「リトープスの脱皮が進まない」「古い皮が割れない」——そんなトラブルに悩んでいませんか?
“砂漠の宝石”と呼ばれるリトープスは、年に一度脱皮をくり返しながら生長する不思議な多肉植物。
でも、水やりや環境を少し間違えるだけで脱皮が止まったり、失敗してしまうことも…。
この記事では、リトープスの脱皮が進まない主な原因5つと対処法をわかりやすく解説します!
リトープスの脱皮とは?
リトープスは1年に1回、春先に古い葉を落として新しい葉を展開させます。
古い葉を脱ぎ捨て新しい葉を展開させる様子は爬虫類が脱皮する様子にそっくり!
リトープスは脱皮による新陳代謝を繰り返しながら少しずつ生長していきます。
生長がゆっくりで寿命の長いリトープスは、室内の明るい場所でのんびり楽しみたい人気の多肉植物です。

生長はかなりゆっくり。2月頃に葉がシワシワしてきたら脱皮のサイン。
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リトープスの脱皮する時期と見分け方
脱皮の時期は2月〜3月ごろが目安
リトープスの脱皮は、冬の終わりから春先(2月〜3月ごろ)にかけて始まります。
地域や品種によっては1月頃から動き出すこともあり、気温がゆるみ始める時期に古い葉がしぼんでいきます。
リトープスは「冬型の多肉植物」なので、秋〜春にかけて成長し、夏は休眠期に入ります。
② 脱皮が近づくサインは「葉のしわ」
脱皮が近づくと、リトープスの葉がしわしわになり始めるのが最初のサインです。
古い葉の中央部分にうっすらと割れ目が入り、そこから新しい葉が顔を出します。
③ 個体や品種によってタイミングは異なる
同じリトープスでも、品種や株の状態によって脱皮時期に差があります。
ある株は1月に脱皮を始めても、別の株は3月になってようやく動き出すことも。
また、前年に弱っていた株は脱皮が遅れたり、途中で止まることもあります。
リトープスの脱皮が進まない・失敗する原因5つ
① 水の与えすぎ
脱皮中のリトープスに水を与えすぎると、古い葉がふやけてしまい、うまく割れない・二重脱皮になるといったトラブルを招きます。
脱皮期は古い葉が内部の新葉に水分を送っているため、外から水を与える必要はほとんどありません。
② 日照不足
リトープスは強い光を好む植物です。日照不足になると生育が鈍り、新しい葉を押し出す力が足りなくなって脱皮が進まないことがあります。
明るい窓際や屋外の軒下など、日光がよく当たる場所で管理しましょう。
③ 株の老化や弱り
古株や弱っている株は、体力が不足して脱皮できなくなることがあります。
根詰まりや蒸れ、長期間の水分過多などが原因で弱っている場合は、植え替えや休養期間を設けて回復を待ちましょう。
④ 湿度や風通しの悪さ
脱皮中のリトープスは、湿気がこもると蒸れによる腐敗が起こることがあります。
特に古い皮が残ったまま湿気が溜まると、内部の新葉が腐りやすくなります。
室内で育てている場合は、サーキュレーターなどでやさしく風を通すと◎。
⑤ 季節外れの脱皮
秋や初冬など、本来の時期(2〜3月頃)以外に脱皮を始めると、失敗しやすくなります。
これは、水の与えすぎや温度管理の乱れが原因で、体内リズムが崩れてしまっている状態。
季節外れの脱皮を起こした場合は、水やりを控えて温度を安定させ、できるだけ株を刺激しないようにします。
脱皮中・脱皮後の正しいお手入れ方法
① 脱皮中のお手入れポイント
リトープスの脱皮中は、基本的に「見守るだけ」が鉄則です。
古い葉から新しい葉へ水分が移動しているため、外から水を与えると過剰水分で皮がふやけ、脱皮が失敗する原因になります。
脱皮中の管理ポイントは以下の通りです。
- 水やりは完全に控える
- 古い葉を無理に取らない
- 明るく風通しの良い場所に置く
- 直射日光は避け、やわらかい光を当てる
② 脱皮直後のお手入れポイント
新しい葉が完全に出てきて、古い皮がカラカラに乾いたら脱皮完了です。ここから少しずつ水やりを再開します。
いきなりたっぷり与えると根が吸収しきれず、再びふやけてしまうため注意しましょう。
脱皮直後の管理ポイントは以下の通りです。
- 1〜2週間に1度、少量の水やりからスタート
- 古い皮は自然に取れるまで放置(無理に剥がさない)
- 日光によく当てて光合成を促す
- 湿度が高い時期は特に風通しを確保
③ 脱皮後の注意点と次のステップ
脱皮を終えたリトープスは、新しい葉がしっかりと硬くなったら生育期に入ります。
