「リトープスがひょろっと伸びて見た目が崩れてしまった…」
そんなとき、「土に埋めて隠してもいいの?」と迷う方は多いです。
結論から言うと、埋めるのはNGで“脱皮を待つ”のが正解。
本記事では、徒長の原因と、脱皮でリセットする正しい仕立て直し方法をわかりやすく解説します。
リトープスが徒長する主な原因は「光線不足」

これらの品種は光線不足に注意していても徒長を起こしやすいという特徴があります。


赤味の強い品種は葉緑素が少なく、緑色の品種に比べると日光不足で徒長を起こしやすい傾向にあるんだ。
徒長したリトープスは「埋める」より「脱皮を待つ」のが正解!

徒長してしまったリトープスを見ると、つい土に埋めて隠したくなりますよね。
しかし、埋めても元通りにはならず、逆に蒸れて腐るリスクもあります。
実はリトープスは年に1回「脱皮」でリセットできる植物。焦って埋めずに、次の脱皮を待つのが正しい対処法です。
埋めると腐る?NGな理由
リトープスは通気性が悪くなると蒸れて腐りやすくなります。
特に徒長部分を深く埋めると、根や下葉が痛みやすいため注意が必要です。
脱皮でリセットできる理由

リトープスは春先になると、古い葉がしぼみ、中から新しい葉が現れます。
この「脱皮」のタイミングで、新しい葉が正しい形に戻るチャンスが訪れます。
徒長してしまった株でも、脱皮を経ることで再びコンパクトな姿に整うことがあります。
ただし、脱皮後も同じ環境で育てると再び徒長を繰り返すので注意しましょう。
脱皮後に注意すべき育て方ポイント
脱皮中のリトープスは非常にデリケート。
ここでの管理が、次の一年の形を決めます。
- 水やりは控える:古い葉が完全にしぼむまで断水。新しい葉を腐らせないため。
- 明るい環境で育てる:脱皮直後は徒長しやすい時期。やや明るめの場所で育てるのが理想。
- 風通しを確保する:蒸れを防ぐことで、株が引き締まったまま成長します。
脱皮後の管理が“美しい姿”へのカギ
新しい葉が完全に出てきたら、ようやく水やりを再開します。
この時期に日当たりと風通しを確保できれば、次のシーズンにはぷっくりとした理想の姿に戻るでしょう。
脱皮は、徒長したリトープスを再生させる年に一度のリセットチャンス。
焦らず、ゆっくりと見守ってあげましょう。
徒長させない!リトープス栽培で押さえておくべき3つのポイント

リトープスを徒長させないために押さえておくべきポイントは以下3つです。
リトープスを徒長させないためのポイント①気温が許す限りは屋外管理がよい
徒長を防ぐためには十分な日光と風通しが必要です。気温が許す限りは屋外で管理するのが良いでしょう。
- 春・秋…日当たり、風通しの良い場所。雨ざらしを避けた軒下
- 夏…直射日光を避けた半日陰~日陰。雨ざらしは×
- 冬…霜に当てないこと。マイナス1度~2度程度までは耐えられる。寒冷地では南向きの窓際へ
※種類によっては寒さを苦手とするものもある。あらかじめ確認しておくこと
リトープスを徒長させないためのポイント②水遣りは時期によって変える
リトープスは時期によって水やり方法を変える必要があります。
7日以上土が湿っていると根が傷むため、水の与え過ぎには注意してください。
- 生育期である冬…土がしっかり乾いたタイミングで水やり。晴天の午前中までに済ませるのが理想的
- 春・秋…土がしっかり乾いたタイミングで水やり
- 休眠期である夏…ほぼ断水
リトープスを徒長させないためのポイント③風通しを確保
リトープスは葉に沢山の水分を抱えています。そのため、蒸れると株が傷みやすいです。
蒸れを防ぐためには風通しの良さを確保する必要があります。
- 気温が許す限りは風通しの良い屋外で管理するのがベスト
- 室内管理の場合は南向きの窓際へ。窓を閉め切る時期はサーキュレーターをフル活用し空気の流れを作る
リトープスってどんな植物?

