メタリックな葉が日光に当たるとキラキラに輝く魅力的なインテリアグリーン・トラディスカンティア。
トラディスカンティアの原産地はメキシコやコロンビア、熱帯アメリアなどの熱帯地方です。いかにも寒さに弱そうな雰囲気の漂うトラディスカンティア。
今回は、トラディスカンティアの冬のお手入れ方法をくわしくご紹介します。
トラディスカンティアは冬に枯れる?寒さへの強さ

原産地と耐寒性
トラディスカンティアの原産地は、メキシコやコロンビアをはじめとする熱帯~亜熱帯の地域です。
温暖で湿度のある環境に自生しており、本来は寒さにあまり強くありません。
ただし、完全に寒さに弱いわけではなく、短期間であればある程度の低温にも耐える力があります。
何度まで耐えられる?最低温度の目安
トラディスカンティアが耐えられるのはおおむね5℃前後が限界といわれています。
- 5℃を下回ると:葉がしおれたり、株が傷みやすくなる
- 0℃近くまで下がると:凍害を受けて枯れるリスクが高い
そのため、屋外での管理は気温が安定して10℃以上ある地域でないと難しく、寒冷地では冬になる前に必ず室内へ取り込みましょう。
トラディスカンティアを冬越しさせる置き場所
屋外管理できる気温の目安
トラディスカンティアは本来、熱帯~亜熱帯に自生する植物です。そのため寒さにはあまり強くなく、屋外での管理は気温が安定して10℃以上ある場合のみ可能です。
10℃を下回ると株がダメージを受けやすく、葉の色が悪くなったり、弱々しく徒長する原因になります。秋が深まり、最低気温が一桁になるようなら屋外管理は避けましょう。
室内に入れるタイミング
最低気温が5℃を下回りそうになったら、室内に取り込むのが目安です。寒冷地では、秋の終わり頃には早めに室内へ移動させると安心です。
室内ではできるだけ日当たりの良い窓際に置くのがおすすめ。特に冬は日照時間が短くなるため、日差しが入る時間帯を見極めて置き場所を工夫すると、葉色や株姿を保ちやすくなります。
窓際の冷え込みに注意
「室内だから大丈夫」と思いがちですが、冬の窓際は夜間に冷え込みやすい場所です。ガラス越しの冷気が直に株に伝わると、葉が傷んだり株全体が弱ることがあります。
対策としては、
- 夜になったら窓から1~2m離す
- カーテンを閉めて冷気を遮断する
- 断熱シートを貼って温度差をやわらげる
といった工夫が効果的です。昼間は窓際で光をしっかり浴びせ、夜は冷えから守るように管理すると冬越しがぐっと楽になります。
トラディスカンティアを冬越しさせる水やり方法
冬は乾燥気味が基本
トラディスカンティアは乾燥に比較的強い植物です。冬になると生長が緩やかになり、水分をあまり必要としなくなります。
そのため、冬は水を控えめにして乾燥気味に管理するのが基本です。
水やりのタイミングと与え方
冬の水やりは「土がしっかり乾いてから2〜3日待って与える」くらいが目安です。
表面だけでなく、指を少し差し込んで土の奥まで乾いているかを確認すると安心です。
与えるときは、午前中に常温の水(20〜30℃程度)を鉢底から流れるくらいたっぷり与えるのがポイント。
根腐れを防ぐコツ
冬に一番多いトラブルが「根腐れ」です。
水やりの後は必ず受け皿に溜まった水を捨てるようにしましょう。水が溜まったままでは根が常に湿った状態になり、傷んでしまいます。
さらに安心したい方は、
- 鉢底にキッチンペーパーや布を敷いて余分な水を吸収させる
- 水やりチェッカーを使って土の乾き具合を見える化する
といった工夫もおすすめです。
冬のトラディスカンティア、肥料は必要?
