合は室内の風通しの良い場所で乾かしましょう。
Q4. どの土(用土)が一番向いていますか?
A. 水はけが非常に良い無機質寄りの用土が最適です。
例:赤玉土(小粒)+パーライト(またはバーミキュライト)+軽石(細粒)を混ぜる、もしくは多肉・サボテン用の土を使うと手軽です。保水性の高い観葉植物用の土は根腐れの原因になるため避けてください。
Q5. 発根するまでの水やりはどうすればいい?
A. 発根するまでは原則として控えめに。
植え付け直後は1〜2週間は乾いた状態を保ち、土の表面がしっかり乾いたら少量与えます。過湿は腐敗の元なので、霧吹きでの軽い保湿に留めるか、1回の薄めの水やりにとどめましょう。根がしっかり張ってからは「土が完全に乾いたらたっぷり」の基本管理に戻します。
Q6. 日当たりの管理はどうすればいい?
A. 発根までは明るい日陰で風通しを確保し、徐々に日光に慣らす のが安全です。
直射日光にいきなり当てると葉焼けすることがあるため、最初は半日陰〜明るい室内で管理し、数週間かけて朝日など弱い日差しに慣らしていきます。
Q7. 親株(分けた元の株)はどうなりますか?弱ったりしますか?
A. 適切に分割すれば親株は元気に回復します。
重要なのは根を過度に傷つけないことと、作業後に過湿にしないこと。分割で株が軽くなり風通しも良くなるため、むしろ元気になることが多いです。作業後は数日間は直射日光と水やりを避け、ゆっくり養生させてください。
Q8. 葉挿しでも増やせますか?
A. センペルビウムは葉挿しの成功率が低めです。
一般的には「株分け(分割)」や「茎・ランナーの先端からの挿し木」の方が確実です。葉を使う方法は時間がかかり、成功しても生育が遅いため、初心者にはあまり向きません。
Q9. よくある失敗とその対処法を教えてください。
A. 主な失敗は「過湿(根腐れ)」「強い日差しによる葉焼け」「時期の誤り」です。
- 過湿 → 土を入れ替え、腐った根を切り乾燥させてから再植え。
- 葉焼け → 明るい日陰に移動し、徐々に日差しに慣らす。
- 季節ミス(夏や冬に作業) → 状態が悪ければ無理をせず回復を待つ(断水や遮光で負担を軽減)。
いずれも早めの処置(風通し確保・余分な水を切る・腐敗部の除去)が鍵です。
Q10. 室内でも増やせますか?そのコツは?
A. 明るさと風通しが確保できれば室内でも増やせます。
窓際などで直射日光と風通しのバランスをとるのがポイント。湿度の高い場所(浴室や加湿器の直近)は避け、発根までは特に過湿に注意してください。室内栽培では光不足になりがちなので、必要に応じて植物用ライトを短時間(朝夕)補助すると安定します。
まとめ
- センペルビウムは株分け・挿し木の2パターンで増やせる
- 適期は春と秋
- 切り口を乾かし、直射日光を避けて管理することが成功のコツ
育てる楽しみを倍にしてくれる“センペルの繁殖”。ぜひあなたの鉢でも、小さな群生を作ってみてください🌿