この時期は日光をよく当て、水やりも徐々に通常ペースに戻します。
ただし、脱皮直後に根腐れや蒸れが起きやすいので、鉢の通気性にも注意。
リトープスの脱皮失敗を防ぐ方法
リトープスは脱皮中に水を遣り過ぎると経過がスムーズにいかず、場合によっては二重に脱皮してしまう恐れもあります。
① 脱皮中の水やりは控えるのが基本
脱皮中は、古い葉の水分を吸収して新しい葉が育ちます。
ここで水を与えてしまうと、古い葉が乾かず脱皮が長引いたり、根腐れの原因になることも。
新しい葉が完全に出てくるまでは、水やりを我慢しましょう。
② 無理に古い皮をはがさない
古い葉の皮が残っているとつい取りたくなりますが、無理に剥がすと新芽を傷つけてしまいます。
自然に乾燥して薄くなった皮は、風や指先で軽く触れるだけで取れるタイミングまで待つのが安全です。
③ 基本は放置。焦らずのんびり観察を
リトープスの脱皮は数週間〜数か月かかることもあります。途中で変化がなくても、焦って手を出すのはNG。
乾いた空気と日光を保ちながら、静かに見守るのがリトープスを上手に育てるコツです。
ひとことにリトープスといっても脱皮時期や脱皮の仕方はそれぞれ微妙に異なる
ひとことにリトープスといってもその種類や原産地はさまざまです。
もちろん基本的な性質は同じですが、脱皮時期や古い葉の落とし方はそれぞれ微妙に異なります。
古い葉を綺麗に脱ぎ捨ててくれるリトープスもあれば、品種によっては脱皮後もしばらく古い葉を残すようなリトープスもあるのです。

水分を含んだ古い葉を残す品種は脱皮後の蒸れに注意。明るく風通しの良い場所に置いて経過を見守ろう。
リトープスは脱皮すると増える?
株の種類や生育環境などにもよりますが2年に1回分頭し、1つの株が2つに分かれて株が増えます。
そのため、時期によっては脱皮しても分頭しないこともあります。
リトープスを増やしたい時はどうしたらいい?
脱皮を待って株が2つに分かれることで増やすことができます。子株が十分に生長したら株分けします。
また、花後に種を取ってその種から増やすことも可能です。
ただし、種を付けたいならリトープスを数種類育てなくてはなりません。受粉させるためです。
よくある質問(FAQ)
Q1. リトープスの脱皮はいつから始まりますか?
A. 一般的には冬の終わり〜春先(2〜4月頃)に始まります。ただし、環境や地域によって多少前後することもあります。
Q2. 脱皮中にしわしわになるのは大丈夫?
A. 問題ありません。古い葉の水分を吸収して新芽を育てているサインです。しわしわでも、水やりは控えましょう。
Q3. 脱皮中に水をあげてしまったらどうなりますか?
A. 根腐れや二重脱皮の原因になります。すぐに土を乾かし、風通しのよい場所で様子を見てください。
Q4. 古い皮が取れない場合はどうすればいい?
A. 無理にはがさず、自然に乾いて薄くなってから軽く取り除きましょう。湿った状態で触るのはNGです。
Q5. 新しい芽が見えないのは失敗?
A. 時期によってはまだ内側で準備中のこともあります。しばらく変化がなくても、焦らず見守ってOKです。
Q6. 脱皮が途中で止まったように見えるのはなぜ?
A. 日照不足や気温の低下、水分過多が原因の場合があります。日当たりのよい場所に移して様子を見ましょう。
Q7. 二重に脱皮してしまいました。どうすればいい?
A. 株が弱っているサインです。完全に脱皮が終わるまでは水やりを控え、通気性を保って回復を待ちましょう。
Q8. 脱皮中に肥料を与えてもいいですか?
A. 与えないでください。脱皮中は休眠に近い状態なので、肥料は根を痛める原因になります。
Q9. 脱皮後はすぐに水やりしてもいい?
A. 新しい葉がしっかり開いてから、2〜3週間後を目安に再開しましょう。急な水やりは根腐れのもとです。
Q10. 脱皮のスピードを早める方法はありますか?
A. 基本的に早めることはできません。適度な日光と乾燥環境を維持して、自然のペースに任せるのが一番です。
まとめ|リトープスの脱皮は焦らずゆっくり見守ろう
リトープスの脱皮は、見た目の変化が少なくても着実に進んでいます。
途中で水を与えすぎたり、古い皮を無理に剥がしたりすると、思わぬトラブルを招くことも。
大切なのは、「手を出しすぎないこと」と「環境を安定させること」です。
日当たりと風通しのよい場所で静かに観察しながら、リトープスのゆっくりとした生長を楽しみましょう。
脱皮が無事に終われば、みずみずしい新しい姿に出会えるはずです。