そもそもリトープスとはどのような植物なのでしょうか?くわしく解説します。
リトープスは乾燥地帯が原産。本来は殆どが土中に埋まっている
リトープスはサハラ砂漠などの乾燥した環境に自生する多肉植物です。
自然状態では地表にごくわずかしか見えないように土中に埋まっています。
これは、地下部分を守り、高温や乾燥から植物を守るための適応です。
春に脱皮する珍しい植物!
リトープスは1年に1回、春先に脱皮をしながら少しずつ大きくなるという非常に珍しい特徴を持っています。
葉がしわしわになってきたら脱皮のサイン。中から新芽が出てきます。
カラフルで種類豊富なリトープスは「生きる宝石」
意外にも種類豊富で彩り豊かなリトープスは「生きる宝石」とも呼ばれ高い人気を誇ります。
緑や赤、オレンジやピンクなどカラフルで種類豊富なリトープスはまさに宝石のようです。
リトープスの徒長に関するよくある質問(FAQ)
Q1:徒長したリトープスは埋めても大丈夫ですか?
A1:おすすめしません。埋めすぎると通気性が悪くなり、株が蒸れて腐る原因になります。徒長部分はそのままにして、次の脱皮で自然にリセットされるのを待ちましょう。
Q2:徒長したリトープスは元に戻りますか?
A2:物理的には戻りませんが、春の脱皮で新しい葉が出ることで、コンパクトな形に戻る可能性があります。脱皮までの間は断水気味にして見守りましょう。
Q3:脱皮はいつごろ始まりますか?
A3:多くのリトープスでは2月~4月ごろにかけて脱皮が始まります。古い葉がしわしわになり、中から新しい葉が顔を出してきたら脱皮のサインです。
Q4:脱皮中は水をあげてもいいですか?
A4:ダメです。古い葉が完全にしぼむまでは断水してください。水を与えると古い葉が腐ったり、新しい葉の成長が止まることがあります。
Q5:徒長の原因は光不足だけですか?
A5:主な原因は光不足ですが、水の与えすぎや風通しの悪さ、気温差が大きい環境でも徒長しやすくなります。特に冬の室内では日照不足になりやすいので注意しましょう。
Q6:どのくらい日光に当てれば徒長を防げますか?
A6:1日4~5時間以上、柔らかい日差しに当てるのが理想です。直射日光の強い夏場は遮光し、春・秋は屋外の明るい場所で育てると良いでしょう。
Q7:徒長しやすいリトープスの種類は?
A7:青磁玉・ノーリニアエ・オリーブ玉・麗春玉などは比較的徒長しやすい傾向があります。赤味の強い品種は光合成効率が低く、特に注意が必要です。
Q8:徒長しても株分けや植え替えはできますか?
A8:徒長直後や脱皮前は避けましょう。植え替えは脱皮が完全に終わった春~初夏が最適です。根が動き始めたタイミングで行うと負担が少なく済みます。
Q9:徒長を防ぐために人工照明を使ってもいいですか?
A9:はい、特に冬の室内では有効です。植物育成ライトを使えば日照不足を補えます。光量は1万ルクス前後を目安に、距離を調整しましょう。
Q10:徒長したリトープスは枯れることもありますか?
A10:徒長自体では枯れませんが、徒長によって株が弱り、蒸れや根腐れが起こると枯れる原因になります。風通しと水やりの管理を見直して、次の脱皮に備えましょう。
まとめ
- リトープスの徒長原因は、光線不足や水の与えすぎ、風通しの悪さなど環境要因が中心
- 中には徒長しやすい品種(青磁玉・ノーリニアエ・オリーブ玉・麗春玉など)もある
- 一度徒長した部分は戻らないが、脱皮でコンパクトな姿に戻せるチャンスがある
- 埋めて隠すのはNG。蒸れや腐敗の原因になる
- 気温が許す限り屋外の明るい場所で管理し、季節に応じて水やり量を調整するのがコツ
徒長してしまっても、リトープスは年に一度の脱皮でやり直せる植物です。
焦らず環境を整えながら、次の脱皮で“本来の美しい姿”を取り戻してあげましょう。