冬は肥料を与えない
トラディスカンティアは冬になると気温の低下とともに生長がほとんど止まります。
そのため、冬の時期に肥料を与えても吸収されず、かえって根を傷めたり根腐れの原因になることがあります。
肥料を与える時期は春~秋
トラディスカンティアに肥料が必要なのは、気温が上がって生長が活発になる春から秋です。
この時期は枝葉がぐんぐん伸び、株が大きくなるので養分をしっかり与えましょう。
- 液体肥料:2週間に1回程度、水やり代わりに薄めて与える
- 置き肥:春〜秋にかけて株元に少量を置く
といった方法が効果的です。
冬のトラディスカンティアに発生しやすい病害虫と対策
乾燥で発生するハダニ
冬の室内は暖房による乾燥で、ハダニが発生しやすい環境になります。
ハダニは葉の裏や付け根に住みつき、植物の養分を吸い取って株を弱らせます。
症状が進むと葉が黄色く変色したり、蜘蛛の巣のような糸が見えることもあります。
カイガラムシ対策
トラディスカンティアにつきやすいもう一つの害虫がカイガラムシです。
白や茶色の小さな粒のような姿で茎や葉に付着し、ベタついた分泌物を出すのが特徴です。
そのまま放置すると株が弱り、カビ(すす病)が発生する原因にもなります。
風通しをよくして予防する方法
冬の室内は窓を閉め切るため、どうしても空気がこもりがちです。この停滞した空気は湿気や害虫の発生を助長します。
対策としては、
- サーキュレーターや扇風機で空気を循環させる
- 株同士の間隔をあけて置く
- 落ち葉や枯れ葉をこまめに取り除く
トラディスカンティアを冬越しさせる便利アイテム
冬の管理をスムーズにするために、ちょっとしたアイテムを取り入れるのもおすすめです。
過保護にする必要はありませんが、失敗を防ぐサポートグッズがあると安心ですよ。
水やりチェッカーで失敗を防ぐ
冬は乾燥気味に管理するのが基本ですが、「土が乾いているのか分からない…」と悩む方も多いはず。
そんなときに便利なのが水やりチェッカーです。
土に差し込むだけで水分量を確認できるため、過湿による根腐れを防ぎやすくなります。
特に初心者や室内管理で乾きが分かりにくい環境におすすめです。
サーキュレーターで湿気・害虫対策
冬は暖房を使うため、室内が乾燥したり一部が結露で湿気っぽくなったりと、環境が不安定になりがちです。
そんな時に役立つのが小型サーキュレーター。
空気を循環させることで、カビや害虫(ハダニ・カイガラムシ)の発生を予防できます。
【体験談】私が冬越しで失敗したことと成功のコツ
私自身もトラディスカンティアを育てていて、何度か失敗を経験しました。その中から「こうすれば良かった」と学んだことをお伝えします。
窓際に置いたら一晩でダメージを受けた
冬の寒さを甘く見て、窓際にそのまま置いていたところ、一晩で葉がしおれて大きなダメージを受けてしまったことがあります。
さらに、過去には冬でも屋外に出しっぱなしにしてしまい、寒さで株ごと枯らしてしまったことも…。
水やりを控えて元気に冬を越せた
逆にうまくいったのは、冬の水やりをぐっと控えたときです。
以前は心配でこまめに水をあげて根腐れを招いていましたが、「土がカラカラになってから少し与える」くらいにしたら、驚くほど元気に冬を越してくれました。
ちなみに夏にはベランダで放置しすぎて、乾燥で葉がカラカラに傷んだこともあります。
まとめ|トラディスカンティアを枯らさず冬越しするために
トラディスカンティアは熱帯原産で寒さには弱い植物ですが、置き場所・水やり・肥料・害虫対策を押さえれば、冬でも元気に越冬できます。
冬越しのポイントを整理すると、以下の通りです。
- 置き場所:最低気温が5℃を下回る前に室内へ移動。夜間は窓際から少し離すと安心。
- 水やり:乾燥気味に管理し、土が乾いてから2〜3日後に常温の水をたっぷり与える。受け皿に水が残らないよう注意。
- 肥料:冬は不要。肥料は生長期の春〜秋に与える。
- 病害虫:ハダニやカイガラムシに注意。葉水やサーキュレーターで風通しを良くする。
- 便利アイテム:水やりチェッカーで土の乾き具合を確認、サーキュレーターで湿気や害虫を防ぐ。
体験談からも分かる通り、過湿や寒さが最大の敵です。
季節に応じた管理を意識し、無理に世話をせず見守ることで、冬でも健康なトラディスカンティアを楽しめます。